Project/Area Number |
23K21970
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Project/Area Number (Other) |
22H00698 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大橋 幸泰 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30386544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 有子 明治大学, 文学部, 専任准教授 (00727927)
平岡 隆二 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (10637622)
岸本 恵実 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50324877)
折井 善果 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (80453869)
牧野 元紀 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (80569187)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,910,000 (Direct Cost: ¥10,700,000、Indirect Cost: ¥3,210,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | キリシタン / 異文化交流 / 異端的宗教活動 |
Outline of Research at the Start |
本研究で進めようとする課題は、次の三点である。第一は、キリシタン布教による異文化交流の諸相を見いだすことである。異なる宗教が出会ったときの教義・思想への影響ばかりでなく、それに付随して展開した科学思想や語学研究の特質を検討したい。第二は、キリシタン流入にともなう摩擦の実態を明らかにすることである。特に東アジアのなかの日本の位置を念頭に置いて考える。第三は、キリシタンばかりでなく、禁止や規制の対象とされた異端的な宗教活動と既存秩序の関係を考えることである。キリシタンのみならず、制約を受けた宗教を幅広く視野に入れて考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
本科研2年目の2023年度、前科研の成果集として、『近世日本のキリシタンと異文化交流』を勉誠出版から刊行した。この書籍では、科研メンバーの研究を「キリシタンの文化と思想」、「日本を取り巻くキリシタン世界」、「キリシタン禁制の起点と終点」の3つのまとまりで構成し、キリシタンが日本のみならず東アジア世界に与えた影響について、さまざまな観点から考察した。本科研では、この成果と課題を意識して今後の研究を進めたい。 2023年度も国内外の史料調査を行うことができた。国内では、西尾市岩瀬文庫、大村市歴史資料館、長崎歴史文化博物館、長崎県立図書館郷土資料室、天草アーカイブズ、熊本大学図書館、山江村歴史民俗資料館、萩博物館、横浜開港資料館などを訪問し、調査を行った。国外では、イタリアのイエズス会文書館(ローマ)、布教聖省文書館(ローマ)、ポルトガルのアジュダ図書館(リスボン)、スペインの国立図書館(マドリード)、マレーシアの国立博物館(クアラルンプール)、歴史博物館(マラッカ)などを訪問し、調査を行った。これらを通じて、通俗的排耶書を含めた反キリシタン史料、隠れ念仏関係史料、パリ外国宣教会関係史料などを見いだした。また、ポルトガル国立トーレ・ド・トンボ文書館から17世紀イエズス会東アジア布教史の編年記録を取り寄せ、他機関所蔵本との比較・分析の結果、両者の内容的差異を見出すことができた。 以上の文書調査に加えて、いくつかの地域で現地視察を実施した。島原・天草一揆の談合島として知られる湯島など関係史跡、フランシスコ・ザビエルが初めて日本人(アンジロー)に出会ったマラッカの関係史跡などが巡見先である。 なお、共同研究の社会への還元として、東洋文庫ミュージアムの企画展「キリスト教交流史─宣教師のみた日本、アジア─」の準備に協力するとともに、科研メンバーが講演を担当したことを付記する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研の課題が見いだされた前科研の成果集が刊行されるとともに、国内外の調査も進められ、研究はおおむね順調に進展している。また、科研メンバーに加えて、この分野に関心を持つ方々にも広く呼びかけ、キリシタン学研究会を2023年度、2回開催した。この研究会は科研の成果を発信する機会であるとともに、本科研の課題を意識する上で有益となっている。本年2024年度も、国内外調査の継続と研究会の定期的開催を維持したい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も昨年度に引き続き、国内外の史料保存機関を訪問し、世界各地に残るキリシタン関係史料と異端的宗教活動関係史料の収集に努める。また、昨年度に刊行した『近世日本のキリシタンと異文化交流』における成果と課題を意識して研究を進めたい。 本年もキリシタン学研究会のほか、いくつかの研究会や学会、講演会などで本科研の成果を発表する機会が予定されている。日本のみならず世界に向かって研究成果の発信に努めたい。
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