Project/Area Number |
23K20604
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Project/Area Number (Other) |
21H00717 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
赤尾 健一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30211692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上東 貴志 神戸大学, 計算社会科学研究センター, 教授 (30324908)
西村 和雄 神戸大学, 計算社会科学研究センター, 特命教授 (60145654)
和佐 泰明 早稲田大学, 理工学術院, 専任講師 (60793560)
石井 仁司 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (70102887)
内田 健康 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (80063808)
阪本 浩章 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (80758996)
鈴木 詩衣菜 聖学院大学, 政治経済学部, 准教授 (80780121)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 国際環境協定 / 動学ゲーム / Payoff dominant 均衡 / 区分的に連続な戦略 / 協調ゲーム / 非対称動学ゲーム / 協力解 / 環境主義的効率解 / 平等主義的協力解 / Stackelberg ゲーム / 協調ゲーム/Stackelberg ゲーム |
Outline of Research at the Start |
本研究では、国際環境協定を、各国にとって望ましいナッシュ均衡(payoff dominant 均衡)を選択する事前交渉付き協調ゲームと見なして、次の課題に取り組む。 (a) この想定の妥当性の検討、 (b) この想定の下での区分的連続関数を含む戦略空間上の非対称動学ゲームの payoff dominant 均衡の特徴づけ、 (c) 新たな科学的知見や技術革新の可能性が同均衡に及ぼす影響(不確実性の導入)、 (d) 非対称ゲームにおける非協力解の厚生評価、 (e) もう一つの国際環境協定の定式化として、リーダー国群/フォロワー国群の構造をもつ Stackelberg モデルの定式化と分析。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き非対称動学ゲームについて研究を進めた。本年度は特に協力解を分析し、その準備として対称動学ゲームの非対称協力解についても研究を行った。効率的協力解は各プレイヤーの効用にウェイトを与えることで得られるが。ウェイトは自由に設定できるため無数の効率的協力解が存在する。2人ゲームについて、環境問題の観点から、定常状態の汚染が最も多くなるものと少なくなるものを明らかにした。汚染が最も少なくなるものは、一方の国の社会厚生を無視してそのウェイトをゼロとする場合である。それによって、当該国からの汚染はゼロとなる。同時に、もう一方の国の汚染を緩和する機能は残る。これら2つの要因によって汚染は最小化される。他方、汚染が最も多くなるケースについては、対応するウェイトを導出した。また、両国に等しいウェイトを与える平等主義のケースが汚染を最大化する条件を明らかにした。協力解において汚染を最小化する/最大化するウエイトに関する分析からわかることは、環境主義と平等主義は両立しないということである。そこで、国際環境交渉においてウェイト選択がどのように行われるかが課題となる。この点に関して、本年度の研究では、long-run envy freeを想定し、それに対応するウェイトを明らかにした。 これまで主に標準的な動学ゲームから国際環境協定を理解してきたが、本年度は具体的な地球環境問題に関する国際条約を経済学的に理解することも試みた。初年度(2021年度)も類似の考察を行ったが、そこでは標準的な動学ゲームを正当化する証拠を見出すことが目的であった。本年度の考察は、標準的な動学ゲームでは表現しがたい事実や理解しがたい事実をいかに解釈するかを主眼としている。未だ考察途上であり、本年度は論点の抽出にとどまっているが、新たなモデル構築や解釈を求めて研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定している研究成果について最終年度には結果を得ることが予想されるため。また、研究計画以上の研究の発展が見込まれるため。
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Strategy for Future Research Activity |
非対称動学ゲームの非対称MPNEのうち long-run envy free NEをpayoff dominantと定常状態において対応する協力解のウェイトの観点から特徴づける。Stakelbergモデルの分析を完成させる。実際の国際環境協定と標準的な動学ゲームの差分を明らかにし、差分を合理化する解釈やモデル構築を試みる。
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