Project/Area Number |
23KJ0319
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安部 清尚 東京大学, 宇宙線研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ニュートリノ原子核反応 |
Outline of Research at the Start |
CP対称性の破れの探索の感度向上のために、最大の系統誤差であるニュートリノ原子核反応の不訂正削減に取り組む。T2K実験の前置検出器ND280、特に2023年度に新規導入予定の高位置分解能を持つSuperFGDのデータ較正・解析に取り組み、ニュートリノ反応を高い精度で測定する。日本におけるニュートリノ実験で古くから用いられているニュートリノ反応シミュレータNEUTの改良開発に取り組み、世界各地に提供できる汎用性・ND280データを利用したモデル改良を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
Super-Kamiokande実験やT2K実験など、幅広く利用されているニュートリノ反応シミュレータNEUTの開発に合流した。新しく実装されたモデルの検証といった物理の検証だけでなく、出力パラメータの追加などユーティリティの部分も担当し、迅速な最新バージョンのリリースに貢献した。このバージョンは現在、Super-Kamiokande, T2K実験両方にてシミュレーションデータの生成に使われていおり、最新物理解析に利用予定である。 また、ニュートリノ原子核反応のより精密なシミュレーション予測に向けて、原子核脱励起シミュレーションNucDeExを開発した。いくつかの脱励起シミュレーションも合わせて、原子核実験の結果と比較したところ、NucDeEx が最も良い一致を与えることがわかった。NucDeEx の非常に良い再現性が確認されたため、現在はニュートリノ反応シミュレータNEUT への実装、粒子反応シミュレータGeant4 での利用が進んでいる。酸素標的中性子ビーム照射実験 E525 でNucDeEx と結合させたGeant4を用いて評価したところ、Geant4の既存のモデルより良い一致が確認された。これにより、本来の目的であったニュートリノ原子核反応のみならず、より一般的な粒子反応においても有用であることが明らかとなった。Super-Kamiokande 実験の検出器シミュレーションなど、更なる利用先が期待されている。 同時に、T2K実験の新型前置検出器 SuperFGD に参加し、現地での装置組み立てや、データ取得を行った。基礎的なデータ較正も行い、より安定した性能をもつ較正ツールの開発や、スムーズなデータ取得・解析の道筋を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ニュートリノ反応シミュレーションNEUTの大まかな理解は完了し、現在はさまざまなモデルの実装を並行して推進している。本年度にリリースした原子核脱励起シミュレーション NucDeEx は、元来ニュートリノ原子核反応を目的として作られてものであった。しかしながら、その予測精度の高さから、より一般的な粒子シミュレーションでも有用であることが示された。これにより、本研究はニュートリノ原子核反応の予測改善のみならず、Super-Kamiokande実験等ににおける粒子反応シミュレーションにおいても役立つ、極めて波及効果の大きいものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在推進中の、ニュートリノ反応シミュレーションNEUTへの物理モデル実装を完遂する。新しいバージョンとしてリリースして、Super-Kamiokande, T2K実験などの公式解析でこれらのモデルを利用できるように整備する。これらのモデルの予測と、Super-Kamiokande や T2K実験前置検出器の測定データを照らし合わせ、その整合性を確認する。モデルの系統誤差の評価も行い、物理解析の準備を完了させる。
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