| Project/Area Number |
24H00036
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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| Allocation Type | Single-year Grants |
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Broad Section C
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| Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
酒井 道 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (30362445)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 朝之 成蹊大学, 理工学部, 教授 (20323818)
伊藤 剛仁 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70452472)
田中 学 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10707152)
神原 淳 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (80359661)
平山 智士 滋賀県立大学, 工学部, 講師 (70759274)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2025)
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| Budget Amount *help |
¥204,230,000 (Direct Cost: ¥157,100,000、Indirect Cost: ¥47,130,000)
Fiscal Year 2025: ¥48,750,000 (Direct Cost: ¥37,500,000、Indirect Cost: ¥11,250,000)
Fiscal Year 2024: ¥53,950,000 (Direct Cost: ¥41,500,000、Indirect Cost: ¥12,450,000)
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| Keywords | 産業用プラズマ / 熱力学 / 情報学 / エントロピー / スケールフリー性 |
| Outline of Research at the Start |
プラズマ中では、そのパラメータは多次元空間をなし、様々な分布が観測される。本研究では、産業用プラズマにおいて、熱エネルギー・物理空間・粒子種を軸とする空間を取り上げ、これら3つの分布を実験的・解析的に調べる。そして、微粒子合成等の機能的出力に対し、そこに至るまでに介在する種々の分布特性の役割を明らかにする。ここで、分布の広がりにより生じる曖昧さや不可逆性・自発進行性の評価量として、熱力学的/情報学的エントロピーを導入して評価し、同時に粒子種分布に対しては頑強性の指標となるスケールフリー性を調べる。最終的に、プラズマプロセスの優位性を証明しうる多様な分布の広がりの解析法に関する学術を確立する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
プラズマ中では、そのパラメータは多次元空間をなし、様々な分布が観測される。本研究では、産業用プラズマにおいて、熱エネルギー・物理空間・粒子種を軸とする空間を取り上げ、これら3つの分布を実験的・解析的に調べる。そして、微粒子合成等の機能的出力に対し、そこに至るまでに介在する種々の分布特性の役割を明らかにする。ここで、分布の広がりにより生じる曖昧さや不可逆性・自発進行性の評価量として、熱力学的/情報学的エントロピーを導入して評価し、同時に粒子種分布に対しては頑強性の指標となるスケールフリー性を調べる。最終的に、プラズマプロセスの優位性を証明しうる多様な分布の広がりの解析法に関する学術を確立する。 本年度の具体的な研究実績は以下の通りである。まず、プラズマ中での微粒子合成過程について、気相部の観測と生成された微粒子サイズ・形状について検討を行った。圧力が高く熱平衡状態に近い系において、ガス流れの制御に応じて移流エントロピーが低下していることが推定され、その時に生成される粒子のサイズ分布が極めて狭く低エントロピー化していることがわかった。低温の大気圧プラズマを用いた場合でも同様に狭スペクトルの粒子サイズ分布が得られている。さらに、熱平衡プラズマについては、観測されるプラズマ発光形状の高速変化について、シャノンエントロピーでの評価を試みている。プラズマ形状のエントロピー評価については、迷路型プラズマ生成系における熱力学エントロピーの変化と情報学的エントロピーの減少分が一致することが明らかとなった。次に、粒子種分布については、分布の時間的な広がり具合をシャノンエントロピーで評価することに成功し、シラン等の分子性プラズマにおいてはエントロピーが常に増大する傾向を観測している。熱平衡プラズマの3次元数値計算においては、熱力学的な諸量を網羅的に獲得可能な計算が計算機内で再構成できた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度について研究実施計画に掲げた項目はすべて達成しており、さらに新規の成果を得ることができた。計画していた内容として、微粒子合成過程における気相のエントロピー診断と生成微粒子の特性の関連性の検出に目途がついたこと、熱力学的エントロピーと情報学的エントロピーの相互の関連性が明らかになったこと、情報学的なエントロピー評価に加えて熱力学的エントロピーの実験的測定ならびに理論的推定の準備が整ったこと、このような内容から、計画通りの順調な研究の進展がなされた。 特に、分子性プラズマ中の粒子種分布の解析において、これまでに定性的に作成してきたプラズマ中の反応ネットワークを定量化し、粒子ごとの詳細な密度情報と反応経路の頻度による重み付けに成功した(学術論文発表済)。これにより、これまでに明らかになっていたネットワークのスケールフリー性に加えて、粒子種分布や反応経路をシャノンエントロピーと条件付エントロピーで評価し、結果として粒子密度スペクトルに対数正規分布を見出した。また機械学習モデルとの比較も行い、両者は良い一致をみた。これらは、ネットワークモデルと情報理論によるエントロピー評価(あいまいさの定量化)に成功したことを意味する。 また、計画していなかった成果も多く確認され、研究の波及効果が拡大している。例えば、化学反応に関するネットワークモデルと同様の手法を、果実(梨)の熟度判別に使用することに成功した。ここでは、色情報の分布はスケールフリー性とはならず、より複雑な頻度スペクトルが次数分布として現れ、それを機械学習の重み付けに活用することを着想して実装している。すなわち、当初の計画にとどまらず、新たな視点・応用先を見出す等、計画を超える成果を得た。 このように、本研究を核として、予想以上に多くの波及効果を伴って、研究成果の展開を図ることに成功している。
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| Strategy for Future Research Activity |
2024年度、計画通りに研究が進捗したのに続き、2025年度も計画通りに研究を遂行する。 より具体的には、2024年度に浮かび上がってきたプラズマプロセスの描像、すなわち、産業応用プラズマは低エントロピー状態でのエネルギー投入が可能であることと、熱化するエントロピー部が中性粒子に排出可能であるため、低エントロピー性と高い機能性を維持可能であること、という説明について、より多くの対象について適用可能性を見極めていきたい。そして、同様あるいは別の機構の発現の可能性も視野に入れ、計画通りに検討を進める。 このような内容について、タイムリーに成果報告を行うため、専用のホームページを新設した。学術論文発表および学会発表を積極的に行うとともに、成果の発信と社会還元に引き続き努めていく。
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