Project/Area Number |
23KJ1640
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 真也 広島大学, 先進理工系科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超分子化学 / 白金錯体 / ナノ構造 / 円二色性 / 自己集合 / 不斉空間 |
Outline of Research at the Start |
生命を構成しているアミノ酸や糖は片側のキラリティをもったもののみであることが知られている。これを生命のホモキラリティと呼び,現在でもその起源については未解決であり研究が続けられている。ホモキラリティの起源に近づくためにはキラリティの生成および伝達がどのように引き起こされているのかを解明する必要がある。本研究では,指向性をもつ分子間相互作用を活用して巨大なキラル空間を作り出し,得られた空間を用いてアキラルな分子へのキラリティ伝達に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,指向性をもつ分子間相互作用を活用して巨大なキラル空間を作り出し,得られた空間を用いてアキラルな分子へのキラリティ伝達を行うことを目的としている。この際に超分子化学を基盤とした分子間力による自己集合を用いてキラル空間の形成を行う。弱い分子間相互作用によって構築される超分子集合体の場合,溶液中で形成された構造が単一のものとはならず,ポリマーのようにある程度の分布をもっているため集合体構造を決定することは単分子や結晶とは異なり困難である。そのため,溶液中で形成された集合体構造の効果的な評価方法を確立することが必要不可欠である。そこで本年度は予定通り目的化合物であるイソオキサゾール骨格を導入した中性白金錯体分子の合成を完了させたのち溶液中で形成される構造をどの様に観察するかについての検討を行った。超分子集合体の溶液を瞬間的に凍結して観察を行うことのできるクライオ透過型電子顕微鏡(cryo-TEM)を用いることを考え条件の最適化を行なった。動的光散乱(DLS)および固体の原子間力顕微鏡(AFM)の測定結果と比較したところ溶液中での構造を効果的に観察できることがわかった。また,この手法を用いてキラル空間として用いる集合体を観察したところ,球状構造体が溶液中で形成されているということがわかった。また,円二色性(CD)測定の結果,この球状集合体は側鎖のキラリティに対応したキラル光学特性を示すことがわかった。よって超分子相互作用を用いたキラル空間の創出に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的化合物の合成を完了している。 キラル分子集合体の構築に成功した。 現段階までの成果をもとに論文執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
キラル伝達により円二色性を発現する分子を探索する。 集合体形成によって円二色性を示す分子が円偏光発光を示すかの確認を行う。 キラル集合体の構造の観察,評価を行うことでキラル伝達の要因について考察を行う。
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