Project/Area Number |
23K24917
|
Project/Area Number (Other) |
22H03661 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61040:Soft computing-related
|
Research Institution | Kyushu University (2024) Kyoto University (2022-2023) |
Principal Investigator |
中村 栄太 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (10707574)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 仁美 東京藝術大学, 音楽学部, 准教授 (00408949)
齋藤 康之 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (40331996)
伊藤 貴之 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80401595)
持橋 大地 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (80418508)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 文化進化 / 知能情報処理 / 統計学習 / 進化動力学 / 文化知能科学 / 創作知識の文化進化モデル / 創作物データの進化分析 / 創作スタイルの進化予測 / 知識参照ネットワーク推定 / 進化する自動作曲システム / 文化情報学 / クラスター構造の進化モデル / 高次元統計量空間上の進化 / 統計学習の進化モデル / 機械学習による適応度推定 / 文化進化データの可視化 / 知能情報 / 創作スタイルの進化 |
Outline of Research at the Start |
高度な知能を要する文化の発展の原理を理解するとともに、スタイルが時間変化する創作物データの情報処理と予測を可能にするため、深層・統計モデルと進化理論を統合した「文化と知能の進化モデル」を研究する。本研究では、このモデルの構築と解析のための理論手法と機械学習手法を研究して、(A) 多分野で活用できる文化進化の解析手法の構築、(B) 音楽・言語・絵画データの正確なトレンド予測、(C) 芸術史における変革期の定量的な要因分析、(D) 作曲・演奏スタイルの時代変化に対応できる音楽情報処理技術の開発を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、特に、文化進化モデルの時間発展解析、機械学習を用いた文化進化データ解析、および創作データの時間発展の可視化手法において成果が得られた。文化進化モデルの時間発展解析では、文化進化の駆動力として、創作物の内容に基づく選択圧、新規性と典型性に基づく頻度依存選択バイアス、時間経過による影響の減少、複製エラーによる変異、創作者の戦略による変異、文化的輸入の効果を包括的に含む進化モデルの定式化を行い、離散時間確率過程および連続時間確率分布発展方程式を導出し、その力学的性質およびモデルパラメーターの推定可能性について明らかにした。また、選択圧に寄与する鑑賞者の選好が多峰性を持つ分布の場合に、多峰性を持つ形質の進化が起こるかという問題を進化ゲームの枠組みで解析し、このためには強い条件が必要であることを示した。 機械学習を用いた文化進化データ解析では、特に創作物の特徴量から創作物あるいは創作者間の知識継承の構造を推定する手法の定式化を行い、音楽や絵画のデータでの分析に応用した。これにより、創作物データのみから客観的な方法で創作者の影響度や具体的な影響関係を推定できる方法の可能性が示された。また、創作スタイルの変異パターンの時代ごとの変化などの特徴を明らかにすることができた。さらに、揺らぎの確率から進化パラメーターが予測できる可能性についても、理論および実験的に解析を行った。 可視化手法では、上述の知識参照関係をネットワーク可視化の手法を用いて分析を行うことで、人が解釈しながら進化データ分析を行う手法を開発した。分析の結果、次数、即ち影響度が非常に大きな創作者の存在や、時代を大きくまたいだ影響関係の存在などが示された。また、次元圧縮や時間相関次元の自動推定などの手法を組み合わせて高次元データから進化のトレンドの発見を効率的に行うための可視化システムの開発も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた研究項目である、データ収集、文化進化モデルの時間発展解析、機械学習を用いた文化進化データ解析、創作データの時間発展の可視化手法、および進化モデルの音楽情報処理への応用において、想定どおりの成果が得られている。特に、文化進化データ解析では、創作物データから知識参照構造を推定する汎用性の高い枠組みの定式化に成功しており、音楽や絵画の複数の文化領域で有用性を示すことができた。海外の連携研究者との共同研究も進めることができ、国際会議での共著論文の発表も行った。可視化手法などでも汎用性の高いシステムの構築が進んでおり、次年度に計画している、文化進化分析ツールの整備と公開に向けて順調に進んでいる。多数の学会発表や論文発表での成果も得られており、国際会議でBest Paper Awardを受賞した成果も出るなど国際的な認知向上にも成功している。総合的に見て、本研究は順調に進んでいると判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って、引き続き進化モデルの理論解析、分析手法、情報処理技術への応用を研究する。最終年度にあたる次年度の研究では、基礎研究に加えて、文化進化分析の汎用性を持つ分析・可視化ツールの整備と公開に向けた取り組みを行う。データ分析においては、音楽と絵画に加えて、歌詞データの分析にも取り組み、複数文化領域に共通して見られる性質の解明に取り組む。情報処理への応用では、自動採譜において創作スタイルの時代変化や多様性の効果を取り入れた手法を研究して、一般的な手法よりも精度向上が見込まれることを示す計画である。 本研究課題の最終年度であり、これまで通りの定期的な研究報告会に加えて、本研究の成果の発信を行うためのシンポジウムの開催も計画している。また、既に連携が進んでいる、海外の研究者との共同研究もさらに進めることで、国際的な研究の認知度向上に向けた取り組みも行う予定である。
|