Project/Area Number |
23KJ1804
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 04010:Geography-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡辺 樹 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 山体重力変形 / 深層崩壊 / テフロクロノロジー / クリプトテフラ / 関田山地 / 長野盆地西縁断層帯 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,山地に形成される山体重力変形地形について,時間スケールに着目した形成・発達史の復元を目的とする.特に,火山灰編年法を用いることで,長期間にわたる山体重力変形地形の形成・発達過程を論じる.山体重力変形は深層崩壊の前兆現象と考えられているが,どれぐらいの時間が経過したあとに深層崩壊に至るのかは知られていない.そこで,既に10万年以前から山体重力変形地形が形成されていたことが明らかになっている山地を対象に,山体重力変形地形や深層崩壊の分布の特徴や形成・発生年代の時空間分布を明らかにし,山体重力変形地形の発達過程や深層崩壊に至るまでの時間を解明する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,山地に形成される山体重力変形地形について,地形・地質学的手法を用いて時間スケールに着目した形成・発達史の復元を行うことである.山体重力変形地形は大規模崩壊の前兆現象と考えられているが,この地形が形成されてからどれくらいの時間が経過すると崩壊に至るのかは理解されていない.本研究では地形的特徴によって発達度が異なると考えられる複数の山体重力変形地形を対象とし,掘削調査による形成年代の推定から,地形発達史の復元を試みている. 本年度は,研究対象地域における編年の基盤となる火山灰層序学研究の取りまとめを中心として研究を進めた.高知大学海洋コア国際研究所の共同利用制度を活用し,電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)により,約200試料の火山ガラスの主成分化学組成分析を実施した.その結果,中部日本地域におけるテフラの分布や層序関係について新たな知見を得た.加えて,年代情報を補強するため放射性炭素年代測定を東京大学総合研究博物館に依頼した.これらの研究成果は国際学会で発表したほか,論文投稿に向け準備を行っている. 上記の火山灰層序学研究に加え,山体重力変形地形に関する研究も進めることができている.長野・新潟県境関田山地を対象に掘削調査を実施し,山体重力変形地形によって形成された稜線部の湿地の地質断面を明らかにした.また,その近傍に存在する大規模崩壊の発生年代を推定するための掘削調査も実施した.現在これらの調査で得た試料について分析を進めており,山体重力変形地形が複数の活動期と休止期を持ち,活動期末期に近傍で大規模崩壊が発生した可能性が明らかとなった.本件に関しても年度末に日本地理学会で学会発表を行っており,今後成果としてまとめていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関田山地において編年を行うために鍵となるテフラ層序の解明と模式となるテフラの分析は完了しており,現在論文投稿の準備を進めている.また,掘削により大規模崩壊の新たな年代データを得た.これらについて,学会発表も実施した.以上のことから,進捗状況は(2)おおむね順調に進展している と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は新たに新潟県側の高解像度地形データを得たため,この地形判読を実施する.また,現地調査を中心に実施し,年代データを得るための試料を取得する.その後,各種分析やGISを用いた地形解析を実施し,山体重力変形の発達過程を解明する.
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