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外務省・外交官とヴァイマル共和政初期のドイツ外交

Research Project

Project/Area Number 23KJ1423
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeMulti-year Fund
Section国内
Review Section Basic Section 03040:History of Europe and America-related
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

井上 健太郎  大阪大学, 人文学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2023-04-25 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2023: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Keywordsドイツ近現代史 / ヴァイマル共和国 / ドイツ外交史 / 国際政治 / 外務省 / 外務官僚 / 教育社会史
Outline of Research at the Start

一般に国家の外交政策は、外務省の高官が構想・立案・作成し、首相や外相らによって構成される政府内の協議を経て合意に至ることで、公式の国家政策となる。その際、このような対外政策決定過程に外務省が果たす役割は強調してもし過ぎることはない。
ヴァイマル共和国期(1918~1933年)のドイツ外交史に取り組んできた本研究では、従来の研究では着目されることの少なかった外務省や本省高官に焦点を当て、彼らがドイツをめぐる国際状況をどのように捉え、その結果どのような政策構想を抱き、それら諸構想がどのようなプロセスを経て対外政策へと結実していったのかを明らかにする。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、ヴァイマル共和政初期(1918~23年)のドイツ外務省の指導的外交官吏(外務官僚)がどのような政策構想を立てて、それら政策構想がどのように公式の対外政策になっていったのかを明らかにすることを目的とする。この研究目的を遂行するために、令和5年度では以下の研究主題に取り組んだ。
(2)1918~23年の外務省改革によって新たに要職を占めた外務官僚たちがドイツをめぐる国際状況をどのように認識し、その結果どのような政策構想を抱くに至ったのか。
(3)それら政策構想がどのようにして公式な対外政策となったのか。また、その構想や政策のどのような側面がヴァイマル時代中期(1923~29年)の政策に引き継がれたのか。
研究主題(2)の外務官僚のうち、本研究はカール・フォン・シューベルト(イギリス局局長、のち外務次官)とアゴ・フォン・マルツァーン(東欧局局長、のち外務次官)の対外政策構想を検討対象とした。シューベルトに関して、本研究は国際連盟に関する彼の構想に着目した。その結果、1926年9月に実現する連盟へのドイツの加盟に関する政府の閣議決定(1924年9月)にはシューベルトの構想の一部が反映されていた点、1929年8月の中ソ紛争(鉄道経営権をめぐる中ソ間の武力衝突)の際に彼を含む外務省指導部が連盟に全幅の信頼を与えたわけではなかった点が明らかとなった。また、マルツァーンに関しては、1920~23年における彼の政策構想が、従来の研究で指摘されているような対ソヴィエト=ロシア寄りではなく、対英米協調路線を志向していたことが分かった。このマルツァーンの政策方針は、ヴァイマル中期に外相を務めたグスタフ・シュトレーゼマンの実践した政策と共通するものがあった。以上の成果から本研究は、従来の研究で注目されてこなかった、政府とは異なる外務官僚の政策構想の独自性と外務省のイニシアティブを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和5年度の本研究は、ほぼ研究実施計画の通りに遂行された。当初予定していた他の2名の外務官僚(フリードリヒ・ガウスとベルンハルト・ヴィルヘルム・フォン・ビューロー)には時間と労力の制約により取り組むことができなかったが、シューベルトとマルツァーンに関する研究では優れた成果を出すことができ、それぞれの政策構想について論じた論文2本を査読付き学術雑誌に発表することができた。このような業績は、2023年10月以降滞在しているドイツのヨハネス・グーテンベルク大学マインツの恵まれた研究環境に負っている。同大学図書館には、日本では簡単に渉猟できない二次文献が多く所蔵されており、ヴァイマル外交史や外務官僚に関する先行研究に容易にアクセスすることができる。また、未刊行の外交史料を所蔵している連邦外務省政治文書館は一部の史料をオンラインで公開していることも、マルツァーンに関する論文執筆の進捗に貢献した。また、マインツ大学図書館に所蔵されている関連文献・史料の収集も、当初の予想以上の規模で進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

令和6年度においては、シューベルトとマルツァーンに関する個別の研究成果を統合しつつ、さらに他の重要な外務官僚(ガウスとビューロー)に加え、ウルリヒ・フォン・ブロックドルフ=ランツァウ伯(外相、のちに駐ソ大使)を検討対象とする。マインツ大学図書館で二次文献の入手・分析を行うとともに、9月にベルリンの連邦外務省政治文書館で必要な未刊行史料を渉猟する。また、ドイツ滞在中に受け入れ教員のアンドレアス・レダー教授の開講する歴史ゼミナールでドイツ語による研究報告を行う。9月末に帰国した後、ガウスの政策構想に関する報告を所属研究会で行い、それをさらに整理したものを大阪大学大学院人文学研究科ドイツ語教室紀要『Sprache und Kultur』に論文として投稿する。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2024

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 2 results)

  • [Journal Article] <書評>Mark Jones, 1923. Ein deutsches Trauma, Berlin 20222024

    • Author(s)
      井上健太郎
    • Journal Title

      Sprache und Kultur

      Volume: 43 Pages: 23-29

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] カール・フォン・シューベルトの対外政策構想―国際連盟外交と中ソ紛争への対応をめぐって2024

    • Author(s)
      井上健太郎
    • Journal Title

      ドイツ研究

      Volume: 58 Pages: 49-56

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    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ラパロ条約からドーズ案へ―アゴ・フォン・マルツァーンの対外政策構想をめぐって2024

    • Author(s)
      井上健太郎
    • Journal Title

      ゲシヒテ

      Volume: 17

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2023-04-26   Modified: 2024-12-25  

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