Project/Area Number |
23K22607
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Project/Area Number (Other) |
22H01336 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
川方 裕則 立命館大学, 理工学部, 教授 (80346056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 一生 京都大学, 防災研究所, 准教授 (00572976)
河合 研志 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20432007)
吉光 奈奈 京都大学, 工学研究科, 助教 (20724735)
和田 浩史 立命館大学, 理工学部, 教授 (50456753)
平野 史朗 立命館大学, 理工学部, 助教 (60726199)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | 強い不均質 / 地震波伝播 / 空隙 / 実験・計測 / 数値計算 / 弾性波 / 速度不均質 / 数値シミュレーション / 実験計測 |
Outline of Research at the Start |
地震、斜面災害、火山災害などの自然災害に関し、これら現象を引き起こす領域の状態の把握は本質的に重要な課題であり、地震に関してはその揺れの予測も減災の観点から重要である。この解決には、媒質に対する弾性波の伝播特性を知ることが重要な手掛かりの一つとなるが、斜面表層や火山下、表層地盤などに存在が期待される多孔質媒質のような強い不均質を含む媒質に対しては、実験的にも数値的にも詳しくは調べられていない。本研究では、強い不均質条件下で実験・計測および理論波形計算両者で得られる地震波形を比較し、強い不均質媒質の弾性波伝播特性を定量的に調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
不均質構造に対して敏感な「短波長の波に対する強い不均質を含む場合の弾性波動論を構築すること」を目指して研究を継続した。 実験・計測においては、顕著な低速度不均質を有する試料(空隙を多く含む岩石)と弱い高速度不均質を有する試料(有色鉱物を含む低空隙率岩石)を用いた弾性波計測を実施した。いずれもLDV(レーザー=ドップラー速度計)を用いた精密な振動速度波形の取得に成功した。円筒形の岩石試料を用いた計測では稠密観測を実施し、波の各相の伝播の様子の可視化を試みた。板状の岩石試料を用いた計測では、3成分の振動速度を計測し、高周波数帯に至るほど波線論的な振る舞いから遠ざかることを示唆する結果を得た。 計測に用いた岩石試料のX線CT像は取得済みであるが、試料によって、光線硬化の影響が強いもの、リング=アーティファクトの影響の強いものなどが見られた。数値計算で利用するにあたっては、これらのアーティファクトの補正が必要である。 数値シミュレーションにおいては、3次元の固体(+空隙)媒質に対する並列コード開発を実施した。小さい系で空隙散乱体の存在率を変化させて、波動場の予備的計算を行った。散乱体の割合が増えるにつれて、到達時刻の遅れ、最大振幅の減少だけでなく、波形のゆがみや波形のなまり(長波長が卓越する)という既往の実験結果と定性的に調和する結果が得られた。一方で、並列化を2次元用コードの転用でおこなったため、メモリの使用に関しては改善の余地が残された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数のタイプの岩石試料に対して、精密かつ稠密な弾性波計測が実施された。また、板状試料では3次元計測も実施できた。一方、石膏を媒質とする試料については、表面が脆く、弾性波計測には課題があることが分かり、セメントモルタルに変更して、試料作成の準備が進められた。 解析については、周波数帯域ごとの弾性波の振る舞いを調べることができ、到達初動付近の3次元粒子軌跡についても周波数帯域ごとに検討することができた。アレイ解析、数値計算との比較に向けての準備が進められた。 数値計算については、メモリの使用に関する改善の余地が残されるものの、空隙を含む3次元の媒質に対して計算実施が可能なコード開発が実施された。 目的達成に向けて十分な進捗が見られるため、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き不均質媒質の作成に取り組み、成形済みの試料を用いてLDVを利用した精密かつ稠密な1成分、および3成分の弾性波計測を実施する。計測によって得られた波形に対して、帯域ごとにアレイ解析、エンベロープ解析などをおこない、特徴的な相の抽出や各相の伝播方向および伝播速度の推定、試料の不均質性と波形の持つ性質に関する定量的な比較を実施する。 実験用媒質を用いた一軸圧縮試験を実施し、静的なヤング率やポアッソン比などの弾性特性を取得する。X線CTスキャンによる実験用媒質の微細な内部構造の確認も引き続き実施するとともに、数値計算に利用できるようにアーティファクトの補正についても検討を進める。 数値計算においては、メモリの無駄遣いなどを修正する予定である。また、並列化コードに液体散乱体の導入を進めている。今後はスケールを上げていくとともに、様々なP、S速度比の媒質での数値実験をおこない、統計的に散乱体比率と速度変化などの関係について調べる。また、液相散乱体との差異について調べる。また、2D数値実験の結果との比較をおこなっていくことで、弾性波の散乱の性質についても調査する。
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