Project/Area Number |
23KJ2067
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
平嶋 孝志 京都産業大学, 生命科学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | オルガネラコンタクトサイト / ミトコンドリア / 小胞体 |
Outline of Research at the Start |
出芽酵母において、小胞体-ミトコンドリア間の脂質の輸送は、これらのオルガネラ膜間のコンタクト部位をつくるER-Mitochondria Encounter Site (ERMES) 複合体によって媒介されている。本研究は、ERMES複合体の最小機能要素の同定、およびERMES複合体の膜脂質輸送能力と表現型との関連の解析により、小胞体-ミトコンドリア間コンタクト部位を介した膜脂質輸送の分子機構と生理的重要性の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
出芽酵母において小胞体とミトコンドリアのコンタクト部位を形成するERMES複合体の機能について、上記の両方のオルガネラ膜に挿入されオルガネラ間コンタクト部位を人工的に作り出すタンパク質コンストラクトを利用した解析を行った。 人工テザリングタンパク質にERMES複合体のサブユニットであるMmm1を導入すると、ERMES複合体の代わりとして機能することをすでに明らかにしている。このようなMmm1の性質は、テザリングタンパク質の膜貫通領域を改変して小胞体とミトコンドリアに対する配向(N末端とC末端が挿入されるオルガネラ)を反転させても変化しなかった。また、この機能にはMmm1のSMPドメインが必要であり、同じERMES複合体のサブユニットであるMdm12やMdm34のSMPドメインに置き換えると機能しなかった。このことから、Mmm1のSMPドメインがERMES複合体の機能を担う最小の単位であることが示唆された。 ERMES複合体の欠損変異体は多様な表現型を示すが、Mmm1を含む人工テザリングタンパク質は、発酵条件および呼吸条件における生育阻害、ミトコンドリアの形態異常、ミトコンドリアDNAの喪失といった表現型を回復させた。Mmm1を含む人工テザリングタンパク質の局在を蛍光顕微鏡で観察すると、高頻度でミトコンドリアDNA(核様体)の近傍に局在していたことから、小胞体膜タンパク質であるMmm1とミトコンドリアDNAの間に物理的な相互作用が存在すると考えられた。このような相互作用はミトコンドリア外膜および内膜において媒介するタンパク質を必要とするため、ERMES複合体の機能に関係する未知の因子がミトコンドリアに存在する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
部分欠失変異体やドメイン置換変異体などの解析により、ERMES複合体の最小機能要素がMmm1のSMPドメインであることを明らかにした。また、ERMES複合体の欠損が引き起こすミトコンドリアの形態異常やミトコンドリアDNAの不安定化といった表現型がMmm1を含む人工テザリングタンパク質によって回復したことから、ERMES複合体の機能の大部分がMmm1のみに依存していることが示された。このように、ERMES複合体のコア機能を担う分子実体とその機能の範囲の解明が進んでいることから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ERMES複合体が細胞内で担っている役割と膜脂質輸送活性との関連を明らかにするため、ERMES複合体をMmm1を含む人工テザリングタンパク質で置き換えた酵母株を用いて、小胞体-ミトコンドリア間の脂質輸送速度と膜脂質組成を生化学的に解析する。また、Mmm1の脂質輸送活性を大きく低下させる点変異を利用し、脂質輸送活性と表現型の対応を調べることで、膜脂質輸送という活性がERMES複合体の機能にどの程度寄与しているかを明らかにする。また、小胞体膜タンパク質であるMmm1とミトコンドリアDNAの結合を媒介する未知の因子がミトコンドリアの内外膜に存在することが示唆されたため、そのような因子の探索も行う予定である。
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