Project/Area Number |
23KJ1882
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石井 竣 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 数論幾何学 / 整数論 / 数論的基本群 / 一点抜き楕円曲線 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、代数多様体の基本群へのGalois群の外作用を用いて整数論にアプローチするものである。代数多様体とは多項式の零点集合として定義される図形であり、基本群はその図形の複雑さを測る対象である。代数多様体が代数体上に定義される場合には代数体のGalois群が基本群に外作用しており、この作用から代数体の整数論的情報が得られることが期待される。 本研究では、虚二次体上の虚数乗法を持つ楕円曲線から原点を抜いて得られる双曲的代数曲線から得られる副p外Galois作用を用いて虚二次体の数論的性質を研究する。また虚二次体の一般化であるCM体、また総実体など、より広い代数体についても同様の研究を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に申請書の研究目的と研究計画に述べた通り、虚数乗法を持つ一点抜き楕円曲線に付随する副p外Galois表現を考察し、代表者が過去に得ていたSoule指標の一点抜き楕円曲線に対する類似物の非消滅性や副p外Galois表現の核に対応する体の数論的な特徴づけなど、複数の先行研究の結果を改良することに成功した。これらの結果に関しては対応して二つのプレプリントを発表しており、現在雑誌投稿中である。 他にも、具体的な研究成果として、虚数乗法を持つ一点抜き楕円曲線に付随する副p外Galois表現の核に対応する体の数論的な特徴づけについて、三次円分体かつp=3の場合には何の仮定も課さず完全な特徴づけを得ることに成功した。これは非常に限定的な状況における結果ではあるものの、先行研究で課していたような(現時点では完全に取り除くことは困難と思われる)仮定を一切課していないという点で新しい。 上記の二論文を作成した時点では、素数pが考察している虚二次体上でsplitするという仮定を外せていなかった。しかしながら、さらにその証明手法を精査することによってpがinertする場合に対しても先行研究を拡張できることを示唆する知見が積み重なっているため、研究計画(A)に述べた通り、次年度に関連する研究を引き続き行い、論文執筆に努める予定である。また、研究計画(B)に関連して、(多重)楕円ポリログやその等分点における特殊値を研究する準備も進めており、次年度に並行して研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
pがsplitする場合の先行研究の更なる改良など当初の計画予定には無い結果を得ることができた一方で、その改良に予定より多くの時間を割いたことで、当初の計画で予定していたpがinertする場合に対する研究を予定通りに実行することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
上に述べた通り、基本的には研究計画(A)に述べたpがinertする場合に先行研究を拡張するという方針で研究を進める予定である。また研究計画(B)への移行を円滑に進めるために情報収集を行なっていた楕円ポリログに関しても、受け入れ研究者と連携することで並行して研究を推進したいと考えている。
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