Project/Area Number |
23KF0033
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三ツ井 敏明 新潟大学, 社会連携推進機構, 特任教授 (70183960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AYCAN MURAT 新潟大学, 自然科学系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | イネ / 耐塩性 / ゲノムシークエンス / RNAシーケンス |
Outline of Research at the Start |
ストレス耐性機能が世代を超えて伝わる新しいエピジェネティックなメカニズムはまだ多くの謎が存在する。母体の葉緑体とミトコンドリアゲノムを制御することによる新しい耐塩性イネの育種の確立は極めて独自性と創造性に富むものであり、得られる研究成果は、作物の耐塩性に関する知見を格段に広げ、そして、将来の耐塩性作物の育種研究において画期的なブレイクスルーを生み出す基盤となるものと期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)イネの塩害に対する成長、収量、品質などの主要農業形質形成に及ぼす世代を超えた母方の影響のメカニズムを明らかにすること、(2)母方のオルガネラゲノム、すなわち クロロプラストDNA(cpDNA )と ミトコンドリアDNA(mtDNA) が及ぼす影響を調べることである。これは、イネの収量や生物的ストレス(特に塩害)に対する抵抗性を向上させるための細胞質ゲノム遺伝子利用や、組換えタンパク質生産のためのプラットフォームとして浮上しているプラストームおよびマイトゲノムの形質転換への道を開くものである。具体的には、植物における母から子孫への世代交代におけるcpDNAおよびmtDNA遺伝遺伝子の能力を解析し、イネの中・高塩分耐性に関わる生理・分子機構への母方遺伝子型の寄与を明らかにすることである。 核外ゲノムの異なる陸稲3品種(Norin1、Norin24、ヒタチハタモチ)と水稲3品種(NU1、日本晴、YNU31-2-4)の耐塩性について調べている。苗の段階および温室でのポット実験から、ヒタチハタモチ遺伝子型は高い塩類耐性能力を有し、より優れた生育、高抗酸化活性および高収量性を示した。一方、NU1遺伝子型は塩ストレス下で高い感受性を示した。NU1とヒタチハタモチとの交配を行い、F1世代の種子を得ることに成功した。また、この2つの遺伝子型の全ゲノム配列を決定し、ゲノムマップとSNP/Indeelの位置を検出した。現在、NU1およびヒタチハタモチのプラストームおよびマイトゲノムのマッピングを行っている。また、NU1およびヒタチハタモチの遺伝子型について、コントロール(0 mM NaCl)および塩ストレス(75 mM NaCl)条件下でRNA塩基配列を決定し、塩耐性メカニズムを分子レベルで解明するためにバイオインフォマティクスによる解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・陸稲のヒタチハタモチが耐塩性を有することを確認できた。 ・耐塩性ヒタチハタモチと塩感受性NU1との交配を完了した。 ・耐塩性ヒタチハタモチと塩感受性NU1の全ゲノム配列決定を完了した。 ・RNAシークエンスデータも順調に取得している。 以上のことから、研究計画は順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、耐塩性×敏感性(ヒタチハタモチ(父)× NU1(母))、敏感性×耐塩性(NU1(父×ヒタチハタモチ(母))の交配種の作出を進める。この夏、耐塩性×敏感性と敏感性×耐塩性のハイブリッド、その親であるヒタチハタモチ(耐塩性)とNU1(感塩性)の遺伝子型について、コントロール(0 mM NaCl)と塩ストレス(75 mM NaCl)条件下での応答を観察する。全ゲノム配列解析およびRNAseq解析は、核外ゲノム関係に関連する耐塩性遺伝を理解するために行う。さらに、プロテオーム解析によって耐塩性遺伝に関連するオルガネラゲノムのタンパク質モデリングを考案する。これらの耐塩性と細胞質ゲノムの関係は、機械学習アプローチと数理モデルを用いて明らかにする。
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