Project/Area Number |
23K22342
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Project/Area Number (Other) |
22H01071 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
縣 秀彦 国立天文台, 天文情報センター, 准教授 (30321582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 直記 京都教育大学, 教育学部, 講師 (10965479)
海部 健三 中央大学, 法学部, 教授 (30615258)
加納 安彦 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (50252292)
山崎 友紀 法政大学, 経済学部, 教授 (50311048)
今井 泉 東邦大学, 理学部, 教授 (80711390)
長沼 祥太郎 九州大学, 未来人材育成機構, 講師 (40826096)
小森 次郎 帝京平成大学, 人文社会学部, 准教授 (10572422)
上野 宗孝 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙探査イノベーションハブ, 技術領域主幹 (30242019)
富田 晃彦 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20294291)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,300,000 (Direct Cost: ¥11,000,000、Indirect Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | Agency / コンピテンシー / 必修基礎科目 / 科目横断 / カリキュラム / 高等学校理科 / 学習指導要領 / 課題解決 / 必修 / コンセプト / コンテンツ / STEAM |
Outline of Research at the Start |
(1)歴史的経緯およびSTEAM教育など海外の動向についての調査、(2)現職教員等関係者への聞き取りやアンケート調査等の多角的な検討を並行して行った後に、(3)新カリキュラム案要素を親和図法等により構造化し複数のモデルを構築する。このモデルに沿って指導案、教科書、教材等を作成する。 さらに(4)複数のモデルごとに授業実践(部分的)を協力校にて複数回行い、その統計分析により効果測定を行う。また、各カリキュラム案に対しアンケート調査や必要に応じてフォーカスグループインタビューなどを実施する。 (5)以上の結果を取りまとめ、比較分析することで、最終的な新カリキュラム案を発表する。
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Outline of Annual Research Achievements |
次期学習指導要領に実装可能な高校理科カリキュラムを多角的に検討している.高等学校理科 4 領域が,現在はほぼ独立して指導されている一方,その内実は相互に関連しながら現代社会の問題に密接に関連していることを重視し,科学教育の意義・目的と現代社会における役割を再考し,生徒の課題解決能力の育成を主眼とした総合的かつ基礎的な必修理科科目を構想し,実践・評価することを目的としている.2022-25 年度の研究であり,ここでは 2 年度目までの研究実績を報告する. 新カリキュラム案として,当初6つの案を構想したが,1年間の検討の結果, 3 つの案すなわち、(1)「エネルギーと系」を中心とした案,(2)理科総合型案,(3)化学・生物(理科A)+物理・地学(理科B)案に収束した.2024年2月にシンポジウムを開催し,参加者にこの3案の評価を実施していただいた.また,このシンポジウムでは多様な意見とアイデアが参加者から提案された.これらの評価・意見を踏まえ,カリキュラム案ごとに指導案,教科書,教材等を作成し,今後,主要部分の授業実践を協力校等にて行い,その統計分析等により評価分析を行う予定である.また、各カリキュラム案に対しアンケート調査や必要に応じてフォーカスグループインタビューなども実施予定である. 各カリキュラム案ともに「地球温暖化など気候変動,生物多様性と生態系,エネルギー問題,感染症,水質汚染,科学技術と人間生活,宇宙・地球・生命・ヒトの理解」等の「現代社会の課題解決」のために必要な理科分野の素養すなわち,いわゆる「Agency」の習得を目的としていることが特徴となっている. 2023年12月に高校理科教育の実情と課題についてウェブ調査によって現職教員100名及び生徒・卒業生対象500名のアンケート調査を実施した.その結果,4分野を含む必修基礎科目が求められていることが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(2022年度)に教員視点分科会による実情把握調査ができなかったことを受けて,懸案となっていた教員向けのアンケート調査を本研究グループ全体での取り組みとして,2年度目に計画・実施し,初年度の遅れを取り戻すことができた.さらに追加の新調査項目として理科離れを減らすための生徒向けのアンケート調査も実施し,生徒が何を理科の授業で習得したいのか,どんなことに興味があるのかなどを調べることができた.調査は2023年12月にウェブ調査によって実施し,バイアスが少ないサンプルデータを取得できた.本調査の解析・考察が順調に進んでいる. 初年度の5つの分科会活動のうち,歴史的調査と教員養成の2つの分科会活動において,論文投稿まで研究を進めることができた.このうち教員養成については大学の研究紀要論文として出版された.その他の分科会でもオンラインで勉強会を開催するなど一定の前進がみられた. 当初6つに分散していた新カリキュラム案の検討は,1年間の調査と議論の末,3案に収束し,シンポジウムにおける評価などを受け,各カリキュラム案のブラシュアップが順調に進行している.ただし,構想したカリキュラム案をどのように評価分析するかが具体的に定まっておらず,全体の課題となっている. 現代社会の課題設定・課題解決を目標にした具体的な教材の開発や指導内容の研究に努め,特に疑似科学対応などのリスク管理や地球温暖化の理解につながる高校生向けの副教材の翻訳作業を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
STEAMなど海外の動向調査,日本の理科カリキュラムの歴史的経緯の調査,現職教員と教員養成大学等への聞き取り調査等の多角的な検討を行った.今後の研究の推進方策としては,主に抽出されたカリキュラム案3案に対して指導案,教科書,教材等を作成し,モデルごとに授業実践を協力校等にて行い,その統計分析等により評価分析を行う予定である. さらに,評価分析手法を確立させた上で,各カリキュラム案に対し上記の各実践の他にアンケート調査や必要に応じてフォーカスグループインタビューなども実施する. 教科「理科」が対象とする現代社会の課題としては次の7項目を主眼とする.地球温暖化など気候変動,生物多様性と生態系,エネルギー問題,感染症,水質汚染,科学技術と人間生活,宇宙・地球・生命・ヒトの理解.さらにこれらの課題解決能力の育成においては,物質とエネルギー,系統性・多様性・共通性等の理解が扱うべき上位コンセプト(またはコンテンツ)として挙げられ,物化生地4分野がほぼ等しく関わっている. 本研究3年目にあたる2024年度前半に「中間報告書」を編纂し公表する予定である.この時期にカリキュラム案を提案する理由は,過去の学習指導要領改訂作業のスケジュールを考慮し,私たちの提案が活かされるためには,遅くとも2024年前半には,具体的な次期学習指導要領内容を提示すべきと考えたからである. 中核活動であるカリキュラム案作成での留意点としては,「現代社会の課題解決のために必要な理科分野の素養を習得する」ことを目的とし,現代社会の課題を発見しその課題を解決するために基礎・基本となる諸概念の形成を中核に置きながら,かつ,理科を学ぶことが好きになるようなカリキュラム内容となるように配慮する必要がある.さらに「Agency」の獲得など海外の取り組みにも留意し,各研究成果を学会講演のみならず論文化することを目指す.
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