| Project/Area Number |
24H00244
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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| Allocation Type | Single-year Grants |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Medium-sized Section 16:Astronomy and related fields
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| Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 忠幸 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (50183851)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 重貴 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (00451625)
Melia Thomas 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 准教授 (30814909)
中澤 知洋 名古屋大学, 素粒子宇宙起源研究所, 准教授 (50342621)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2025)
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| Budget Amount *help |
¥47,710,000 (Direct Cost: ¥36,700,000、Indirect Cost: ¥11,010,000)
Fiscal Year 2025: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
Fiscal Year 2024: ¥12,090,000 (Direct Cost: ¥9,300,000、Indirect Cost: ¥2,790,000)
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| Keywords | ガンマ線天文学 / MeVガンマ線 / コンプトン望遠鏡 / COSI |
| Outline of Research at the Start |
2027年打ち上げ予定のMeV全天観測衛星COSIはGe半導体を用いたコンプトン望遠鏡を主検出器とし、これまでより1桁良い検出感度を持つ。特に、高いエネルギー分解能を生かしたガンマ線輝線の観測能力が高く、MeV宇宙物理学を革新する事が期待されている。バックグランドの正確なモデル化が高感度の観測、特に暗黒物質探査のような天体現象以外の信号を探る上で極めて重要である。本研究ではバックグランドのモニターと突発天体観測を目的とした装置の実現をはかる。並行して、MeVスケールの質量を持つ暗黒物質の間接探査を行うための理論的戦略をたてる。打ち上げ後は、バックグランドのモデル化と天体解析を行う。
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| Outline of Annual Research Achievements |
COSI衛星によるMeVガンマ線の高感度観測を実現するために不可欠なバックグラウンドおよび突発天体観測装置(BTO: Background Transient Observer)の開発を進めた。限られたリソースのもとで、30 keVから2 MeVにわたる広帯域バックグラウンドのモニタリング機能と、トランジェント天体の検出機能を両立させたBTOの設計および性能評価を行った。衛星搭載を想定した地上試験モデルを製作し、アナログ回路およびデジタル回路の試作を行った。 アナログ回路には、新たに追加したSiPM(Silicon Photomultiplier)からの直接信号を取り込み、宇宙線中の重イオン通過の際の生ずる大信号を検出する機構を実装した。デジタル回路には高速マイクロコントローラを搭載し、FPGAを用いず、C言語によるプログラム制御により、リアルタイムでのデータ取得および転送を実現した。さらに、カリフォルニア大学バークレー校のSpace Sciences Laboratory(SSL)を訪問し、BTO開発に関する共同研究を実施した。
理論研究としては、さまざまなMeV暗黒物質の放射モデルの構築と具体的なスペクトル計算を進めた。暗黒物質の質量により予測されるラインガンマ線のエネルギーが異なることから、宇宙線と衛星構体との反応(アクティベーション)により生成されるガンマ線との識別や、天体起源放射との分離に向けた解析手法について、COSIチームが開発中のシミュレーションコードおよびCOSIPyなどの解析ツールを用いて検討を行った。また、COSIのデータチャレンジに対して暗黒物質のモデルを提供し、検出感度の評価を行った。
あわせて、将来のMeVガンマ線天文学の展開に向け、CdTeを用いたイメージング素子の開発や、FOXSI-4ロケット実験などの実験的・観測的研究も並行して推進した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2027年8月NASAにより打ち上げ予定のMeVガンマ線天文衛星COSI搭載BTO検出器の信号処理回路の開発、性能評価を進めた。30 keVから2 MeVのガンマ線に対応する広いバンドパスと10%のエネルギー分解能の両立にむけ、回路の具体的な設計と試作を日本側が主導する形で行った。HIMACのビームタイムを得ることができ、重イオンの入射による応答を詳細に評価し、これらの高エネルギー粒子が引き起こす大信号の影響を調査することができた。そして、NaI(Tl)シンチレーターに高エネルギーイオンが入射して発生するアフターパルス応答と、大信号に対する禁止信号生成や不感時間計測を行うための回路設計や最適化に反映させることができた。これらを受けて1月に行われたCDRで問題を指摘されることなくプロジェクトの遂行に大きく貢献した。COSIによるダークマター探査の戦略を日本が主導して進め。それがCOSIのData Challengeのひとつとして具体的にとりこまれた。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでに設計したBTO(Background Transient Observer)のアナログ回路およびデジタル処理回路については、衛星搭載用としての製造作業を支援する。改良点を反映した搭載用回路と同等の機能を備えた試作機を製作し、センサーの性能評価を行うとともに、トランジェント天体の検出に向けたソフトウェアの開発を進める。 理論研究においては、多様なMeV暗黒物質の放射モデルの検討と具体的なスペクトル計算を行う。対象とするMeV暗黒物質の多くはライン状ガンマ線を特徴とし、銀河中心や銀河面から明るく放射されている511 keV輝線も、暗黒物質の崩壊による可能性が指摘されている。暗黒物質の質量によって予測されるガンマ線のエネルギーが異なるため、宇宙線と衛星構体との反応(アクティベーション)で生成されるライン状ガンマ線との識別や、天体起源の放射との分離を目的とした解析手法について、COSIチームが開発を進めているシミュレーションコードやCOSIPyなどの解析ソフトを用いた研究を進める。また、COSIのデータチャレンジに対して暗黒物質のモデルを提供し、検出感度の評価を行う。 回路やソフトウェアの検討・試験に加え、暗黒物質探査に向けた議論や連携強化を目的として、カリフォルニア大学バークレー校のSpace Sciences Laboratory(SSL)を訪問する予定である。 さらに、将来のMeVガンマ線天文学の発展に向けた実験的・観測的研究も並行して推進する。海外の研究拠点を訪問し、また国際会議に参加して、MeVガンマ線天文学、暗黒物質モデル、新しい検出器の開発に関する議論を行う。
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