Project/Area Number |
23KJ1465
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横田 純平 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 腸管上皮細胞 / オルガノイド / 共培養 / 腸内細菌 |
Outline of Research at the Start |
腸内細菌叢は、疾患発症との関連が強く示唆されており、腸内のマイクロバイオーム(MB)を制御して疾患治癒を目指すMB制御医薬品が注目されている。また、腸内細菌による経口投与医薬品の代謝も報告され、正確な薬物動態評価には腸内細菌の影響を反映する必要がある。しかし、このような研究開発に資する腸内細菌-腸管上皮細胞共培養系は現在確立されていない。 本研究は、腸管オルガノイドと腸内細菌の共培養系を新たに構築することを目的とする。具体的には、生理的低酸素環境と腸管の部位的特徴を反映した新規培養系の確立を行う。さらに腸内細菌との共培養により系の妥当性を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌叢は、疾患発症との関連が強く示唆されており、腸内のマイクロバイオームを制御して疾患治癒を目指すマイクロバイオーム制御医薬品が注目されている。また、腸内細菌は経口投与医薬品の一部を代謝・抱合することも報告され、正確な薬物動態評価には腸内細菌の影響を反映する必要がある。しかし、腸管上皮細胞と腸内細菌の異なる酸素要求特性により、このような研究開発に資する腸内細菌-腸管上皮細胞共培養系は国内外ともに確立されていないのが現状である。そこで本研究は、腸管オルガノイドと腸内細菌の共培養系を新たに構築することを目指した。 本年度は、生理的酸素環境を反映した腸管オルガノイド培養技術の開発に取り組んだ。まず、ヒト腸管オルガノイド単層膜が生体に近い酸素濃度にて培養可能か検討した。所蔵研究室で独自に樹立した生検組織由来腸管オルガノイドおよびiPS細胞由来腸管オルガノイドから作製したオルガノイド単層膜を、基底膜側を密閉状態に保つ培養装置にセットし、嫌気性チャンバー内に導入した。細胞に最適な装置組み立て手順やアピカル嫌気培養に適した培養条件の探索ののちに、オルガノイド単層膜のアピカル嫌気培養を試みた。基底膜側の酸素濃度測定の結果より、アピカル嫌気状態を実現することに成功した。アピカル嫌気培養したオルガノイド単層膜について、経上皮電気抵抗値(TEER)の上昇が確認され、上皮バリア機能の向上が示唆された。さらに嫌気性腸内細菌との共培養試験および相互作用解析に向けて、オルガノイド単層膜の管腔側に添加する腸内細菌を選定し、共培養時の培養条件の探索を行った。 本技術は生体内の環境を高度に模倣したin vitro腸管モデルであるため、腸内マイクロバイオーム制御医薬品の開発や経口投与医薬品の薬物動態評価に貢献する重要な技術として期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に準じて研究を遂行しており、生理的酸素環境を反映した腸管オルガノイド培養技術の開発を行うことができているため。また、次年度に向けて腸内細菌との共培養試験を見据えた準備も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
宿主である腸管上皮細胞と腸内細菌との共培養の可能性について検証する。新規培養法および従来法で作製したオルガノイド単層膜の管腔側に、代表的な腸内細菌を添加することで両者の共培養を図る。条件ごとに細菌の生存率および増殖能を評価し、新規培養法が共培養系として妥当であるか検討する。また、共培養時の腸管上皮細胞を解析し、細菌特異的な機能がみられるかを検証する。
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