Project/Area Number |
23K24989
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Project/Area Number (Other) |
22H03735 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 辰弥 九州大学, 比較社会文化研究院, 講師 (80571132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 正夫 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (00251413)
桑原 義博 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90281196)
山中 寿朗 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60343331)
内田 昌男 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 主幹研究員 (50344289)
坂井 三郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 主任研究員 (90359175)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
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Keywords | 急激な気候変動 / 大西洋子午面循環 / 大陸氷床 / 鮮新世の末から更新世の初め / マルチプロキシ分析 / 北大西洋高緯度域 / 氷期の急激な気候変動 / 鮮新世の末 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、「北半球の大陸氷床が拡大した270万年前よりも後には、北大西洋の子午面循環が数百~数千年の時間規模で自励振動することで氷床の崩壊を誘発した」とする独自の仮説を立て、その検証を行う。この仮説が立証されれば、氷床の崩壊は大西洋子午面循環の弱化の結果として起きたことになり、これまでの学説を覆すことになる。我々は、アイスランド南方のガーダー・ドリフトから回収された海底堆積物の多角的な分析によってこの研究に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「北半球の大陸氷床が拡大した270万年前よりも後には、海洋の大西洋子午面循環が数百~数千年の時間規模で自発的に振動することで氷床の崩壊を誘発した(すなわち、氷床の崩壊は大西洋子午面循環が弱化する原因だったわけではなく、反対にその結果であった)」とする独自の仮説を立て、その検証を行う。そのために、アイスランド南方沖のガーダー・ドリフトで掘削・回収された海底堆積物(IODP Site U1314コア試料)のマルチプロキシー分析を行う。 プロジェクト二年目の2023年度には主に以下のことに取り組んだ。表層海水温と海氷のプロキシであるアルケノンと有機化合物IP25の分析は、共に本助成金によって新たに導入したガスクロマトグラフ質量分析装置を用いる。そのため2023年度は、前年度に引き続き、それらのプロキシの分析環境の整備に取り組んだ。海洋深層水のプロキシとする粘土鉱物については、前年度に取得したXRDデータを用いて2023年度はピークフィッティング解析を行い、予定されている解析のおよそ半分(約1200試料)を終わらせた。海洋深層水の別のプロキシである等温残留磁化と大陸氷床の崩壊を表すice rafted debrisの分析は概ね目処が立ち、海洋表層環境の考察に用いる微化石分析については、分類学的な研究を進めることで古環境復元に有効な種の選別を行った。また、鮮新世の末から更新世の初めにかけて(本研究の対象年代)と先行研究のデータが最も充実している最終氷期について、北大西洋の海洋循環と周辺大陸の氷床、およびに気候変動に関する情報収集を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、鮮新世の末から更新世の初めに対応する堆積物試料を均等に分析する予定であったが、研究目的を効率的に達成するために分析区間の見直しを行なった。その結果、研究プロジェクト全体としての分析試料数は少なくなったが、より効果的な分析データの入手が可能となり、緻密な議論ができるようになった。有機化合物IP25については、当初は2023年度から分析を始める予定であったが、分析環境の整備に想定外の時間を要したため、まだ開始できていない。この点が進捗状況がやや遅れていると判断した理由である。しかし、他の分析のデータは着実に収集できており、プロジェクトの研究目的の達成という観点から判断すれば、プロジェクトは概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトは四年計画であり、既に二年を終了しているので、以下に残りの二年についての推進計画を記す。 2024年度は各種の分析を進めることに集中する。特に予定から遅れている有機化合物IP25の分析を重点的に行う。研究地域である北大西洋の過去の気候変動や海洋循環については、プロキシ分析に関する膨大な数の論文が存在し、また近年では、気候-海洋-氷床リンケージに注目したモデル研究が盛んに行われている。そこで、前年度に引き続いてそれらの情報収集を行い、本研究による分析データと比較することで考察を深める。年度末にはプロジェクト全体の進捗状況と研究目的の実現性を考慮して研究計画の調整を行う。 2025年度には前期までに全ての分析を終了させる。本研究プロジェクトによる成果をまとめ、鮮新世の末から更新世の初めにかけての北大西洋高緯度域の気候変動-海洋循環-大陸氷床変動の関係を明らかにすることで独自仮説を検証する。研究成果は学会で積極的に公表し、総括した論文を作成する。
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