Project/Area Number |
23KJ0932
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
桜井 勇太 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | セルロース / 植物細胞壁 / 酵素触媒重合 / 多糖類 / ハイドロゲル |
Outline of Research at the Start |
天然に見られる植物細胞壁は極めて堅牢な構造をもつ。この堅牢性は、酵素合成されたセルロースが繊維へと集合化し、さらにそれらが水素結合などを駆動力としてヘミセルロースなどのマトリックス多糖と集合化することが重要な因子である。本研究の目的は、セルロースの人工的な酵素合成系を利用して、セルロースとヘミセルロースなどのセルロース類縁体とを複合化し、植物細胞壁に見られるような堅牢なセルロース集合体の自在な人工構築を達成することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
天然にみられる植物細胞壁は極めて堅牢な集合構造をもつ。この堅牢性は、セルロース合成酵素複合体から産生されるセルロースが繊維状に集合化し、さらにそれらが水素結合などを駆動力としてヘミセルロースなどのマトリックス多糖と集合化することで発現する。本研究の目的は、温和な条件でセロオリゴ糖やその誘導体を合成可能な、セロデキストリンホスホリラーゼ(CDP)による酵素合成系を利用して、合成セルロースとヘミセルロースなどのセルロース類縁体とを複合化し、植物細胞壁に見られるような堅牢なセルロース集合体の自在な人工構築を達成することである。 令和五年度においては、酵素合成系において生成させるセロオリゴ糖集合体と、ヘミセルロース、ペクチン、セルロース誘導体などの多糖との複合構造体がネットワーク構造を形成しハイドロゲルとなること、さらには適切な条件下で水溶性多糖とセロオリゴ糖とを複合化させることで、通常は力学物性に乏しいセロオリゴ糖集合体からなる堅牢な複合体を一段階で構築できることを見出した。 これに加えて、これらハイドロゲルの力学物性を向上させるための方法論を探索した。今年度は植物細胞壁におけるホウ酸やその誘導体がヘミセルロースとエステル結合することで形成させる架橋構造に着目し、ホウ酸/多糖/セロオリゴ糖からなるより堅牢な複合ネットワーク構造の構築を検討した。適切な濃度でホウ酸を酵素合成系に共存させることで、その力学物性を向上できる可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物細胞壁の生合成プロセスに着想を得た本研究の方法論が、セロオリゴ糖ベースの堅牢なネットワーク構造の構築に確かに有用であり、種々の多糖存在下でセロオリゴ糖を合成することで堅牢性発現に有用な多糖を見出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和六年度では、昨年度までに構築してきたセロオリゴ糖ベースの複合ハイドロゲルの力学物性をさらに向上させる方法論を確立する。さらには、構築したハイドロゲルの機能性材料としての応用可能性を探索する。
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