| Project/Area Number |
23K25531
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| Project/Area Number (Other) |
23H00834 (2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 07060:Money and finance-related
Basic Section 07030:Economic statistics-related
Sections That Are Subject to Joint Review: Basic Section07030:Economic statistics-related , Basic Section07060:Money and finance-related
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| Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
加納 隆 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (90456179)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 和子 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (20613730)
大城 絢子 沖縄国際大学, 経済学部, 准教授 (70773399)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2027: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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| Keywords | 通貨体制効果 / 沖縄本土返還 / 新聞記事情報 / 自然言語解析 / ベイズ統計学 / 卸売・輸入価格 / 沖縄返還 / 実質為替レート / 相対価格構造 / 古新聞データ |
| Outline of Research at the Start |
国際金融論における最重要課題の一つは, 国際通貨制度の変遷が各国にどのような経済的効果を与え, またその経済的厚生にどのような影響を 与えるのか, 実証的に識別し, その因果関係を理論的に解明することである. この目的のため, 本研究は1972年5月15日の本土復帰前後の琉球・沖縄経済史を再考する. この時期の琉球・沖縄において観察された卸売・輸 入価格のマイクロデータを収集し, 復帰前後で琉球・沖縄が経験した外生的な通貨体制の変遷が, どのように琉球・沖縄経済の相対価格構造に影響を与えたのか実証的に識別し, 明らかとなった因果性を理解するための構造モデルを構築し, 公共政策的含意を抽出する.
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| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は、①収集したデータの自然言語解析と②既存研究の派生研究を実施した。 ①に関しては、電子テキスト化が完了した1972年5月の琉球新報260ページに対する自然言語解析を実施した。まずTransformer-Bertによる機械学習を用いた感情分析を、日次のすべての文章に適応し、復帰前後1ヶ月間の琉球新報紙に表出している沖縄市民の感情の推移を定量的に示した。この結果、沖縄市民感情が復帰日の数日前から急激に悪化したことが明らかになった。この負の感情の急激な発出の原因を探るべく、次にMecabを用いた形態素解析を行い、日次の頻出語解析およびword cloudを実施した。その結果、5月12日夕刊以後5月15日まで、負の感情を生み出している支配的な言葉が「通貨」「交換」、5月16日以降は「物価」「値上げ」であったことが明らかになった。さらに共起ネットワーク分析からは「物価」「値上げ」といった言葉が「360円」「305円」といったドル・円の通貨交換レートと強く共起していることも明らかになった。以上の結果は、沖縄の本土復帰が、当時の沖縄市民に必ずしも好意的に受け入れられていた訳ではなく、その負の感情の背後にある多様な要因の中でも、貨幣的要因が特に支配的であったことを定量的に表している(大城絢子氏との協働)。
②に関しては、既存研究である復帰前後の沖縄・本土間の小売物価における個別商品別実質為替レート分布の構造変化モデルの構造推定に結びつく、ベイジアン分布マッチング法の開発と実装に関する分析を進めた。特に構造モデルの特定化の誤りの影響をベイズ統計学の観点から評価できる点、既存の方法にはない新規性と独創性を持つ。その成果を多くの国際学会で報告した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
およそ当初計画の通り、1972年5月の琉球新報の全記事の約3分2の電子テキストに対し、自然言語解析を適用し、本土復帰前後1ヶ月の沖縄市民の感情推移を日次で定量化した。その上で急激な負の感情推移の背後にある要因が、通貨交換に伴う貨幣的な要因であることを明らかにした。この成果は、課題研究のテーマである「通貨体制効果」の自然言語解析を通じた定量的識別をおこなったはじめての研究として評価できる。
また当初は計画していなかったが、通貨体制変化による沖縄・本土間の個別商品実質為替レート分布の変遷を、理論的に説明する開放経済の硬直価格モデルをデータで推定する研究計画を加納和子氏と新たに開始した。その際に必須なベイジアン分布マッチング法の開発が想定以上に進展し、その基礎分析の成果を多く の国際的な学会で報告する機会を得られたことも特記できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
まず2023年度および繰越後の2024年度の補助金研究の成果と基金研究の成果を統合する。返還直後に観察された青果物水産物の市況データにおける沖縄の相対価格構造の激変がどのぐらいの持続性を持ったのか、準日次市況情報を 1972年以降1973年と1974年までに拡張してデータ化する。次に、青果物・水産物価格だけではなく、小売物価統計調査対象商品・サービスにおける相対価格構造 の変化の有無とその持続性も、先行研究で蓄積してある小売物価統計データを使って確認する。また相対価格構造の変化の背景にある沖縄経済と沖縄市民が直面していた社会経済的な環境の変化を定量的に識別する必要がある。このため、琉球新報記事テキストデータの自然言語解析の適用を行う。さらに琉球新報記事のテキスト化作業(1972年6月以降分)を継続する。同時に新聞社固有効果を制御するため、琉球新報だけではなく同時期の沖縄タイムス記事のテキスト化も並行して進める。その上で、通貨単位の変化に対して相対価格構造が激変することを理論的に説明しうる構造モデルの構築を試みる。
また分布マッチング法の精度評価のためのモンテカルロ実験を繰り返し、その基礎的な特性を明らかにする。その上で、実際のデータを使って構造モデルを推定し、その結果を論文にまとめ計量経済学の国際的学術雑誌に投稿する。
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