Project/Area Number |
23K21779
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Project/Area Number (Other) |
21H03658 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
角田 裕志 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 専門研究員 (50601481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 彩夏 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 研究員 (30781695)
嶌本 樹 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (80825620)
江成 広斗 山形大学, 農学部, 教授 (90584128)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | 中大型哺乳類 / 人口減少 / 極端気象 / ストレス / 行動反応 / 野生動物 / 行動生態 / ストレスホルモン / 安定同位体比分析 / 人為干渉 / Landscape of fear / 気候変動 |
Outline of Research at the Start |
近年、野生動物の生息域や個体数が全国的に回復し人との軋轢が増加している。今後人口減少や気候変動が進む中で野生動物の生息域拡大と人との軋轢増加が懸念される。しかし、人口減少や気候変動に伴う外的駆動因に対する個体レベルでの生物学的応答プロセスは明らかにされていない。本研究は、生態学(バイオロギング・テレメトリ法)・行動学(カメラトラップ法・ボイストラップ法)・生理学(ストレスホルモン生化学分析・個体分析)の統合的なアプローチによって、人為撹乱低下や極端気象増加に対する野生動物の応答レベルを定量化し、将来の野生動物の回復プロセスの精細な予測と順応的な個体群・生息地管理への貢献を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の実績を以下に記す。 1)人為干渉に対する行動反応を把握するためのカメラトラップ調査を福島県・会津地域と長野県・浅間山にて実施した。埼玉県・秩父市の人為撹乱影響が小さな地域でのシカの行動データを分析を進め、。上記3地域ではストレスホルモン等の計測用サンプルとしてシカ糞の採集にも取り組んだ。極端気象(暑熱環境)の影響に関する調査のための市街地近交の平野部において中型食肉目動物の捕獲に取り組んだ。 2)シカ(対象地:会津・浅間山)を対象に、「恐れの景観」に関わる捕獲等の人為攪乱強度が異なる地域においてボイストラップ法を実施した。また、同様の調査地において、極端気象に対する行動変化を定量化するために、それぞれの種を生体捕獲し、GPSテレメトリを装着した。 3)ニホンジカを対象に人為攪乱とストレス応答の関係を明らかにするために、野外のシカから体毛を採取し、ストレスホルモンであるコルチゾールを体毛から抽出し、測定した。その結果、農作物・牧草地の利用度合いとストレスの関係について結果が得られたため、第8回国際野生動物内分泌学会で研究成果を発表した。 4)昨年度に実施した飼育シカ実験からニホンジカの体毛成長動態や餌情報の体毛反映速度を明らかにした。また野外シカ100頭の試料を収集し、人為攪乱とストレス応答の関係解析を進めるために各種データを取得した。さらに収集したシカ試料から得られた情報を基に対象調査地に生息するシカ集団の基盤情報を取りまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カメラトラップ調査は昨年度に実施できなかった新たなサイト(浅間山)での調査に加えて南会津において追加調査を行った。また、ストレスホルモン分析用のシカ糞の採集、シカ糞サンプルのDNA分析による雌雄判別、極端気象影響のための動物の捕獲について年度当初の計画通りに実施することができた。 シカ用のボイストラップは会津で5サイト、浅間山で8サイトにて実施した。サル用ボイストラップは、過去の蓄積データを活用し、鳴声を指標とした群れの加害性評価手法を確立した。また、極端気象に対する行動変化を評価するために、シカ8頭(会津)、サル2群れ(白神)を対象にGPSテレメトリを装着し、追跡を開始した。 野生のニホンジカにおける体毛コルチゾール測定については概ね順調に進んでいる。R5年度に収集したサンプルについても、既にホルモン抽出までは終わっているため、あとは測定するのみとなっている。 捕獲個体分析についても予定通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
人為干渉については、長野県・浅間山での自動撮影カメラによる調査とシカ糞の採集を継続して取り組む。採集済みのシカ糞からDNA分析による雌雄判別を順次進めていく。極端気象については、対象種の捕獲が成功しなかったため、捕獲器具や餌付け条件を改善して、再度捕獲を試みる。 シカを主な対象に、蓄積した生物音響データから鳴声を抽出し、人為攪乱(捕獲)の強度、個体数密度、集団の構成、気象条件などから、その発声様式を明らかにする。また、GPSテレメトリ装着済みのシカとサルを継続的にモニタリングし、気象条件と行動特性を紐づけていく。 R5年度の研究では体毛が冬毛のみであったため、夏毛も解析することで農作物・牧草地の利用度合いとストレスの関係をより総合的に捉えることができるだろう。既に夏毛のサンプルは入手しているため、今年度はこれらを解析する。さらに、調査地において糞サンプルも収集しているため、これらのストレス解析も同時に進める。 捕獲個体分析は前年度と同様に実施予定である。
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