社会経済的格差に着目したがん対策に資する空間疫学的ビッグデータ解析研究
Project/Area Number |
23K21523
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Project/Area Number (Other) |
21H03210 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
伊藤 秀美 愛知県がんセンター(研究所), がん情報・対策研究分野, 分野長 (90393123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 類 愛知県がんセンター(研究所), システム解析学分野, 分野長 (90380675)
高橋 邦彦 東京医科歯科大学, M&Dデータ科学センター, 教授 (50323259)
大谷 隆浩 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (30726146)
松坂 方士 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (70431434)
金村 政輝 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん疫学・予防研究部, 部長 (80418615)
大木 いずみ 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50296092)
西野 善一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70302099)
杉山 裕美 公益財団法人放射線影響研究所, 広島疫学部, 副部長 (40393425)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | がん / 地理的格差 / 空間疫学 / がん対策 / 格差 |
Outline of Research at the Start |
健康日本21の基本的な方向性のひとつに、健康寿命の延伸とその格差縮小が目標に掲げられている。日本人の死因の第一位で、2人に1人が罹患 し5人に1人が死亡する「がん」において、都道府県レベルあるいは市町村レベルで、罹患・死亡の地域格差が拡大していると言われている。 社会経済分野、保健医療分野の公的なビックデータを利用し、それぞれの情報を視覚化・指標化し地理的に情報を連結することで、社会経済 的要因、生活習慣に関するリスク行動、保健医療サービスへのアクセスビリティの地域的な違いが、がん罹患・死亡の格差に与える影響につい て、空間疫学的手法等の手法を用いて多面的に評価し、各地域が活用できる成果を還元する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、公的なビッグデータを用い、記述疫学・空間疫学・データサイエンスの手法により、社会経済ならびに保健医療に関する貧困、がんに関連する生活習慣、予防・医療サービスへのアクセスについて地図上に視覚化し、その集積性を検定することで、地域格差を評価する。本年度は以下のように、がん死 亡をアウトカムとし、社会経済的関連解析を行った。全国の人口動態死亡情報(2013-2017年)と国勢調査情報(2015年)を用いて算出した標準化がん死亡比のベイス推計値と剥奪指標(Areal Devprivation Index; ADI)を用い、線形回帰モデルにて、がん死亡におけるADIの影響を評価したところ、ADIが高い、つまり貧困度が高い地域ほど、がん死亡が多かった。また、ADIのがん死亡に対する影響は、都会度が高いほど大きく、田舎ほど小さかった。がん死亡の部位別にみると、肺がんや肝がんで都市度による差は大きかった。 次にADIと標準化死亡比との関連において、喫煙を媒介要因とした影響をみるために媒介分析を行った。ADIが高い地域ほど、喫煙率が高いためにがん死亡が高くなるという間接効果と、喫煙以外の効果、例えば、検診や治療へのアクセスあるいはADIそのものによりがん死亡に影響を与える直接効果と、両方を認めた。 愛知、青森、宮城、石川、栃木、広島については、がん罹患、死亡、ADI、生活習慣の指標を小学校区別に算出し、視覚化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度のがん罹患情報の入手が大幅に遅れたため、その影響が2022年度にまで及んだため
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Strategy for Future Research Activity |
がん罹患においても同様の関連解析を行う。さらに、貧困ががん罹患・死亡に及ぼす影響を、喫煙や飲酒などの生活習慣を介した影響か、それ以外の影響かを区別して評価するための、媒介分析も、喫煙以外を媒介要因として実施する。さらに、愛知、青森、宮城、石川、栃木、広島の情報を用いて、市町村より詳細な地理単位、小学校区を用いた評価を行い、がん対策に資する成果を創出する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)