| Project/Area Number |
24K00192
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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| Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
初見 かおり 西南学院大学, 外国語学部, 准教授 (20781066)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 沙絵 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80751205)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2028: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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| Keywords | 映像民族誌 / 国際研究者交流 / 多国籍 / 文化人類学 / 開発援助 / 南アジア / 創造的民族誌 / 憎悪と復讐 / 愛と甦り / スリランカ / 日本の開発-熱狂(craze) |
| Outline of Research at the Start |
スリランカで国家暴力を経験した現地の映画監督2名(ラトナム、パラムクムブラ)と協働し、映像民族誌『The Red Spirit(赤の霊)』を制作する。1986年から2008年まで、日本は二国間ではスリランカへの最大の援助国であった(内戦終結は2009年)。日本による国営テレビ局の寄付、電網とダム建設、灌漑と開拓村への農業技術援助と同時期に、南部では軍と警察による共産主義運動の弾圧、北東部では内戦が起き、性的虐待、拉致拷問、虐殺と大量遺体遺棄が島中に広がった。憎しみ(krodhaya)と復讐、愛と甦りをテーマに、開発協力が生み出した大地と肉体と精神(心)に刻まれた傷にカメラを向ける。
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| Outline of Annual Research Achievements |
現地の映画監督と協働し、開発と援助の痕跡を《憎悪(krodhaya)と復讐、愛と甦り》をテーマに日本の開発援助の残渣についての映像民族誌を制作する本課題は、国際研究者交流において大きく進展した。また二十代から六十代までの多様なメンバーが協働する点(研究協力者としてマノーランジャン・セッライヤーが参画)において、より多くの歴史的視点を取り込むことが可能となった。主要な研究実績としては、『文化人類学』の特集「特集 とらわれて書くーーエスノグラファーの悼み/傷みと喪をめぐる民族誌に向けて」(R6 年 89 巻 3 号、代表・中村沙絵)がある。本研究課題の日本側のメンバー4名全員が研究成果を特集の中で発表することができた。研究課題の打合せを日本で2回とスリランカで1回行った。8月のスリランカでの撮影場所の下見は現地のシンハラ人とタミル人の映画監督2名と日本側の4名の全員が参加し、内戦の傷跡が剥き出しのままの北東部を訪れた。《研究者がフィールドで対話者に自身を開き、熟考や感情を共有することを通して「あちら側」の他者と「こちら側」の私たちという前提を崩し未来に向かう日本の人類学の社会への応答の一例を示すこと》を目的に、日本南アジア学会全国大会でパネル発表を行った。 【今後の展開】本研究課題の撮影場所と撮影対象者の決定は、時間をかけて信頼関係を築いた上で行なう必要があるためR7年度も関係の構築に力をいれる。R7年10月にはヨハネスブルク(南アフリカ)の国際学会でパネル発表を行い、国際ネットワークの構築を図る。R7年12月には、東京大学で開催予定のTINDOWS(環インド洋地域研究プロジェクト)の研究会において、中央アフリカ、東南アジアの事例に加え、「スリランカ灌漑プロジェクトの残渣(アフターライフ)」と題し、スリランカにおける日本の政府開発援助の残溜の研究発表を行う。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究課題の打合せを日本で2回(R6年6月とR7年3月)とスリランカで1回(R6年8月)の合計3回行った。とりわけ8月のスリランカでの撮影場所の下見は現地のシンハラ人とタミル人の映画監督2名と日本側の4名の全員で行うことができた。内戦の傷跡が剥き出しのままの北東部ムラティヴ海岸を訪れることができた。 9月の日本南アジア学会第37回全国大会では、《研究者がフィールドで対話者に自身を開き、熟考や感情を共有することを通して「あちら側」の他者と「こちら側」の私たちという前提を崩し未来に向かう日本の人類学の社会への応答の一例を示すこと》を目的に、パネルを組み発表した。カナダから研究協力者のマノーランジャン・セッライヤーが参加した。菊池真理が「「被害者」(自己への抑圧者)が「加害者」となるとき」、清水加奈子が「「傷つく/つけることの前線、浸みる身体として居ること 」と題して発表を行った(パネル「日本とスリランカ:新自由主義経済、植民地的恐怖、映像メディア、良心の沈黙、災害」)。 マノーランジャン・セッライヤーは10月にスリランカへ渡航し、ディサル・パラムクムブラ(映画監督、研究協力者)と打合せ、撮影場所の下見等を行った。また南アフリカ・ヨハネスブルクにあるホロコースト・ジェノサイド・センター(The Johannesburg Holocaust & Genocide Centre)とマカオ大学、九州大学が共催するCOILにおいてマノーランジャン・セッライヤーと研究協力者で映画監督のジュード・ラトナムが映画『楽園の悪鬼たち』(Demons in Paradise)について論じるために登壇した。 北米人類学会のSociety for Humanistic Anthropology会長のPetra Rethmann教授(カナダ)が来日(中村沙絵が招聘)した際に、本研究課題の日本側のメンバーと別様の民族史の書き方(Writing Otherwise)について討論することができたことで国際研究者交流が大きく進展した。
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| Strategy for Future Research Activity |
撮影場所と撮影対象者の決定は、時間をかけて信頼関係を築いた上で行なう必要があるためR7年度も関係構築に力をいれる。①モラガハカンダ農業開発の対象地とダムの技術者、開拓村の村人たちと関係を構築する。②現地の映画監督パラムクムブラは、自身の家族と友人、村の学校関係者へのインタビューを行う。③大量遺体遺棄地Sooriyakandaと、虐殺され埋められた生徒たちの学校のあるEmbilipitiyaで虐殺の当事者と関係を構築する。④帝国日本の植民地政策と人類学の歴史について文献調査を進める。 8月にスリランカに渡航し現地の監督2名と撮影場所の下見を行う。R7年9月の日本南アジア学会でパネルを組み菊池真理とセッライヤーと研究発表を行う(パネル「スリランカにおける和解と悼みの応答民族誌」)。10月にヨハネスブルク(南アフリカ)で開催される国際学会 17th Biennial Meeting of the International Association of Genocide Scholarsに菊池真理とセッライヤーが本研究課題について研究発表を行う(パネル「Patterns of healing, memory- or knowledge-holding, and recuperation in Sri Lanka, Japan, and the Indigenous or First Nations people in the Americas」)。R7年12月には東京大学で開催予定のTINDOWS「環インド洋世界における「開発の世紀」」において、タンザニヤや中央アフリカ、東南アジアの事例に加え、「スリランカ灌漑プロジェクトの残渣(アフターライフ)」と題して研究分担者・中村沙絵を中心にスリランカにおける日本の政府開発援助(ODA)の「残渣」(afterlife)の事例を紹介する。
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