Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
研究代表者は以前、肥大型心筋症(HCM)患者においてANKRD1遺伝子内に3種の変異を同定したが、これらの変異が心筋収縮に与える影響は不明であった。そこでCARP変異を単離心筋に導入後、三次元再構築による筋収縮ユニット(EHTs)を形成し、その筋収縮力測定などを行うことで心筋収縮・弛緩パラメーターへの病因変異の影響を検討した。その結果、3種の変異のうちT123M変異のみが心筋の収縮力を亢進することが判明した。次いで、EHTs内における各変異タンパクの分布を検討したところ、P52A変異やI280V変異存在下ではANKRD1タンパクがサルコメアにほとんど取り込まれていない一方、EHTsにプロテアゾーム阻害剤処理を施した場合には、P52A変異やI280V変異の存在下でもANKRD1タンパクはサルコメアに取り込まれており、またI280V変異特異的に心筋弛緩時間が延長することが明らかとなった。これらの結果は、ANKRD1変異による心筋収縮パラメーターへの影響が変異ごとに異なっていることを示している。一方、これまでに代表者が拡張型心筋症(DCM)モデルとして作製し、その表現型に性差が存在するラミンA/C点変異(LmnaH222P/H222P)マウスにおける先行研究の結果から、雄性ホルモン(アンドロゲン)が心不全病態の発症・進展に深く関与していることが示唆されていた。さらに本研究ではラミンA/C変異(R225X)保有DCM患者およびLmnaH222P/H222Pマウス心臓内ではアンドロゲン受容体(AR)の細胞核内移行が亢進しており、この核内へのARの蓄積は心筋特異的に発現するFHL2を仲立ちとして、転写因子SRFの核内移行を随伴していることが明らかとなった。このことは心筋細胞におけるARの発現性がDCMの性差と密接に関連することを示している。
All 2013 2012
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