Project/Area Number |
23K23642
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Project/Area Number (Other) |
22H02377 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
庄子 康 北海道大学, 農学研究院, 教授 (60399988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
愛甲 哲也 北海道大学, 農学研究院, 教授 (30261332)
栗山 浩一 京都大学, 農学研究科, 教授 (50261334)
柘植 隆宏 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (70363778)
久保 雄広 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (80761064)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,860,000 (Direct Cost: ¥12,200,000、Indirect Cost: ¥3,660,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | COVID-19 / 自然地域 / ビックデータ / アンケート調査 / 新型コロナウイルス感染症 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、COVID-19の流行で森林を中心とした自然地域(森林・自然公園・都市緑地・農山村など)への人々の訪問行動がどう変化したのかを明らかにするとともに、自然地域への訪問にあたり、感染拡大防止や満足度の観点から利用者がどのような利用ルールを求めているのかを明らかにし、安全で地域社会にとって持続可能な自然地域の利用モデルを構築することである。主軸とする手法はCOVID-19の流行前・流行後のビックデータとアンケート調査データの解析である。ビックデータにCOVID-19の流行前に実施していたアンケート調査と流行後に行うアンケート調査のデータを紐づける点に本研究の学術的な独自性・新規性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、COVID-19の流行で森林を中心とした自然地域(森林・自然公園・都市緑地・農山村など)への人々の訪問行動がどう変化したのかを明らかにするとともに、自然地域への訪問にあたり、感染拡大防止や満足度の観点から利用者がどのような利用ルールを求めているのかを明らかにし、安全で地域社会にとって持続可能な自然地域の利用モデルを構築することである。具体的には、1)COVID-19の流行で、森林を中心とした自然地域への人々の訪問行動がどう変化したのかを明らかにするとともに、2)自然地域への訪問にあたり、感染拡大防止や満足度の観点から利用者がどのような利用ルールを求めているのかを明らかにし、3)安全で地域社会にとって持続可能な自然地域の利用モデルを構築することである。主軸とする手法はCOVID-19の流行前・流行後のビックデータとアンケート調査データの解析である。1)については、昨年に引き続きビックデータツールを用い、自然地域でどんな利用の変化が起きたのか全体像を把握した。また本年度は端点解モデルなどを用いて利用者が目的地選択・訪問回数を変化させたのかを明らかにすることを試みた。端点解モデルを用いることで、利用者は訪問を控えたのか、遠くの目的地を回避して近くの目的地に変更したのかといったことを明らかにできることが期待される。この点については引き続き作業進めているが、基本的なモデルに関して学術論文として取りまとめて投稿を行い、国際誌のAnnals of Tourism Research Empirical Insights誌に掲載された。2)については、大雪山国立公園や支笏洞爺国立公園などでアンケート調査などを実施した。3)については今後の研究成果を踏まえて取りまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に実施予定であったWEBアンケート調査は、繰越金を使用して本年度に実施した。WEBアンケート調査の延期は、昨年度COVID-19に対する行動制限が解除されたものの、第7波が始まり夏から秋にかけては一日の感染者数は過去最高を記録したこと、年末にかけて始まった第8波では、感染者数こそ最大ではなかったものの死者数が過去最高を記録したことなどにより、回答者確保が難しくなったことが原因である。このWEBアンケート調査については、昨年度に設計を行い、実施を待つだけの段階であったが、以下の【今後の研究の推進方策】に示すように、COVID-19が自然地域で引き起こした影響の把握は依然として重要な研究課題であり研究の必要性は変わらないものの、行動制限の解除など社会情勢の変化などにより、COVID-19に対応した自然地域における利用ルールの導入については、社会的要請が大きくなくなったことから、それに代わる研究内容についても追加をすることとした。具体的には、各地で高温・高湿による自然地域の利用の変化に対して注目が集まっていることから、これに対する質問項目をWEBアンケート調査に追加した。得られたデータの解析も進んでおり、一部については年度内に学会発表することができた。これらのことから、昨年度に生じた遅れは本年度でほぼ取り戻せたと考えている。ビックデータツールを用いて自然地域でどんな利用の変化が起きたのかを把握すること、感染拡大防止や満足度の観点から利用者がどのような利用ルールを求めているのかについては、予定している内容をほぼ実施できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的、1)COVID-19の流行で森林を中心とした自然地域への人々の訪問行動がどう変化したのかを明らかにするについては、引き続きau契約者の位置情報を扱えるKDDI Location Analyzerを用い、森林・自然公園・都市緑地・農山村など森林を中心とした様々な自然地域でどんな利用の変化が起きたのかを明らかにしたい。今後はデータの取得よりも得られた結果の解析と成果発表に注力をしたい。本研究では端点解モデルなどを用い、利用者が目的地選択・訪問回数を変化させたのかを明らかにすることも目的としているが、現在この項目が最も研究を進めることができている項目である。すでに基礎的なモデルを用いた解析により複数の論文を学会誌に投稿しており、次年度も引き続き研究を進めて行く予定である。特に利用ルール(例えば、利用者数の制限)の影響をシミュレーションから予測できるようなシナリオ分析について実証研究を進めたい。研究計画の変更については、COVID-19が自然地域で引き起こした影響の把握は依然として重要な研究課題であり研究の必要性は変わらないものの、行動制限の解除など社会情勢の変化などにより、COVID-19に対する自然地域における利用ルールの導入については、社会的要請が大きくなくなったことを挙げることができる。一方で、近年の気候変動に伴う下記の高温・高湿は大きな社会的な課題となっており、野外である自然地域の利用も大きな影響を受けていることが指摘されている。そのため、COVID-19に対する自然地域における利用ルールの導入に関する社会的提言の部分の研究内容は継続するものの一部縮小し、それに代わり下記の高温・高湿に対する影響も研究内容に含め、社会的な要請にできる限り応えることとしたい。
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