| Project/Area Number |
23K26671
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| Project/Area Number (Other) |
23H01978 (2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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| Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
張 浩徹 中央大学, 理工学部, 教授 (60335198)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 暁紀 中央大学, 理工学部, 助教 (10812977)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
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| Keywords | 原子価互変異性 / 金属錯体 / 双安定性 / 外場適合性 / 多重安定性 / コバルト錯体 / ジオキソレン錯体 / 外場適合 / 多重安定 / システムズ化学 / 相転移 / 非平衡 / 外場適合系 / 準安定種 / 熱誘起原子価互変異性 / 圧力誘起原子価互変異性 / スピンクロスオーバー / 原子価互変異性錯体 / 分子格子 / 準安定格子 |
| Outline of Research at the Start |
申請者らはPierpontらの発見を皮切りに精力的に研究されてきた二つの原子価互変異性体に対し、第三の互変異性体(ls-[CoII])を世界で初めて見いだした。その形成の鍵は、高対称性コバルトージオキソレン錯体が形成する分子性CH-π格子とそれにより歪んだCo周りの分子構造である。本研究では、第三の互変異性体の性質と形成機構の解明に加え、分子性CH-π格子の制御とその多重安定化による「外場適合型分子性格子に立脚した創発機能化学」の学理構築を目的とする。これにより従来の双安定系とは一線を画す非平衡開放系における電子的に活性な分子の動的コミュニケーションに基づく創発機能化学を展開する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、3,6-di-t-butyl置換型ジオキソレン配位子を有する[Co(3,6-DTBQ)2(4-CNpy)2](36CN)がこれまでに単離例の無いls-[CoII]種を形成することを明らかにした。そこで本研究では、第三の互変異性体の特性及び形成機構解明に加え、分子性CH-π格子の精密制御を基盤として「外場応答型分子性CH-π格子に立脚した創発機能化学」の学理構築を目的とし以下の研究を展開し成果を得た。 課題1)第三の原子価互変異性体の電子状態と形成機構解明 初めて本研究によりその単離に至ったls-[CoII]種の物理構造並びに電子構造を明らかにするために必要な実験結果を令和5年度に得たため、これらの結果と併せて量子化学計算を遂行中であり、実験及び理論化学的にその特異的形成をサポートをする結果を完成しつつある。 課題2)CH-π格子の外場適合性の精密制御 続いて構造未知の熱力学的安定種ls-[CoIII]の結晶化を実現すべく、11種の有機溶媒中全てにおいて室温ではhs-[CoII]が形成されるのに対し、高いDNを有するDMF,THF以外の溶媒では温度降下によりVTを発現する一方、DMF,THF中では発現しないことを見いだした。またVTを示すアニソールから特異的にls-[CoIII]の形成を示唆する紫色結晶の単離に成功し今後精密構造解析にトライする予定である。続いて我々は研究を展開する中で同分子群がこれまでに報告例のない、濃度誘起VTを示すことを見いだした。当該年度にはこれらの基礎データの収集を終了し、駆動原理を証明するためのモデル錯体の合成着手まで進めている。この濃度誘起VTは従来のエントロピー駆動型VTとは全く異なる機構あるエンタルピー駆動型VTの可能性を秘めており、濃度という化学的外場に応答しその状態を変調する外場適合系の実現に資すると確信している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①初めて単離にいたったls-[Co(II)]の分子及び集積構造を低温から室温以上の温度にて各種精密測定した定量的データと共に、R-py上の置換基を変調させた錯体群についてもその物理構造と電子構造の精密測定を終えつつあると共にその熱、圧力誘起状態変換を明らかにしつつある。また本系について量子化学計算を遂行中であり、実験及び理論化学的な論証を完成しつつある。 ②構造未知の熱力学的安定種ls-[CoIII]の結晶化を検証したところ、11種の有機溶媒中全てにおいて室温ではhs-[CoII]が形成されるのに対し、高いDNを有するDMF,THF以外の溶媒では温度降下によりVTを発現する一方、DMF,THF中では発現しないことを見いだした。これはDNの高い溶媒中においてはhs-[Co(II)]種の安定化またはls-[Co(III)]の不安定化が生じていることを示す結果であり、効率的なls-[CoIII]の結晶化に向け有用な知見である。またVTを示すアニソールから特異的にls-[CoIII]の形成を示唆する紫色結晶の単離に成功し今後精密構造解析にトライする予定である。また全ての溶媒から得られた多結晶の顕微分光測定により、アニソールから得られた結晶においてのみls-[CoIII]の形成を示唆するCat-SQ間の電荷移動吸収帯が観測された。 ③最後に、研究を展開する中で同分子群がこれまでに報告例のない、濃度誘起VTを示すことを初めて見いだした。当該年度にはこれらの基礎データの収集と定量的解析を終了し、駆動原理を証明するための反磁性モデル錯体の合成着手まで進めている。この濃度誘起VTは従来のエントロピー駆動型VTとは全く異なる機構あるエンタルピー駆動型VTの可能性を秘めており、濃度という化学的外場に応答しその状態を変調する新規分子系の創出の実現すると確信している。
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| Strategy for Future Research Activity |
①構造未知のls-Co(III)の構造解析を実現すべく、2024年度に明らかにした溶媒依存性を利用及び拡張しつつ結晶化に向けて最適化を進める。構造解析の遂行により熱力学的安定種のls-[Co(III)]と全てに構造解析に成功している準安定ls-[Co(II)]及びhs-[Co(II)]の構造相関を定量的に明らかにする。また結晶化に向けては高圧セルを用いたls-[Co(II)]単結晶からls-[Co(III)]単結晶への変換も平行して遂行する予定である。 ②2024年度に見いだされた濃度誘起VT現象の全貌を明らかにしつつ、その溶媒依存性の解明と置換基効果の解明を進めることでエンタルピー駆動型VTという未踏域の化学を確立する。またこれを駆動する分子会合状態を明らかにすべく、反磁性錯体である[Ru(3,6-DTBQ)2(R-py)2]型錯体の新規合成とNMR法を用いた拡散係数の算出による会合状態の定量的解明を進める。 ③最後に、CH-π格子の動的変調を指向し、従来の3,6-di-tert-butyl置換体から、Bu基をEt、iPro、Meに変調させることでMe基を0-3個に変調した際に格子形成にいかなる摂動が生じるかを明らかにする。今年度はこれに向けた新規配位子群の合成並びに錯体群の合成とその同定を進め、特異的電子状態を与えるCH-π格子の精密制御をより一層展開していく。
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