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着床前胚において染色体異常が解消される機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23KJ0852
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeMulti-year Fund
Section国内
Review Section Basic Section 42010:Animal production science-related
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

長井 博紀  東京農工大学, 大学院連合農学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2023-04-25 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Keywordsウシ胚 / 初期発生 / 部分的コンパクション / 自己修復 / Live-cell Imaging
Outline of Research at the Start

受精卵が分裂を繰り返して生じた細胞同士が強く結合して、将来胎児や胎盤へと分化する、桑実胚という一塊の細胞群となるコンパクションと呼ばれる現象がある。これまでの研究で、一部の細胞が桑実胚に取り込まれない部分的コンパクションが起きると、排除された細胞は桑実胚よりも多くの染色体異常を有することから、部分的コンパクションが胚の修復に関与する可能性をウシで示してきた。
本研究ではウシ胚を用い、部分的コンパクションで排除される細胞の動態的特徴・細胞遺伝学的特徴・分子遺伝学的特徴を明らかにするとともに、部分的コンパクションを介した胚の修復メカニズムの解明にも取り組む。

Outline of Annual Research Achievements

私はこれまでの研究で、ウシ胚で染色体異常を有する細胞が部分的コンパクションによって排除される可能性を示している。同様の報告がヒトでもなされているがいずれの報告も“可能性が示された”段階であり、不確実性を孕んでいる。本研究は、ウシ胚で部分的コンパクションを介して排除される細胞の特徴を多角的な視点から明らかにすることで「部分的コンパクションを介した自己修復が起きる」という言説の正当性をより確実なものとし、また、自己修復メカニズムを解明することを目的としている。
mRNAのマイクロインジェクションと培養機能を備えた蛍光顕微鏡とを組み合わせたlive-cell Imagingにより、初期発生過程における、胚を構成する割球1個1個と、それらに含まれる染色体の挙動を観察した。排除される割球では微小核を形成したものや、細胞分裂失敗により多核を有するもの、あるいは無核のものが多く観察され、排除割球が残された割球と比べて異常を多く有することを観察ベースで明らかにした。
体外受精卵移植で課題となっている低受胎率の要因として染色体異常があり、これには減数分裂過程で生じるものと体細胞分裂過程で生じるものとがある。後者において、初期卵割時に染色体分離エラーによって生じた異常が後の発生にも引き継がれることで、異なる染色体ステータスを有する細胞で構成されるモザイク胚が形成されるというのが通説である。しかし、2023年度の成果から、通説とは異なり、初期卵割で生じたエラーは部分的コンパクションによって後の胚発生に引き継がれていないことが考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初期発生過程において、コンパクションと呼ばれる現象があり、これを境に倍々に増えた細胞が一度一塊となり、胚は将来胎児となる内部細胞塊と将来胎盤を形成する栄養外胚葉とを形成する。私の過去の研究で、このコンパクション時に一部細胞が排除されることがウシ胚で明らかになっている。定説とは異なり、初期卵割で生じたエラーは部分的コンパクションによって後の胚発生に引き継がれず、排除された細胞は残された細胞よりも異常を多く抱えているという仮説を立て、研究を行った。
mRNAのマイクロインジェクションと培養機能を備えた蛍光顕微鏡とを組み合わせたライブセルイメージングにより、初期発生過程における、胚を構成する割球1個1個と、それらに含まれる染色体の挙動を観察した。排除される割球では微小核を形成したものや、細胞分裂失敗により多核を有するもの、あるいは無核のものが多く観察され、排除割球が残された割球と比べて異常を多く有することを観察ベースで明らかにした。
ライブセルイメージングを行った胚から異常を有したものと有していないもの、排除されたものと排除されなかったものとをそれぞれサンプリングし、シングルセルRNA-seqに供した。現在シーケンスデータを解析中である。
ライブセルイメージングで染色体の分離異常の有無と部分的コンパクションによる排除の有無を基に区分けをしてRNA-seqに供したが、異常が観察されながらも排除されない割球や異常が観察されないながらも排除された割球の出現頻度が低く、サンプリングに時間を要したため予定より進捗が遅れた。

Strategy for Future Research Activity

ライブセルイメージングの結果、染色体の挙動に異常が観察されないながらも排除された割球が存在した。染色体に異常が生じることで排除されているという当初の考えからは外れた結果であり、排除する基準は染色体に異常があるかどうかではない可能性がある。一方であくまで観察ベースで異常がなかっただけであり、次世代シーケンスベースで調べれば異常を抱えていたかもしれない。そこで、RNA-seqの結果からコピー数の変化を捉えるinfercnvを行うとともに、改めて改めてサンプリングした割球をCNV-seqに供す。
RNA-seqデータ解析の結果、排除された割球ではRNAプロセッシングやRNAスプライシングのpathwayに関わる遺伝子が落ちた一方で、全体の発現変動としては上がっていた。このことから、本来スプライシングを受けて成熟することで生成されるmRNAが作られず、もとのRNAが残っているため全体としては発現があがったと考えている。junctionseqという手法によるスプライシング解析を外注することもできるが、DEXseqやrMATSを用いたスプライシングバリアント解析により、排除割球とコンパクションに関与した割球との間でスプライシングパターンの変化を自前でも調べられる。後者で進めることを第一候補に現在検討中である。
また、発現変動遺伝子のなかでめぼしいものがあれば、RNA干渉による遺伝子ノックダウンを利用して、部分的コンパクションの発生に変化が生じるかを観察したいと考えている。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Bovine Blastomeres with abnormal nucleus are prone to excluded from a morula by partial compaction2023

    • Author(s)
      Hiroki Nagai
    • Organizer
      Society for the Study of Reproduction
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-04-26   Modified: 2024-12-25  

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