大気海洋界面の波浪・乱流・化学作用に着目した海洋二酸化炭素吸収機能の解明
Project/Area Number |
23K26211
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Project/Area Number (Other) |
23H01517 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22040:Hydroengineering-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉原 裕司 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (70243970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 路生 京都大学, 防災研究所, 教授 (80362458)
高垣 直尚 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (00554221)
Eljamal Osama 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (40600052)
岡本 隆明 名城大学, 理工学部, 准教授 (70599612)
山口 創一 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (20457493)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | 大気海洋界面 / 二酸化炭素 / 波浪 / 乱流 / 地球温暖化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、大気海洋界面における波浪・乱流・化学作用の解明と海洋の二酸化炭素吸収機能の定量的評価を通して、海上風速以外の因子が海洋の二酸化炭素吸収機能に及ぼす影響を明らかにする。先進的な実験研究を通して、多様な風速・吹送距離・乱流状態における大気海洋界面の波浪・乱流作用を解明する。また、界面活性物質を付加した実験研究に基づいて、界面の化学的作用が物質輸送に及ぼす影響について検討する。さらに、数値海洋生態系モデルによる炭素循環の数値実験を行い、界面の波浪・乱流・化学作用が海洋の二酸化炭素吸収機能に果たす効果を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、主として風洞水槽を用いて大気海洋界面における波浪・乱流作用に関する実験的検討を行い、水槽実験研究の基盤技術を構築した。 水槽実験を行うための準備実験として、ピエゾ抵抗素子型差圧計を複数台使用した平均風速分布の測定精度の検証および自作の抵抗式波高計を使用した波高測定精度の検証を行った。その結果、風速の同時測定および波高測定を高精度に実施する技術を構築した。また、小型風洞水槽における風波流れを対象として、2台の高速カメラを用いて水面形と流れの同時計測を行い、水面が時空間的に変動する乱流場の特性を解析した。風波乱流場の吹送流を計測する手法を構築するために、風速と水路流量を系統的に変化させた実験を実施して、高速カメラによるカラートラッキング法を用いて水面上のフロートの移流速度を計測する手法を検討した。波動場において、水面の流速、渦度、発散を適切に計測するための手法について検討を行い、その計測原理を構築した。中型風洞水槽および大型風洞水槽において得られた実験結果に基づいて、界面せん断応力、水面粗度、風波特性量の関係性について調べ、それらの特性を確認した。また、風洞水槽実験における砕波エネルギー散逸率の算定手法について検討を行った。中型風洞水槽を用いて、種々の風速条件においてPIVによる風波界面下の水中乱流計測を実施し、レイノルズ応力、乱流エネルギー散逸率等を評価した。 酸素および二酸化炭素をトレーサーとしたガス交換速度を評価するための実験システムを整備した。また、数値海洋生態系モデルによる数値実験を行うための基本場となる海洋物理環境の高解像度数値モデルの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
風洞水槽実験における風速および波高の測定手法を構築し、複数の風速もしくは波高が高精度で測定可能であることを確認した。また、風波を伴う水面における流速の計測手法を構築することができた。波動場における新たな計測技術の有用性についても確認されており、風洞水槽実験での基盤技術および関連する波浪・乱流現象について有用な知見が得られている。また、数値海洋生態系モデルの基本場となる物理モデルの構築・整備を進めることができた。なお、酸素をトレーサーとしたガス交換速度の実験と界面活性物質に関する予備的検討については次年度に行うこととしたが、これらの実験についても実施のための環境整備が進められている。 以上のことから、初年度における本研究課題の進捗状況についてはおおむね順調に進展していると判断することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
風速および吹送距離を系統的に変化させた小型および中型風洞水槽実験においてPIVによる風波界面下の乱流計測を行い、乱流エネルギー散逸率などの乱流特性量を算定する。また、中型および大型風洞水槽において砕波エネルギー散逸率の評価を行い、パラメータとしての有用性を検討する。小型および中型風洞水槽を用いて、酸素および二酸化炭素をトレーサーとしたガス交換速度を評価し、ガス交換速度が乱流エネルギー散逸率や砕波エネルギー散逸率にどのように依存するのかを検討する。さらに、風波乱流場に新たな計測手法を適用することで、大気海洋界面における波浪・乱流作用に関する実験的検討を深める。界面活性物質を使用した場合の実験結果を解析し、界面活性物質の混入が風波界面にどのような影響を及ぼすのかについて検討する。また、界面活性物質を添加した界面物質輸送実験を行い、二酸化炭素吸収機能における化学的作用を解明する。大気海洋界面における波浪・乱流・化学作用を考慮した二酸化炭素の海洋への吸収過程を数値海洋生態系モデルに導入し、炭素循環に及ぼすこれらの作用の効果を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)