大学発学習ポートフォリオシステムのパッケージ化と他大学への提供
Project/Area Number |
24910030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育工学
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
遠山 紗矢香 静岡大学, 技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2012: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | ポートフォリオ / 学習履歴 / 協調的な振り返り |
Research Abstract |
本研究の目的は、本学情報学部にて構築した学習ポートフォリオシステム「Joy-Port」運用から明らかになった有効性を、他大学に向けて提供することである。キャリアデザインの多様化が進む昨今、学生個人が自らの強みを見出すために、大学内外での学びを振り返り可能な形で記録する学習ポートフォリオの作成が重要視されている。しかし、学習ポートフォリオシステムの機能や運用方法は導入機関の事情に大きく影響を受けるため知見の一般化が困難である。そこで本研究では、Joy-Portの知見を他大学に提供する目的の下、本システムにおける目標設定(Todo)機能とその運用方法について、人の学習理論に基づいた一般化を試みた。 大学生の、学習履歴の蓄積や進捗状況の管理に対する負担感を把握するため、14名に対してアンケート調査を行い、さらに詳細を尋ねるため半構造化インタビューを異なる3名に対して行った。その結果、達成可能な肌理のTodoを単独で作成できると考える学生と、Todoに書くべきことがわからないので友人と話し合ったり手本を参考にしたりしたいと考える学生の2パターンに分かれることがわかった。前者のタイプの別の学生2名に対して、学習履歴の蓄積方法を尋ねる半構造化インタビューをした結果、2名は自らのパソコンをポートフォリオとして活用していたことがわかった。つまり、2タイプの学生いずれにもJoy-Portが価値を持つには、個人の学習状況の管理だけでなく、他者の学習状況を参考に自らを振り返る機能の実現が有効である可能性が示唆された。 また、Joy-Portの利用ログを分析した結果、ユーザのアクセスが集中するのは、キャリア形成に関する授業等でJoy-Portの利用が喚起された時であり、恒常的かつ自主的にJoy-Portを利用することは、学生の学年に依らず困難であることが示唆された。 以上をまとめると、理想的な学習ポートフォリオシステムは、個人が目標設定し学習履歴を蓄積する機能だけでなく、学生が協調的に個人の過程を参照して議論し合うための機能の実現と、目標設定や振り返りを定期的に促すための授業やイベント等を企画することが重要だと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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