Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
【被験者】健康的な中高齢者20名(男性20名、平均年齢 68±3歳)【プロトコール】①体力測定(2012年9月21日)②高所登山(2012年9月27日、乗鞍剣ヶ峰2350m~3025m);③低所登山(2012年11月14日、高ボッチ高原900m~1580m、悪天候のため山頂1630m断念)。【測定項目】①体力測定;身体形態(身長、体重、体脂肪)、体組成計測、最高酸素摂取量、等尺性膝伸展/屈曲筋力 ②高所登山;登山前体重、登山中運動量、登山中心拍数、登山中尿量、登山後体重、登山後飲水量、終了時自覚的疲労度(VAS) ③低所登山;②と同様。【測定結果】②高所登山;快晴、平均気温18度、平均湿度30%、行動時間289±5分、休憩時間65±4分、総運動量801±26kcal、発汗量2337±147g、飲水量1074±94g、尿量225±33g、終了時疲労度4.1±0.4㎝であった(平均値±SE)。③低所登山;曇り時々雪、平均気温4度、平均湿度70%、行動時間225±2分、休憩時間30±3分、総運動量696±13kcal、発汗量1702±155g、飲水量465±59g、尿量333±60g、終了時疲労度3.1±0.4㎝であった(平均値±SE)。【考察】低所登山当日が悪天候(雪)であり安全を確保するため、昼食をとった避難小屋(1580m)から山頂(1630m)までの往復45分の行程を断念した。そのため、低所登山では行動時間、総運動量、終了時疲労度が高所登山より小さくなった。また、低所登山では高所登山と比較して発汗量に対する飲水量の割合が低く、一方で尿量は多くなった。これは、気温が低かったことから、皮膚血管が収縮し、中心静脈圧が上昇したことにより、尿量が上昇したと考えられる。