Real-time wind digital twin with 1-meter resolution using GPU supercomputer
Project/Area Number |
23K24855
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Project/Area Number (Other) |
22H03599 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60090:High performance computing-related
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小野寺 直幸 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (50614484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸村 泰宏 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 副センター長 (00354580)
長谷川 雄太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (10851016)
平野 洪賓 (張洪賓) 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 主任研究員 (20551336)
下瀬 健一 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 主任研究員 (40729183)
鈴木 真一 東北大学, 理学研究科, 特任研究員 (60462503)
稲垣 厚至 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (80515180)
河村 拓馬 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究副主幹 (90718248)
朝比 祐一 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (00824103)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 都市街区風況解析 / 格子ボルツマン法 / 適合細分化格子法 / GPU / データ同化 / 風況デジタルツイン / ラージエディ・シミュレーション / 都市街区内風況解析 / ナッジング法 / GPUスーパーコンピュータ / 適合細分化格子 |
Outline of Research at the Start |
GPUスーパーコンピュータ上において、m解像度の風況シミュレーションに観測データを同化した、都市街区の風況デジタルツインを実現する。これまでに、局所的に格子解像度の変更が可能な適合細分化格子法による計算資源の削減および格子ボルツマン法のGPU向け最適化により、細かな路地から都市街区の全域を捉えた高解像度風況シミュレーションのリアルタイム・アンサンブル計算を世界で初めて実現した。これをさらに高速化し、観測データを同化することで、都市街区内の風況分布をリアルタイムに予測可能なデジタルツインを実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
都市街区の詳細な風況解析の実現には、数km範囲の都市全域から数m幅の路地を捉えた大規模なマルチスケール風況解析が必須となる。本研究グループでは風況解析コードCityLBMを開発し、局所的に細かい格子が配置可能な適合細分化格子法を適用することで計算格子点数を約1/10に削減、および、GPU向け最適化によりCPU比で10倍以上の性能向上を達成することで、リアルタイム風況解析を実現している。都市街区内の風況・温度変化等の物理現象は、メソスケールの気象条件、建物や植生配置に起因する複雑な乱流、建物や地表面上の境界層等の様々な事象を含むため、各物理現象を表現するのに十分な時空間解像度をカバーするマルチスケール解析および高密度の観測が必要となる。CityLBMでは、そのような様々な種類のデータに対して、解析値と観測値の差に比例する付加項によって徐々に両者を近づけるデータ同化手法であるナッジング法を適用することで、気象条件や観測値を反映した解析を実現している。 一方で、従来から用いられている経験的な係数を用いたナッジング法では、季節間や終日の大気の状態変化に対応したパラメータ(ナッジング係数)の最適化が行われないため、大気境界層内の風況の再現性が悪化する問題が挙げられていた。そこで2022年度の研究では、パーティクルフィルタ(PF)に基づくデータ同化手法を新たに適用することで、大気の状態に応じてパラメータが最適化可能な手法を開発した。 検証解析として、米国のオクラホマシティでの野外風況観測実験解析を実施した。郊外で観測された速度の標準偏差の鉛直分布を用いてPFに基づくパラメータ最適化を行った結果、午前中の大気が安定な状態および午後の大気が不安定な状態のそれぞれに対して、ナッジング係数の最適化が行われるとともに、終日の速度の標準偏差の誤差に対して約10%を改善した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目標として、GPUスーパーコンピュータ上において、メートル解像度の風況シミュレーションに観測データをリアルタイムに同化した、都市街区の風況デジタルツインを実現を目指している。これまでに、局所的に格子解像度の変更が可能な適合細分化格子(AMR)法による計算資源の削減および格子ボルツマン法(LBM)のGPU向け最適化により、メートルスケールの細かな路地からキロメートルスケールの都市街区の全域を捉えた高解像度風況シミュレーションのリアルタイム・アンサンブル計算を世界で初めて実現した。これをさらに高速化するとともに、新たに導入する風況観測網から得られる観測データをシミュレーション内で時間・空間的に同化することで、都市街区内の風況分布をリアルタイムに予測可能なデジタルツインを実現する。 初年度である2022年度は、風況解析コードCityLBMを用いて高精度に大気境界層内の風況を再現するために観測値を基にパーティクルフィルタに基づくモデル変数(境界条件における乱流強度に係る変数)の動的な最適化手法を開発した。検証計算として、米国オクラホマシティでの野外風況観測実験解析を実施した結果、終日の速度の標準偏差の誤差に対して約10%の改善が実現され、大気状態が変化する条件においても提案手法が有効であることが示された。 観測システムの開発としても、IoT機器(ラズベリーパイ、Jetson AGX Orin)と観測装置を組み合わせることで、リアルタイムにデータを集約できる観測システムの開発を進めており、CityLBMと組み合わせる準備も着実に進んでいる。 以上のことより、風況解析および観測の両面においても、計画通りに順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
都市街区内の風況デジタルツインの実現に向けて、「観測とメソスケール気象データとのデータ同化に基づく風況シミュレーションによる詳細なリアルタイムの3次元風況分布予測」の開発を続けている。2023年度は、風況解析コードCityLBMに対して、ドップラーライダーの設置してある東京工業大学周辺の建物・地形・植生データを入力条件として整備することで解析精度の向上を目指すとともに、防災科学技術研究所の研究グループが開発している雲解像数値モデル(CReSS)のデータを境界条件として同化した風況シミュレーションにより現実の気象条件に対する解析の実施を計画している。また、東工大周辺に構築している観測システムで得られた観測データを基に、パーティクルフィルタやアンサンブルカルマンフィルタを用いたパラメータ最適化を実施することで、都市街区内の風況予測の高精度化を目指す。 観測システムの開発として、IoT機器(ラズベリーパイ、Jetson AGX Orin)と観測装置を組み合わせることで、リアルタイムにデータを集約できるシステムの開発を進めていく。2023年度は、これらをGPUスーパーコンピュータに接続することで、観測網とスパコンを直結することを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)