Project/Area Number |
23KJ1822
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
久保 柾子 総合研究大学院大学, 先端学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2025: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 日本語学 / 国語学 / 助動詞 / 学説 / 文法用語 |
Outline of Research at the Start |
本研究のテーマは、日本語における助動詞研究の歴史を解明することである。高校の古典文法等で学ぶ古典文法の用語は、重要な文法事項として扱われる一方で、種々の辞書で用語の名称や解説に差異があり、定義が曖昧なものも多くある。文法研究を通時的にみてみると、現在文法書等に定義されている助動詞の捉え方は従来必ずしも一様なものではなかったことがわかる。本研究では、日本語の体系的研究が始まった江戸時代から現代に至るまでの文法書や教科書類を調査し、これまでどのような学説が展開され、受容されてきたのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、江戸時代以降の国学書、文法書から、助動詞に関する記述を調査し、学説の変遷や文法用語の移り変わりを調査することを目的としている。本研究は主に次の2点を研究の軸としており、2023年度は研究の初年度にあたり、研究全体の足がかりとなる調査を行った。 ①助動詞の意味・機能を表す用語や説明に関する研究 ②江戸期・明治期の文法書のデータベース構築 ①に関して、資料調査として、富山県立図書館の山田孝雄文庫で書誌調査を行い、山田孝雄の貴重資料を閲覧して文法用語に関する記述を収集した。収集した資料やこれまで閲覧した資料から、助動詞ツ・ヌに関する記述を調査し、論文を『論究日本近代語 第三集』に投稿した。 ②に関して、文法用語のデータベース構築に向け、国立国語研究所のリサーチアシスタントとして『古今集遠鏡』コーパスの構築補助業務に携わり、データベース構築に関する知識を培った。『古今集遠鏡』コーパス構築については、じんもんこん2023でポスター発表を行い、2024年度の国際学会(DH2024)での発表も決定している。また、『古今集遠鏡』を用いた学説調査の一環として本居宣長の助動詞の訳し方の調査も行った。②に関する近接分野の研究として、古辞書データベースの構築にも携わった。古辞書どうしのデータベース上での結びつけについて、日本語学会、じんもんこん2023、DADH(台湾開催)、のInternational Conference on Han-Character Education and Research(ハワイ開催)で発表を行った。そのほか、これまでに収集した文法用語のデータ活用のため、クラスタリングによって分析を行い、データからみた文法用語の変遷について研究会で発表することが決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、【研究実績の概要】に示した通り、①助動詞の意味・機能を表す用語や説明に関する研究、②江戸期・明治期の文法書のデータベース構築という研究の中心となるふたつの軸の初期段階の研究に取り組んだ。それぞれについて論文や学会発表という形で研究成果を公表することができたほか、国際学会への参加に挑戦し、研究の基盤構築を作るという初年度の目的を達成できたと考えられるため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究内容は、【研究実績の概要】に示した、研究の初期段階への着手が主であり、隣接的な研究にあたる、具体的な助動詞に関わる記述に用いられた術語・一般語の検討や、検定教科書以外の文法書といった調査にはあまり取り組むことができなかった。データベースに関する研究についても、他分野からの知識を得る段階にあるため、自身の研究へ活かすことが必要である。 本研究は、学説の変遷や文法用語の移り変わりの研究史の全体像を明らかにすることを目的としているため、さらに広い視点での研究・検討が課題となっている。一方で、文法書の研究については、これまで出版された文法書は冊数、内容ともに多岐にわたるため、どのように調査範囲を決定するかという点から考える必要がある。また、データを用いた調査では、現在は戦後の検定教科書に限定した分析によって考察可能な調査結果を得られているため、今後分析する範囲を拡大した場合、より膨大なデータをどのように扱うか、分析方法を模索していく必要がある。データ分析によって、助動詞の記述用語の変遷や教科書の系統分類を可視化できれば、これまでにないより説得力のある研究発表ができるほか、データベース構築への取り組みの発展も期待できるため、2024年度は、データ活用の研究に特に積極的に取り組んでいきたい。
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