Project/Area Number |
24917019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅰ(機械系)
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Research Institution | 三重県警察本部刑事部科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
戸田 均 三重県警察本部刑事部科学捜査研究所, 技官
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ボルト・ナット締結体 / ナット座面角 / 偏心軸方向引っ張り |
Research Abstract |
【目的】ボルト・ナット締結体の事故防止のため、締結体のナット座面角度(座面の接触面と軸直角方向の成す角度)が締結体にどのような影響を及ぼすかを調査した。 【実験方法】ナット座面の角度が異なる複数のナットを作製し、それらのナットを用いて二つの部品を締結する。それらのボルト・ナット締結体について、締結時の軸力変化及び軸方向の偏心引張応力負荷時におけるボルト・ナット締結体の各部位のひずみを計測し、得られたデータを解析した。 【結果】ナット座面の角度が大きい締結体ほど同じトルクで締結した場合の軸力が小さい傾向がみられた。ただし、締結体ごとのばらつきが大きいことから、ナット座面角度の影響よりも、座面の摩擦係数がより強く影響すると考えられる。つまり、実際のボルト・ナット締結時には、座面状態(面の粗さ、付着物等)により注意する必要があると考えられる。 ボルト・ナット締結体に軸方向の偏心引張応力を負荷した場合、ナット形状によらずボルトの負荷側表面には引張応力が発生する。一方、負荷と逆側の表面については、ナット座面に角度がついている場合には負荷の初期において圧縮応力が発生する。発生する圧縮応力はナット座面の角度が大きいほど強くなる傾向がみられた。 本研究において、ナット座面の角度の有無(平面座のナットとテーパー座のナットの違い)によって、ボルト・ナット締結体の応力状態等が変化することが示唆された。しかし、ナットの形状の違いよりも座面の状態の影響が強いと考えられ、実際の構造物での締結時には、被締結体とナットが接触する箇所について十分に注意しなくてはならない。
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