Project/Area Number |
23K25091
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Project/Area Number (Other) |
22H03837 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 宏樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (90625302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 薫 京都大学, 農学研究科, 教授 (40721379)
西垣 智弘 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 任期付研究員 (80795013)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | 生態系サービス / 知識体系 / 文化的な多様性 / 熱帯乾燥林 / マダガスカル |
Outline of Research at the Start |
自然と人が共存するには、人々に対する自然の貢献を生態系サービス(ES: Ecosystem Services)として捉え、その持続的な保全管理システムを構築する必要がある。熱帯乾燥林が広がるマダガスカル北西部では熱帯雨林に比べてエコツーリズムや森林の貯蔵炭素取引による経済収益を利用した保全政策が機能せず、外部主導のES運用の価値が地域社会で見出されないまま、非持続的な焼畑農業などによる森林破壊が進んでいる。そこで本研究は先住民の持続的な生業が許されている国立公園を対象に、住民を含む利害関係者が活用するESを総合的に評価し、持続的な保全政策の立案に資する科学的根拠を築くことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はアンタナナリヴ大学の共同研究者や国立公園の研究協力者と本研究課題を実施する共同研究体制を構築した。さらにアンカラファンツィカ国立公園中南部の重点調査地域を対象に、住民が重要視する生態系サービス(ES)の定量評価と過去の森林劣化に基づく経時的な変化の現地調査を開始した[課題b]。自然林では15haの森林調査プロットに生育している幹直径5cm以上の全植物個体の種を同定し、それらの樹種158種に関する利用方法を野生植物の知識が豊富な地域住民20名に聞き取った。その結果、樹種の98%、樹木個体数の99%が住民にとって有用であることが分かった。自然林および森林が焼失した火災跡地において、土壌浸食量をモニタリングする土壌浸食プロットを設置して、2022年11月から6か月間続く雨季の降雨に伴う土壌浸食量を定量化した。自然林では土壌がほとんど流出しないが、火災跡地では3トン/haもの土壌が流出することがわかった。住民が水稲耕作を行う谷部の水田では、火災跡地からの土壌流入を想定して、森林土壌の堆積量を変えてイネを栽培する実験をおこなった。森林土壌が10cm堆積した水田ではコメの収量が3トン/haだったが、20cm以上堆積した水田では収量が1トン/haとなった。よって、自然林は有用植物資源の供給サービスと土壌保持サービスを有することが示され、火災によってそれらのESが劣化すると水田では食糧の供給サービスも著しく劣化することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では地域のESを総合的に評価することを目的としている。そのためには様々な土地やESの利用に合わせ、多様な分野の専門家が協力し合う学際的アプローチが求められる。2022年度は森林科学、民族生物学、土壌学、環境農学、人類学の専門家を日本やマダガスカルから派遣し、適材適所に配置して、ESの定量評価を開始することができた。さらに、初年度に得たその結果は、明瞭なESを立証する数値データを示しており、熱帯乾燥林ランドスケープの高い価値を示すことができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
私達が長年拠点としてきたアンカラファンツィカ国立公園中南部の重点調査地域にて、課題bを優先させて調査を実施した。有用植物資源の供給サービスの評価は完了したため、次年度以降はデータ解析を進めて論文を執筆する。土壌保持サービスや水田における圃場実験に関しては、次年度も調査を継続する必要がある。重点調査地域での作業を住民と協働で行いながら、地域社会との人間関係を築くことに成功した。それを活かして、2023年度は対象とする農村や市街、公園職員へと拡大し、多様な利害関係者の知識体系に基づくESを特定する調査(課題a)に取り組む予定である。
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