Molecular basis of the oral-renal linkage by periodontal disease exosomes in exacerbation of diabetes and complications of nephropathy
Project/Area Number |
23K24560
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Project/Area Number (Other) |
22H03302 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
沢 禎彦 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70271666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幸成 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00571811)
寺町 順平 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (20515986)
坂上 竜資 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (50215612)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 糖尿病 / 腎症 / 歯周疾患 / エクソソーム / Fusobacterium nucleatum / 糸球体 / 尿細管 / TLR / F. nucleatum / LPS / SGLT2 / 歯周病 / 糖尿病性腎症 / P. gingivalis |
Outline of Research at the Start |
本研究では、歯周病感染組織由来エクソソームが循環系を介して腎糸球体に達し内包物が取り込まれ、高血糖環境で発現の亢進した細胞内受容体TLR7/8/9活性化による炎症とSGLT2過剰発現を誘導する『口腎エクソソーム連関による腎症合併と糖尿病増悪』、およびこれらの機能遺伝子の一塩基多型と歯周疾患が連関する糖尿病性腎症および糖尿病増悪との相関性、すなわち『個人差を司る責任遺伝子』を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、まず、腎糸球体が通常は発現しない自然免疫受容体toll-like receptor TLR2/4を糖尿病環境で異常発現すること、さらに糖尿病モデルマウスを用いて、糖尿病環境で腎に異常発現したTLR2/4は、歯周病原細菌Porphyromonas (P.) gingivalisの有するTLR2リガンドlipopolysaccharide (LPS) に応答して腎症を起こすこと、さらに、尿細管における、通常は発現しない白血球接着因子vascular cell adhesion molecule-1 (VCAM-1)の異常発現と、白血球浸潤による尿細管間質性炎を誘起することを見出した。重度の歯周疾患ではP. gingivalisなど歯周病原細菌はブラッシングで容易に血中に入り菌血症を起こす。血中の歯周病原細菌成分は体循環から腎に入り、構造の複雑な糸玉状の糸球体血管から排除できず糖尿病環境でTLRなど自然免疫系を活性化して腎症の引き金を引くと予想した。一方、sodium-glucose cotransporter 2 (SGLT2)阻害薬の腎症抑制効果が脚光を浴びている。本研究では、糖尿病モデルマウスを用いて、TLR4結合による大腸癌誘発などTLR4活性化による病原性が注目されている歯周病原菌Fusobacterium (F.) nucleatumが、糖尿病の増悪と生存曲線による生存率の有意な低下を引き起こすことを証明した。続いてF. nucleatumがSGLT2の通常は発現しない腎糸球体および遠位尿細管および近位尿細管の内側壁における過剰発現と糖代謝異常の加速を起こすこと、すなわち、糖尿病の増悪の一つの機序が、歯周病原細菌による糸球体・尿細管の炎症性刺激が尿細管におけるSGLT2の異常発現と糖代謝異常に引き続く糖尿病増悪を引き起こす可能性を見出すに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験はほぼ終了し、目標とする、糖尿病モデルマウスを用いて、TLR4結合による大腸癌誘発などTLR4活性化による病原性が注目されている歯周病原菌Fusobacterium (F.) nucleatumが、糖尿病の増悪と生存曲線による生存率の有意な低下を引き起こすことを証明した。続いてF. nucleatumがSGLT2の通常は発現しない腎糸球体および遠位尿細管および近位尿細管の内側壁における過剰発現と糖代謝異常の加速を起こすこと、すなわち、糖尿病の増悪の一つの機序が、歯周病原細菌による糸球体・尿細管の炎症性刺激が尿細管におけるSGLT2の異常発現と糖代謝異常に引き続く糖尿病増悪を引き起こす可能性を見出すに至った。現在継続中の、動物実験で証明した事実の細胞実験による生化学的裏付けがほぼ終了し、論文作成中であるため、概ね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、エクソソーム解析とGWAS解析を推進する。エクソソーム解析については、F. nucleatum成分添加培養上皮・線維芽細胞が放出したエクソソームによる免疫担当細胞の活性化を確認する。また、動物実験で、歯周病原細菌成分ストレス特異的エクソソームの投与が糖尿病マウスに腎症を起こすことを証明する 。さらに、投与された蛍光標識エクソソームのマウス腎組織内分布を証明し、特異抗体の免疫電顕で腎糸球体の超微構造解析を行う。口腔組織由来線維芽細胞・上皮細胞エクソソームを介して糖尿病マウスに腎症を起こす責任遺伝子の候補をマイクロアレイで特定する。疫学研究については、GWASによる責任遺伝子の決定を行う。共同研究者の加藤とともに、東北メディカル・メガバンク機構のゲノムリファレンスパネルについて、歯周炎と糖尿病性腎症両者についてアルゴリズム主要部分を拡張したモデル制約つきガウス混合モデルとベイズ推定・クラスター解析にてクラスタリングを行う。さらにマイクロアレイデータと重ねた統計的時系列クラスタリングで糖尿病性腎症有病者ゲノムの発現有意差およびSNPを探索する。糖尿病性腎症のTLR系列遺伝子とエクソソームmiRNAの発現量の有意差ならびにSNPの有無について歯周疾患キャリア・責任遺伝子との相関の証明をする。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)