| Project/Area Number |
24K00471
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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| Research Institution | Miyazaki International College |
Principal Investigator |
中山 迅 宮崎国際大学, 国際教養学部, 教授 (90237470)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 憲治 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (10549372)
山本 智一 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70584572)
中村 大輝 宮崎大学, 教育学部, 講師 (90839094)
坂倉 真衣 宮崎国際大学, 教育学部, 教授 (70758606)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2027: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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| Keywords | 科学コミュニケーション / 一般市民 / 理科授業 / 授業実践モデル / SDGs |
| Outline of Research at the Start |
日本の日本人が,理数系科目の内容が幅広い職業や,SDGsにかかわる日常生活や社会の維持・発展に直結することを,十分に認識していないことが明らかになっている。SDGsに配慮した教育実践は始まったばかりで,多くの教師が参照可能な実践モデルが存在せず,学校と社会を結ぶ取り組みも十分ではない。本研究では,PISA公開データの分析などによって,日本の環境・エネルギー問題などに関して児童生徒のおかれている課題を明らかにし,小中学校や高等学校で実施可能なSDGs文脈の授業実践モデルを構築するとともに,それをテーマとしたサイエンスカフェを通して,一般市民との共有を実現する科学教育実践モデルを開発する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
PISA2025のフレームワークを分析し,SDGsの文脈との関係性を整理したところ,現代社会の複雑な課題,特に地球規模の課題に科学的思考と知識を活用して主体的に関与できる市民を育成するという,より実践的で社会的な方向性が求められていることが見出された。また,2024年度から新版となった小学校理科の教科書で用いられている「問い」の書き起こしと分析を行ったところ,エネルギー領域・生命領域で相対的に問いの数が多いことなどが明らかになった。 次に,公立小学校において環境・防災の視点による2つの授業開発・評価を行った。マイクロプラスチックによる生物濃縮を学習するための2つのシミュレータの開発では,食物連鎖の基本的なメカニズムを学習済みの小学校第6学年児童を対象に導入した。アンケート分析から,シミュレーターは児童にとって使いやすく,生物濃縮とその影響についての理解を促進したことが明らかになった。次に,オーセンティック・ラーニングの理論をもとに,学習者が学んだことと地域の防災と関連させる実践として,小学校第5学年「流れる水の働き」において天井川を題材にした単元を提案した。 さらに,児童と保護者を対象としたサイエンスカフェの教育実践モデルを2件開発・実施して評価した。社会的課題「海ごみ」をテーマとした「見て・触れて海のごみ問題について考えよう」のアンケートでは,「環境問題は身近な問題だと思うか」「日常生活の中で『環境にやさしい行動』をしたいか」などの質問項目で平均値が上昇した。「水の循環」をテーマとした「飲んだ水はどこへ行く?〜水のたびについて考えよう!〜」では,参加者のワークシート分析で,教科書等で学習する一般的な知識からプログラムで得た実感に基づく回答が増加し,科学を学ぶことへの興味を高め,理科授業と日常生活とのつながりを感じさせる上での有効性が示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた理科の教科書分析については,現行版の小学校理科についてSDG関連の「問い」の分析を行い,その傾向と課題を明らかにしている。これと平行して,小学校理科におけるSDGs関連の二つの単元開発に取り組み,マイクロプラスチック(MP)による生物濃縮を学習するための2つのシミュレータの開発と,小学校第5学年「流れる水の働き」において天井川を題材にした単元の開発を行い,学習者を対象とした質問紙調査やワークシート分析に基づく評価を実施している。 社会と学校を結ぶ実践としてのサイエンスカフェの取り組みも開始し,社会的課題「海ごみ」をテーマとした「見て・触れて海のごみ問題について考えよう」という教育実践と,「水の循環」をテーマとした「飲んだ水はどこへ行く?水のたびについて考えよう!」という教育実践を,小学生と保護者を対象に実施し,質問紙調査を中心とした評価を行っている。 小学校の教科書分析,授業単元開発,学校と社会を結ぶサイエンスコミュニケーション活動としてのサイエンスカフェの取り組みを進め,それらの成果について発表しつつ開発・実践・評価を進める計画である。 海外のSDGs関連の教育課程調査と国内の授業分析については,海外SDGsカリキュラム調査の実施前に,諸外国の科学カリキュラムの整理を行った。そのうえで,PISA2025の枠組みの科学アイデンティティにおける環境への意識,関心,エージェンシーについて検討を進めた。これらは理論的な取り組みであり,令和7年度は,これらの検討結果を基に,SDGsの視点からの授業分析や問いの在り方に関する具体的な検討を,研究協力者と授業実践を行う計画としている。 以上により,全体としては「概ね順調に進展している」と判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
PISA2025の公開データに基づき「理科が将来役立つと考えている程度」や「環境問題の知識」に影響を与えている授業要因などを分析する。また,前年度に実施した小学校理科教科書における「問い」の分析結果を学会等で発表し,2025年度から新版となる中学校理科教科書に書かれている「問い」の分析を開始する。 関連して,前年度に行った諸外国の科学カリキュラムの整理結果に基づいて,STEAM教育と結びついたSDGs文脈のカリキュラムや授業開発の盛んな米国と英国のカリキュラムと評価についての調査を実施する。そして,SDGsの視点からの授業分析や問いの在り方に関する具体的な検討を国内の研究協力者と授業実践を行い,収録した授業ビデオについての分析を実施する。 教科書分析やビデオ分析の結果を踏まえ,環境・防災の視点での小学校理科の単元開発を継続する。具体的には,例えば,マイクロプラスチックによる生物濃縮や,オーセンティック・ラーニングの理論をもとに学習者が学んだことと地域の防災と関連させる実践という観点で,小学校第5学年「流れる水の働き」において天井川を題材にした単元の開発を進め,実践と評価を行う。 学校と社会を結ぶ取り組みとしてのサイエンスカフェについては,前年度の実施・検証結果を学会で発表して成果と課題を明確にする。そして,明確になった成果・課題を踏まえて SDGsに配慮した教育実践モデルとして論文作成にとりかかる。さらに,サイエンスカフェを実施した初等教育教員養成課程に在籍する大学生へのインタビュー調査も実施済みであるため,そのデータを分析し,小学校教員を目指す大学生がサイエンスコミュニケータとしての素養を身につけていく過程についても分析を実施する。並行して,社会的課題である「ウイルスによる感染症」を題材とした教育実践モデルを開発し,同様にMIUサイエンスカフェで実施,検証する計画である。
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