Project/Area Number |
23KJ1682
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 63040:Environmental impact assessment-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒田 真央 九州大学, 応用力学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | マイクロプラスチック / 海洋ごみ / 水塊 / 北太平洋 / 微細プラスチック |
Outline of Research at the Start |
本研究では、日本沖合、インド洋、北太平洋の表層~深層(0-1000 m)を対象として、CTD 観測と海水サンプルによるマイクロプラスチック(MPs)の採集を行う。各海域、各深度で得られたMPsの存在量やサイズ、材質等をCTDの観測データから推測される混合や水塊、海流等と照らし合わせ、海表面下におけるMPsの鉛直分布に影響をもたらす要因について明らかにする。また、調査船舶クリーンブース内にて海水サンプルからMPsを回収し、その回収精度を調べることによって、従来よりもサンプル輸送時のコンタミネーションが少なく、かつ揺れのある船内においても危険のない高精度なMPs回収方法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、船舶におけるマイクロプラスチック(MPs)の回収方法の確立を目指しながら、北太平洋で得られたCTD(Conductivity Temperature Depth profiler)・MPsデータ(サイズ、個数、ポリマータイプ、深度別濃度)の解析、およびインド洋での新たなサンプル採集を行った。使用器材の選定、またブランクサンプルによるコンタミネーションの評価や、標準MPsサンプルの回収実験から、船内でのコンタミネーションやMPsの破砕が起こりにくい海水サンプルの濾過方法(MPs回収方法)を確立した。これにより、揺れのある船内においても高精度にMPsを回収することが出来、サンプル輸送時のコンタミネーションを削減することも可能となった。 また、北太平洋で得られた深度0-1000 mのMPsデータから、海表面下に微細MPs(< 300 μm)が多く存在することが明らかとなった。本研究の調査では、全ての測点で40-50 μmのサイズのMPsが最も多く観測された。CTDによって得られた各深度のポテンシャル密度と、MPs濃度のデータから、MPsの鉛直分布が北太平洋の水塊構造に関係していることが明らかとなった。これにより、MPsが、表層から等密度面に沿って、海水と共に海洋中へ貫入していることが初めて明らかとなった(現在論文化中、次年度に国際学会2件、国内学会1件での発表予定)。 当該年度はインド洋でのサンプル採集も行っており、この結果に関しては今後解析を行い、北太平洋との比較、またMPsの分布と海洋構造との新たな関係性を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、船内でのMPsの回収方法を確立させたと共に、北太平洋における水塊構造とMPsの関係性について明らかにすることが出来た。また、インド洋でのサンプル採集も既に行っており、次年度中には2海域間の比較を行える予定である。このため、本研究課題はおおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度採集されたインド洋でのサンプルの解析を行い、他海域での海洋構造とMPsの鉛直分布に関して明らかにしていく予定である。また、現在得られている研究結果から、北太平洋の1000 m以深でMPs量が増加するのではないか、という新しい疑問が生まれた。このため次年度は、北太平洋で深度2000mまでの採水を行い、MPsの分布と海洋構造との新たな関係性を明らかにしていくことも考えている。
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