Project/Area Number |
23K19295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0602:Agricultural and environmental biology and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧 隆宏 京都大学, 農学研究科, 助教 (80977413)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 種なし / CKI1 / ゲノム編集 / トウガラシ / トランスクリプトーム |
Outline of Research at the Start |
果実の種なし性は食べやすさや、加工時の廃棄物削減にかかわる重要な農業形質である。CKI1(Cytokinin Independent 1)遺伝子は様々な野菜・果物を種なしにするための有望な遺伝子である。しかしその遺伝子の欠損は致死となるため、これまで利用されてこなかった。トウガラシ種なし変異体の解析から、CKI1遺伝子の変異の程度によっては致死性を回避できる可能性を見いだした。本研究では、様々な植物に種なし性を導入することを目指して、CKI1遺伝子のどのような変異であれば致死性を回避し種なし化できるのかを調査し、そのメカニズムの解明も試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
Cytokinin independent 1(CKI1)は雌性配偶子発達のキー遺伝子であり、種なし果実作物を開発するための有望なターゲットである。完全な機能欠損は致死となり変異ホモ個体を得られないが、Leakyな変異は致死を回避できホモ接合個体は種なし果実をつける。本研究の目的は、どのような変異アレルであれば致死を回避して種なし化に利用できるのかを明らかにすることである。 ナス科、ウリ科、バラ科、ミカン科、イネ科を含む様々な作物のゲノム情報から、CKI1オーソログを探索し、アミノ酸配列のアライメントを行った。機能に重要なレシーバードメインに注目すると、解析に用いた全ての植物種で保存されたアミノ酸残基は3次元的に集中していることを明らかにした。このことから、この部分がタンパク質の機能に重要であると推察し、シロイヌナズナにおいてこの領域を含むガイドRNA(重篤な変異を得られると予想)および含まないガイドRNA(Leakyな変異を得られると予想)を合わせて5カ所設計した。このコンストラクトを導入した形質転換体を作成し、各コンストラクトのT1世代において変異体の候補個体を獲得した。現在それらの自殖後代を栽培しており、今後、変異の導入を確認し、表現型の調査も行う予定である。 トウガラシ種なし変異体tn-1がもつLeakyなcacki1変異アレルは致死性を回避できる。野生型CaCKI1およびtn-1型cacki1をそれぞれ過剰発現させるコンストラクトを作成した。今後はシロイヌナズナのcki1変異体に導入し、致死性回避メカニズムが植物種間で共通しているのかを調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変異の程度が異なると考えられるガイドRNAを設計し、各コンストラクトで変異体の候補を得ることができたことから概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
変異の導入が確認できた個体の後代を用いて変異アレルの伝達率から致死性を評価する。複数のアレルを評価することでCKI1タンパク質の機能や致死性回避メカニズムについて考察を行う。 トウガラシCKI1のシロイヌナズナでの相補実験やトマトでCKI1のゲノム編集系統を作出することで、CKI1遺伝子の機能が保存されているか調査し、その変異が他の植物種でも利用できるかを明らかにする。
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