ニホンウナギの産卵回遊行動に基づく配偶子形成機構の解明
Project/Area Number |
23K17384
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
渡邊 俊 近畿大学, 農学部, 准教授 (60401296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 貴俊 東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員 (80914019)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥25,870,000 (Direct Cost: ¥19,900,000、Indirect Cost: ¥5,970,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥16,510,000 (Direct Cost: ¥12,700,000、Indirect Cost: ¥3,810,000)
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Keywords | 日周鉛直移動 / 産卵回遊 / 行動 / 遊泳水深 / 経験水温 / ニホンウナギ / 水温 / 光 / 配偶子形成 |
Outline of Research at the Start |
ニホンウナギは海洋における産卵回遊の過程で配偶子形成を進める.しかし,その形成を制御する環境刺激やホルモンの分泌過程の機構は全く分かっていない.申請者らは,本種の産卵回遊の行動追跡実験の結果に基づき,「本種の産卵回遊中に示す日周鉛直移動によって経験する水温と光の日内変動と長期的変動が本種の配偶子形成に関与する」との仮説を立てた.そこで本研究の目的は,野外で得られた天然の生態情報に基づいて飼育環境条件(水温,光,日長)を制御し,6ヶ月間の長期飼育実験を行うことによって本種の配偶子形成機構を解明することである.本課題は,ウナギにおける産卵回遊生態の解明および自然催熟技術の開発への貢献が期待できる.
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Outline of Annual Research Achievements |
ニホンウナギは繁殖のため,東アジアの成育場から熱帯外洋域の産卵場へ向けて,約3,000kmの産卵回遊を行う.先行研究により,本種は産卵回遊の過程で生殖腺の発達(配偶子形成)を進めることが明らかとなっている.しかし,その形成を制御する環境刺激やホルモンの分泌過程などの機構は全く分かっていない. 申請者らは,本種の海洋における産卵回遊の行動追跡実験(バイオロギング)の結果に基づき,「本種の産卵回遊中に示す日周鉛直移動によって経験する水温と光の日内変動が本種の配偶子形成に関与する」との仮説を立てた.しかし,この仮説を実証した研究は未だない.そこで本研究の目的は,バイオロギングで得られた天然の生態情報に基づいて飼育環境条件(水温,光,日長)を制御し,6ヶ月間の長期飼育実験を行うことによって本種の配偶子形成機構を解明することである.本研究の1年目の実施計画として,まずは飼育実験装置の試運転や微調整およびラボの設置(島根県江津市に設置するトンネルラボ)を行う予定とした.しかしながら,研究の開始が秋からであり,半年間で上記の実験計画のすべてを実行することができなかった.ただし,ニホンウナギおよび他種の産卵回遊行動についての比較やその行動意義についての検討をすることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の1年目の実施計画として,まずは2023年9月から2024年の3月まで飼育実験装置の試運転や微調整(山陽空調工業株式会社:広島県)および島根県江津市でのトンネルラボの開設と飼育実験装置の設置を目指した.その結果,トンネルの借用およびラボ設置の契約,また,飼育実験装置の設計図の詳細な検討までは進むことができた. この研究の基礎となるウナギ属魚類の産卵回遊行動である日周鉛直移動を既知の結果より,さらに検討することができた.例えば,産卵回遊距離がウナギ属魚類の中でも最も短いセレベスウナギの産卵回遊行動と,長距離回遊を行うニホンウナギを比較すると,日周鉛直移動の上限の水温差異が両種では異なり,それがそれぞれの成熟期間を規定するのではないかとの新たな仮説を考えることができた.また,低水温を経験したニホンウナギは,既報個体よりも浅い水深を遊泳する傾向が認められ,この結果より、光および水温環境の複合的な要因に基づいて産卵回遊中のウナギが遊泳水深を決定するためのモデルを得ることができた.これらの仮説やモデルは本研究に必須と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年の秋までにトンネルラボの開設と飼育実験装置の稼働準備を行う.次に本研究の材料となる河川をくだりはじめた天然ウナギもしくは養殖にて銀化してきたニホンウナギを2024年の12月までには漁業者もしくは養殖業者から購入する.飼育実験には成熟に関連した体色や眼径など外部形態による銀化インデックスに基づいたS2段階の個体を使用し,埋め込み式電子標識(PITタグ)を用いて個体識別を行う.本種の配偶子形成に関与する環境要因は水温の日内変動と月周期変動であるとの仮説より,これらを操作する6ヶ月間の長期飼育実験をトンネルラボにて2025年1月から6月まで実施する.この1回目の飼育実験では水温変化のみに着目する予定である.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Migration Behavior of Anguilla celebesensis silver eels within their Tomini Bay Spawning area2023
Author(s)
R. Manabe, T. Higuchi, S. Watanabe, F. Y. Tantu, H. Y. Sugeha, H. Kaneko, M. J. Miller, S. Hagihara, T. Yoshinaga, A. Syahailatua, S. Wouthuyzen, Triyanto, K. W. A. Masengi, K. Sato, J. Aoyama, K. Tsukamoto
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Journal Title
Zoological Studies
Volume: 62
Pages: 46-46
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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