Development of vaccine adjuvant based on peptidic supramolecules loaded with antigenic proteins
Project/Area Number |
23K23152
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Project/Area Number (Other) |
22H01884 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27040:Biofunction and bioprocess engineering-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
若林 里衣 九州大学, 工学研究院, 准教授 (60595148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 典穂 九州大学, 工学研究院, 教授 (50302766)
南畑 孝介 九州大学, 工学研究院, 助教 (90648586)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
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Keywords | ワクチン / アジュバント / 超分子 / ペプチド / エマルション |
Outline of Research at the Start |
ワクチンは感染症の予防や難治性疾患の治療法として注目を集める医薬品である。本研究では、ワクチンに添加される免疫増強剤、アジュバントとして、水中で自己組織化しファイバー状構造体を形成するペプチド超分子の利用を提案している。ペプチド超分子の様々な物性を制御した際の免疫細胞への作用と得られる免疫反応を検証することで、どのようなアジュバントが高い免疫効果を示すのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ワクチンは、体内の免疫反応を利用して疾患の予防や治療を行うための医薬品であり、感染症の予防やがんなどの根治療法として注目を集める。本研究は、ワクチンによる免疫反応を適切に高めるための免疫増強物質として、両親媒性ペプチド(PA)が水中で自己組織化し形成する超分子ファイバーの利用を提案した。特に、酵素反応を用いて抗原タンパク質をファイバー上に直接結合することで、ファイバーの物性制御による抗原提示細胞への抗原送達能の制御を目指している。 2022年度までに、トランスグルタミナーゼ(TG)を酵素として用い、TG認識配列を持つ各種PAが形成する超分子ファイバーへの抗原タンパク質の結合性を評価した。その結果、モデルタンパク質を用いた場合にはタンパク質のファイバー上への担持が可能であること、抗原提示細胞への送達能が向上することが確認された。一方、特定の実抗原タンパク質を用いた場合には反応部位特異性の低さにより、担持能が低下するという課題が生じた。 そこで2023年度は、より基質特異性の高い酵素を用いた検討を行った。疎水性置換基、酵素認識配列、およびスペーサーを変えた各種PAを合成し、自己組織化と酵素反応性を指標に最適化を行い、多量体の実抗原タンパク質に対して高い酵素反応性を示すPAを見出すことができた。また、TGは基質配列が短く配列許容度が高いこと、比較的サイズの小さいタンパク質を対象にした場合には高いファイバーへの担持能を示すことから、引き続きTGの利用可能性も検討した。ファイバーの表面電荷の違いに応じて抗原提示細胞への抗原タンパク質送達能が異なることが確認されたため、これを用いてマウスに免疫化を行ったところ、抗体産生に違いが見られ、超分子設計による免疫反応制御の可能性が示唆された。 以上の成果に関し、1件の論文発表と18件の学会発表(内招待・依頼講演6件、国際学会発表1件)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に実施した研究内容で課題としてあげられた、酵素反応の特異性や反応性の低さに関して、今年度新たな酵素を用い、適切なPA設計を行うことで解決できることが示された。PA超分子にタンパク質を担持する手法として、これまで研究代表者が用いてきたTG以外の酵素にも適用可能であることを示す、本手法の汎用性の高さを示すことにも繋がる成果である。また同時に、複雑な構造、翻訳後修飾を持つ実抗原タンパク質にも適用できたことは重要である。TG反応性のPA超分子に関しては、表面電荷の異なる超分子ファイバーを用いた際に、in vitro試験で抗原提示細胞への抗原送達能、in vivo試験で抗原特異的な抗体産生量に差異が生まれることが確認された。本研究の目標の一つが、PA超分子の物性が抗原提示細胞や免疫効果に与える影響を理解することであり、その一つの物性として電荷の効果を評価することができた。 以上のように、研究計画に沿って適切かつ着実に進めることができていることから、おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験により抗原特異的な抗体産生が確認されたTG反応性のPA超分子に関しては、電荷の違いがどう免疫反応に影響しているか、体内動態、細胞活性化および遊走、誘起される免疫の種類を評価することでメカニズムの解明を行う。新しい酵素を用いたものに関しては、実抗原タンパク質への適用が可能であることから、これを用いた動物実験も進める。また、ワクチンの剤型としてOil-in-Water型エマルションなど、超分子ファイバーをベースとした種々のものを調製し、体内動態や免疫反応に与える影響を調べ、免疫反応の制御と増強が可能なワクチン製剤の開発を行う。 以上に関して、研究代表者の若林が計画・実施・総括を行う。研究分担者の神谷教授は抗原タンパク質の調製を行う。研究協力者の大学院生はPAのスクリーニング、細胞(動物)実験を実施する。これらの研究を通して、抗原タンパク質を超分子ファイバー上に直接担持した一体型のワクチンを用いることで、超分子の設計・物性により免疫反応をどう制御しうるのかについての知見を得、有効なワクチン設計の指標を得ることを目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(34 results)