Project/Area Number |
23K24520
|
Project/Area Number (Other) |
22H03262 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川端 重忠 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (50273694)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅也 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (00714536)
住友 倫子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50423421)
広瀬 雄二郎 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (90788407)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
|
Keywords | レンサ球菌 / ニッチ / 病原性発揮機構 / 病態形成機構 / 肺炎球菌 / 化膿レンサ球菌 / 感染伝播機構 / 細胞外小胞 |
Outline of Research at the Start |
レンサ球菌感染症の病態を再現するマウス感染モデルを構築し、感染局所 (上気道)、病態が形成される近隣・遠隔組織、ならびに血清から分泌される細胞外小胞を解析することにより、レンサ球菌感染症における「病態形成」と「感染防御」への関連を両側面から解明する。また、局所環境に応じて、レンサ球菌がどのように適応しニッチ拡大へ繋げているかを明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
小児や高齢者の口腔・鼻咽腔領域で高頻度に認められる肺炎球菌や化膿レンサ球菌は、局所バリアの破綻と免疫回避を経て、遠隔組織で致死性の高い侵襲性疾患を惹起する。そこで本年度は、レンサ球菌が定着する口腔や鼻咽腔といったニッチにおける感染伝播機構の解明を試みた。 一つ目に、中耳炎由来の肺炎球菌 EF3030 株 (血清型 19F) をモデル細菌として肺炎球菌性髄膜炎マウスモデルの構築を試みた。鼻粘膜に定着した肺炎球菌は重症肺炎を引き起こさず、非血行性に脳組織へ伝播することが示唆された。また、野生株感染マウスの脳組織の免疫蛍光染色像から、鼻粘膜上皮への細菌の定着と嗅神経への局在、ならびに脳の嗅球、大脳および小脳への伝播が観察された。以上の結果から、鼻粘膜上皮に定着した 肺炎球菌は嗅神経を介して脳組織へ伝播することが示唆された. 二つ目に、咽頭炎の起因菌となる化膿レンサ球菌において、唾液中に食物由来で存在することが知られるマルトースやデキストリンを利用した場合、グルコースを利用する場合とは溶血毒素の発現様式が大きく異なることを見出した。溶血毒素であるストレプトリジンS(SLS)またはストレプトリジンO(SLO)の欠失株を用い、各糖質を利用した場合の菌の溶血活性を評価した。その結果、菌がグルコースを利用する場合の溶血活性はSLO依存的であるのに対し、マルトース利用ではSLS依存的、マルトデキストリン利用ではSLOおよびSLS依存的に溶血活性を発揮することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
肺炎球菌性髄膜炎マウスモデルの構築に成功し、鼻粘膜に定着した肺炎球菌は重症肺炎を引き起こさず、非血行性に脳組織へ伝播することを示すことができた。さらには、化膿レンサ球菌の主要な病原因子と広く知られているSLSとSLOの発現機構が、宿主ニッチの栄養源に応じて大きく変化することを示唆できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
肺炎球菌性髄膜炎マウスモデルにおいて、どのように非血行性に脳組織へ伝播するのかを、宿主因子・菌因子の両面から検討する。また、化膿レンサ球菌において、利用する糖質の違いが、なぜ溶血毒素の発現様式に大きな変化をもたらすのか、そのメカニズムを明らかにする。
|