Project/Area Number |
23K19372
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0702:Biology at cellular to organismal levels, and related fields
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小倉 岳彦 九州大学, 農学研究院, 学術研究員 (80553726)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | イネ / オーキシン / 種子 / 種子貯蔵物質制御 / 形質多様性 / 子実 / 子実貯蔵物質制御 |
Outline of Research at the Start |
主要穀物の一種イネにとって子実(米)の形質は最重要であるが、これは高・低温ストレス等の生育環境に影響を受けて多様性を見せる。植物ホルモンオーキシンは、オーキシン系(オーキシンが関連因子と形成する系)の動的制御を通して、環境応答をはじめ非常に多くの生長プロセスを制御することから、イネ子実形質の環境適応的な多様化にも関与してきたと考えられる。本研究では、イネ変異体ライブラリや在来種等の遺伝子資源を活用し、イネ種子の貯蔵物質と粒形の形質多様性の決定に携わるオーキシン系の遺伝子制御ネットワークを解明するとともに、イネの人為的あるいは自然選択におけるオーキシン系とその機能の多様化の分子基盤に迫る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、植物ホルモンであるオーキシンに依存的な形質多様性に基づくイネの環境適応プロセスの解明を目指す包括的アプローチの第一歩として、イネの形質多型の基盤となるゲノム、トランスクリプトームレベルの多型データの詳細解析を進め、イネ種子貯蔵物質を制御するオーキシン系遺伝子群を同定することを目的とする。2023 年度は、課題採択後の半年間で、研究計画に基づいて以下の実験等を行った。 1.圃場生育条件下におけるオーキシン輸送阻害剤 NPA 処理方法の確立 2.圃場生育条件下におけるオーキシン輸送阻害剤 NPA 処理イネ胚乳サンプルの収集 1 については、DMSO に溶解した NPA をラノリンと混和し、イネの穂首節に塗布することで、雨天等の環境に暴露されても安定的に NPA を処理する方法を確立した。2 については、1 で確立した方法を用いて実際に圃場で出穂したイネ標準系統である日本晴に NPA 処理を行い、処理 0 日、3 日、5 日および 10 日後のイネ種子から胚乳を摘出して収集した。さらに、本研究課題で必要となるイネ変異体ライブラリ (NIM ライブラリ) の形質解析法やゲノム解析法等についても準備を進めた。 これらの成果や本研究課題の計画について、イネ遺伝学・分子生物学ワークショップ2023 (九州大学・福岡) や、第18回九州育種談話会 (佐賀大学・佐賀) でポスター発表を行い、成果の発表とともに研究の発展性等について議論を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023 年度においては、収集したイネ胚乳サンプルを用いて RNA-seq 解析を行う予定であったが、イネ胚乳から得られた RNA の収量が期待の値よりも少なかったことから、さらなるサンプルの収集の後に解析を行うこととした。また、詳細解析を予定していた PIN 遺伝子の変異体について、該当する NIM 系統に顕著な形質が観察されなかったことから、現在、当該系統が実際に標的遺伝子に突然変異を含むことの確認を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024 年度は、NPA 処理日本晴胚乳サンプルの RNA-seq 解析に加え、予定通り台中65号、ひとめぼれ、無芒白笹についても NPA 処理および RNA-seq 解析を行う。また、オーキシン信号マーカー系統の作出を行う。これらを用いて、イネ胚乳形質多型の制御に関わるオーキシン関連遺伝子の探索を行う。これらの結果をまとめて、論文発表の準備を行う。
|