Project/Area Number |
23K24242
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Project/Area Number (Other) |
22H02981 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 泰介 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (30598496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須貝 章弘 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70758903)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 脳小血管病 / シングルセルトランスクリプトーム / 老化 / CARASIL / 細胞外マトリックス / 細胞老化 / シングルセルRNA-seq / カンデサルタン / 病因形質獲得細胞 / 細胞外マトリクス |
Outline of Research at the Start |
脳小血管を侵す脳小血管病は、高齢者に頻発し、直接的、間接的に認知症に深く関わっている。だが、その疾患メカニズムは不明である。我々は、加齢に伴う脳血管への細胞外マトリクスと呼ばれるタンパク質群の蓄積が脳小血管病の原因に深く関与することを、これまでの研究から明らかとしてきた。本研究では、この細胞外マトリクスの蓄積の原因となる、加齢に伴い発生すると考えられる形質変化細胞を一細胞レベルでの遺伝子発現プロファイリングを用いて明らかとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳小血管を侵す脳小血管病は、高齢者に頻発し、直接的、間接的に認知症に深く関わっている。我々は、孤発性脳小血管病と、病理像が類似する遺伝性脳小血管病CARASILの研究から、脳小血管病の病態解明を進めてきた。その結果、これまで細胞変性による二次的な変化として考えられてきた脳小血管壁への細胞外マトリクス(ECM)タンパク質の蓄積が一次的な病態メカニズムであることを見出している。CARASILの背景は、プロテアーゼであるHTRA1の欠失による分解不全にある。CARASILモデルマウスであるHTRA1 KOマウスは、CARASIL類似の脳小血管障害表現型を呈する。我々の過去の研究から、カンデサルタンがHTRA1 KOマウスの脳小血管病態表現型を軽減することを見出している。 本研究は、CARASIL脳小血管病態のメカニズムとして、加齢とともに脳血管環境に発生する少数の病因形質獲得細胞が関わると仮説を立て、この細胞の同定をシングルセルRNA-seqを用いて同定を目指すものである。 これまでの実施により我々は、4ヵ月齢の若齢期より野生型マウスデータn=1/HTRA1 KOマウスデータ: n=2、24ヵ月齢の高齢期より野生型マウスデータn=2/HTRA1 KOマウスデータ: n=2、さらにカンデサルタンを投与したHTRA1 KOマウスデータ:n=2のシングルセルトランスクリプトームデータの取得を終えた。最終的にはn=3を達成目標としているが、これまでの得られたデータの解析を実施した結果、老化に伴い、特にHTRA1 KOマウスで増加し、かつ、カンデサルタンによってその変化が抑制されるパターンを示す、特定の細胞クラスターと、シグナルカスケードの存在を示すデータが得られつつある。これらの細胞種、またはシグナル系こそが、我々が同定を目指す病因細胞と、関連シグナルである可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、CARASIL脳小血管病の病態メカニズムとして、加齢とともに脳血管環境に発生する少数の病因形質獲得細胞が関わると仮説を立て、この細胞の同定をシングルセルRNA-seqを用いて同定を目指すものである。CARASILならびにHTRA1 KOマウスで、内膜肥厚を生じる主要な血管である脳軟膜血管に着目し、マウス脳軟膜血管で同定される細胞クラスター間で老化によって変動が見られるカスケードをエンリッチメント解析などを用いて同定するとともに、変動する細胞数にも着目している。生物学的再現性を加味するために各群の目標replicateをn=3と設定する。 この目標達成に向けて、これまでのところ、4ヵ月齢の若齢期より野生型マウスデータn=1/HTRA1 KOマウスデータ: n=2、24ヵ月齢の高齢期より野生型マウスデータn=2/HTRA1 KOマウスデータ: n=2、さらにカンデサルタンを投与したHTRA1 KOマウスデータ:n=2のシングルセルトランスクリプトームデータの取得を終えている。 これまでのデータで解析を進めた結果、Gene ontology解析において血管内皮細胞クラスターで、あるシグナルカスケードの亢進が加齢に沿って加速しており、この変化をカンデサルタンが抑制していることを見出した。 加えて、加齢に沿ってHTRA1 KOマウス脳軟膜血管に増加し、カンデサルタンによってこの増加が抑制を受ける細胞種が同定された。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、全群n=3のデータが取得されるまで、順次シングルセルRNA-seqデータの取得を進める。 ドライ解析では、特に血管内皮細胞クラスターに着目し、本クラスターのみを抽出後、再PCA解析を実施し、より詳細に細分化された血管内皮細胞内亜群種レベルでの各群比較検討解析を実施する。 また、組織解析においても、これまでに同定された候補カスケードの変動が組織内で検出されるかの条件検討を開始する。
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