Project/Area Number |
23K19580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0902:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田畑 耕史郎 北海道大学, ワクチン研究開発拠点, 特任助教 (70980837)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | DDS / 経鼻ワクチン / IgA抗体 / M細胞 |
Outline of Research at the Start |
季節性インフルエンザウイルスは、鼻粘膜上皮細胞が初感染部位となる。そのため、初感染部位に抗原特異的な分泌型IgA抗体を誘導可能な経鼻ワクチンは、高いワクチン効果が期待される。しかしながら、鼻腔内には免疫応答に寄与する細胞が少なく、十分なワクチン効果を得ることが難しい。そこで、申請者は粘膜組織において外来抗原を積極的に取り込み、IgA抗体産生に寄与するM細胞に着目した。本研究では四量体二重特異性IgA抗体をドラッグデリバリーシステム(DDS)キャリアとして用いることで、タンパク質抗原をM細胞に特異的に輸送し、効率的に分泌型IgA抗体誘導を可能にする新規DDS基盤技術の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
季節性インフルエンザウイルスは、鼻粘膜上皮細胞が初感染部位となる。そのため、初感染部位にインフルエンザウイルス抗原特異的に分泌型IgA抗体を誘導可能な経鼻噴霧型ワクチンは、高いワクチン効果が期待される。しかしながら、(1)鼻粘膜組織には抗体応答の中核を担う免疫担当細胞数が少なく、(2)粘膜上に存在する常在菌由来プロテアーゼによりワクチン抗原が分解されてしまい抗原の免疫原性が維持できない、という2つの理由からワクチン抗原の経鼻噴霧による感染防御に必要な免疫応答を誘導することが難しい。そこで、申請者は粘膜組織において外来抗原の積極的な取り込みを担い、粘膜免疫誘導の起点となるM細胞に着目した。本研究課題では、申請者がこれまでに開発した四量体二重特異性IgA抗体作製技術を用いて、M細胞特異的な輸送、且つタンパク質抗原のプロテアーゼからの保護を目的とした新規ドラックデリバリーシステムの開発を試みる。 これまでの二重特異性IgA抗体は、精製組換えIgA抗体を用いて作製してきた。この作製方法では、高い精製度の組換えタンパク質が必要であったため、より簡便に二重特異性IgA抗体を作製する方法を検討した。その結果、各タンパク質を発現した哺乳類細胞を適切な比率で混合することで培養上清中にて二重特異性IgA抗体を作製することに成功した。 さらに、2023年度はM細胞のin vitro培養法の確立を試みた。6週齢マウスから気道組織を採取し、気道組織をプロテアーゼ処理することでマウス気道由来上皮細胞を単離した。単離した上皮細胞をセルカルチャーインサート上で培養し、RANKL刺激を加えることでM細胞に分化させることに成功した。また、in vitro培養で分化させたM細胞は、成熟M細胞マーカーであるGP2タンパク質を発現していることを免疫蛍光染色法にて確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二重特異性IgA抗体の作製には、純度の高いIgA抗体コンポーネントを必要としたため、各コンポーネントの調整が律速となっていた。そこで、より効率よく且つ簡便に二重特異性IgA抗体を作製できる方法を検討した。その結果、各IgAコンポーネントを発現した細胞を共培養することにより、上清中で二重特異性IgA抗体を作製することに成功した。さらに、マウスから採取した気道組織からマウス気道由来上皮細胞を単離し、単離した上皮細胞をセルカルチャーインサート上で培養し、RANKL刺激を加えることで成熟M細胞マーカーであるGP2タンパク質を発現したM細胞のin vitro培養法を確立した。計画当初、予定していたGP2タンパク質に対するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマからの可変領域のクローニングが実施できなかったが、インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質のHead並びにStalkを認識する抗体クローンを組換えIgAとして作製した。以上より、次年度以降の研究へ繋がる成果を得られたことから、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
GP2タンパク質に対するモノクローナル抗体の取得を試みる。組換えGPタンパク質をマウスに免疫した後に、脾臓を採取し、脾臓からGP2タンパク質特異的に認識するB細胞受容体を発現した胚中心由来B細胞をセルソーターにより単離する。その後、ヘルパー細胞と共培養することで、培養上清中への抗体産生を促し、上清中の抗体を用いて有望なモノクローナル抗体産生B細胞を選抜する。その後、B細胞から抗体遺伝子をクローニングし、組換えIgA抗体として作製する。抗GP2 IgA抗体と抗HA IgA抗体を用いて二重特異性IgA抗体を作製し、タンパク質抗原と複合体を形成させた後に、DDSキャリアとしての有効性をin vitro並びにin vivoの系を用いて評価する。
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