Project/Area Number |
24927008
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅱ
|
Research Institution | 静岡県立病院機構静岡県立こども病院 |
Principal Investigator |
平井 啓太 静岡県立病院機構静岡県立こども病院, 薬剤室, 薬剤師
|
Project Period (FY) |
2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 肺高血圧症 / 小児 / PK/PD |
Research Abstract |
【目的】経口肺高血圧症治療薬は1999年にプロスタグランジン製剤が初めて承認されて以降、2005年にはエンドセリン受容体拮抗薬、2008年にはPDE-5阻害薬が承認され、これら治療薬に関するエビデンスの集積が急務とされている。小児において肺高血圧症治療薬は、主に先天性心疾患に伴い発症する肺動脈性肺高血圧症を有する患児に対して投与されている。しかし、小児における有効性および安全性に関する情報は少なく、特に小児においては発達・成長を伴う複雑な背景により体内動態の個人差は大きくなると考えられる。そこで、適切な投与量設定を行うためにPharmacokinetics(PK)とPharmacodynamics(PD)を個別に解析し、薬効および副作用との関係を総合的に評価することは有用であると考えた。本研究は小児の肺高血圧症治療薬服用患者を対象とし、薬物体内動態と薬効および副作用からPK/PD解析を行い、投与量との関係を評価することを目的とした。 【方法】静岡県立こども病院にてbosentan、ambrisentan、sildenafilおよびtadalafi1が処方されている15歳以下の日本人患者のうち、文書による同意が得られた患者を対象とした。血漿中濃度の測定にはLC/MS/MS(API3000)を使用し、分析カラムとしてCadenza CD-C18 74x2mm,3μm(Imtakt)を使用した。移動相はacetonitrile:5 mM ammonium acetate(pH5.0)45:55を選択し、流速0.2mL/min、カラム温度40℃の条件下で分離を行った。血漿50μLからの薬物の抽出は、固相抽出カートリッジOASIS WAX(Waters)を用いて行った。また、内標準物質には各薬物の重水素ラベル体を用いた。 【結果'・考察】LC/MS/MSにより検出したambrisentan、tadalafil、sildenafilおよびbosentanの保持時間はそれぞれ2.1、2.8、3.5および4.5分であった。全薬物の血漿中濃度の定量限界は2ng/mLであり、検量線はそれぞれ2-1000ng/mLの範囲で良好な直線性を示し、各濃度におけるCV値は15%以内であった。本迅速微量測定法では、4種薬物の5分以内での同時測定が可能であり、また必要とする検体量も微量なため、採血等小児患者への負担を最小限に抑えることができると考えられる。今後、患者検体の血漿中濃度測定を完了し、効果との関係を評価する。
|