Project/Area Number |
23K18486
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 61:Human informatics and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近野 敦 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (90250688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 拓 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (10512113)
小水内 俊介 香川大学, 創造工学部, 准教授 (40708004)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | デジタルツイン / 手術計画立案 / 動力学シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
近年,手術支援ロボットを用いた手術が急速に普及している.現在は手術医がロボットを操作して手術を行っているが,将来は人工知能が自動的に判断して手術を行う「完全自動化手術」が期待される.完全自動化手術では手術計画生成を自動生成する必要がある.そこで本研究では,医用画像および検査データから患者のデジタルツイン(現実世界を仮想世界に再現したモデル)を生成し,過去の手術のデータベースとデジタルツインを用いた試行による最適化を用いて手術計画を自動生成することに挑戦する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,患者の医用画像および検査データから患者のデジタルツイン(現実世界を仮想世界に再現したモデル)を生成し,過去の手術のデータベースとデジタルツインを用いた試行による最適化を用いて手術計画を自動生成することに挑戦する. 研究開発項目を大きく,1. 腹腔鏡下腎部分切除術データベース分析,2. 患者のデジタルツインを用いた手術手順最適化,の二つに分け,小課題として,1-1 腎部分切除術データの言語化,1-2 腎部分切除術データの特徴量抽出,2-1 患者デジタルツインを用いた動力学シミュレーション,2-2 腎部分切除術データを用いた手術手順生成,2-3 手術手順,切除術の最適化,2-4 手術手順自動生成評価,を設けた. 初年度の2023年度は,主に1-1, 2-1, 2-2の課題に取り組んだ.課題1-1に関しては,北海道大学医学部腎泌尿器科教室とともに実施したカダバー(故人の遺志により提供されたご献体)を用いた腎臓摘出手術訓練53例で,使用する手術器具すべてにマーカーを取り付け,モーションキャプチャー装置でその動作を記録した.また,腎臓摘出手術を,(1) 下行結腸(または上行結腸)の受動(剥離すること)と膵臓脾臓の受動,(2) 腎血管の止血・切断・処理,(3) 残りの組織の処理,の3工程に分け,それぞれの工程で,使われている手術器具,手術器具の動作特徴量を抽出した.課題2-1では,「埋め込み(embedding)」と呼ばれる手法で肝臓・胆嚢・膵臓の有限要素モデルを作成し,3,225要素1,663ノードのモデルでは動力学シミュレーションの1ループが50 msと,ほぼ実時間でのシミュレーションを実現した.埋め込みの最大の利点は,オンラインで要素のサイズを変更できる点である.課題2-2では,課題1-1と関連し,これまで行った腎臓摘出手術訓練21例で手術工程の分類を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北海道大学医学部腎泌尿器科教室とともに,カダバーを用いた腎臓摘出手術訓練を,43名に対して53回実施し(43人中10名が2度実施),そこで使われる全ての手術器具の動作を記録してきた.約2時間にも及ぶ腎臓摘出術を三つの工程に分け,そのうち第二工程である腎血管の止血・切断・処理について,手術器具の動作データから特徴量を抽出し,熟練者,中級者,初級者の違いを解析した.このデータをまとめ,医学専門誌であるCurrent Problems in Surgery(IF = 4.4 (2022))に投稿中である.第一回目の査読結果はMinor Revisionとなり,現在修正原稿を作成中である.また,国際会議,国内会議でも多数の発表を行うなど,着実に成果が出ている.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2024年度は,1-1 腎部分切除術データの言語化,1-2 腎部分切除術データの特徴量抽出,2-2 腎部分切除術データを用いた手術手順生成,2-3 手術手順,切除術の最適化,の課題に取り組む. 課題1-1と1-2では,2023年度で解析した腎摘出術カダバートレーニングで計測したデータを用いて,言語化した手術工程とその手術行程中の手術器具動作特徴量を機械学習し,新たなカダバートレーニングにおいて,手術器具の動作特徴量から手術工程を推定する手法を開発する.これにより,手術器具の動作特徴量と手術工程を結びつける言語化を達成する. 課題2-2,2-3では,手術データベースから初期手術手順を生成し,その手順に従い動力学シミュレーションを行い,臓器に発生する応力,手術時間,手術器具交換回数等の指標から最適な手術手順を生成する手法を開発する.課題1-1, 1-2の成果を取り入れ,手術器具の位置と動作から現在行っている手術工程を推定し,それを動力学シミュレーションに反映し,血管の切断や臓器の切除といった,臓器全体のトポロジー変化をシミュレーションで再現する.
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