Project/Area Number |
23KJ0948
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 晃平 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 間接電解反応 / 電気化学 / 電子移動触媒 / 水素原子移動触媒 / 高分子ポスト機能化 / 機能性高分子 / π共役高分子 / 汎用高分子 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、間接電解法を用いた高分子電解反応の開発を行う。間接電解法とはレドックスメディエーターが電極上で反応し、溶液中で高分子と電子移動する反応であり、高分子の高効率な電極/液相電子移動が達成可能となる。これまでの高分子電解反応では、固相電子移動による電気化学的なドーピングが必要不可欠であったが、本手法では、レドックスメディエーターにより高分子を活性化できるため、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートのような汎用高分子に対しても電気化学的な分子変換が可能となる。本研究課題の達成により、環境調和型電解反応に適用可能な高分子の大幅な拡張とそれによる機能化・分解反応の開発が期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
電解液に溶解した高分子は電極接触効率が低いことから、電極電子移動が困難であり、後続反応に適用された例が極めて少ない。そこで本研究では、電気化学的な高分子変換法を目的とし、レドックスメディエーターを用いた「間接高分子電解法」の確立を目指す。レドックスメディエーターが高分子の代わりに電極上で反応し、溶液中で高分子と電子移動することで、高効率な機能化・分解反応への展開が可能である。 令和5年度は、間接高分子電解法を用いた既存高分子のポスト機能化反応に取り組んだ。具体的には、(1) 間接電解法によるπ共役高分子のポスト機能化法の構築、ならびに (2) 水素原子移動 (HAT) 触媒を用いた汎用高分子の間接電解ポスト機能化法の探索を行った。 (1) については、メディエーターにトリフェニルアミン類 (電子移動触媒) を用いることで、電解液中でπ共役高分子とメディエーター間で電子移動が生じ、ポスト機能化に成功した。また、サイクリックボルタンメトリー (CV) 測定から、高分子と電子移動触媒間で電子移動が生じていることが明らかになった。(2) については、ベンジル位をラジカル的に活性化させる HAT 触媒を用いることによって、汎用高分子であるポリスチレンが電気化学的に活性化され、後続反応へと展開可能であることが示唆された。これらの結果から、間接電解法を用いることによって、環境調和型な反応条件で既存高分子のポスト機能化が達成されることが分かった。 これらの研究成果は令和6年度中にまとめて、論文投稿する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間接電解法を駆使することで既存高分子を電気化学的に活性化させることに成功しており、後続反応への展開が可能であることを見出した。また当初の計画では、汎用高分子であるポリスチレンの間接電解ポスト機能化は令和6年度に行う予定であったが、基礎的な知見を備蓄する目的で令和5年度に研究を行い、ポスト機能化反応が十分に進行することが明らかとなった。これらの研究成果は令和6年度に論文にまとめる目途が立っているため、「(2) おおむね順調に進展している」と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に得られた間接電解反応を用いたポスト機能化法に関する知見をさらに拡張・要約し、学術論文に投稿する予定である。さらに当初の計画を早め、汎用高分子の間接電解分解反応の構築を目指し、電気化学的な炭素循環システムを開発に挑戦する。
|