| Project/Area Number |
24K00568
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
|
| Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
紺谷 浩 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (90272533)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 高裕 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00631780)
田財 里奈 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教 (10880023)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2025: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
|
| Keywords | 電子相関 / 新規量子相 / 電流秩序 / 非相反応答 / カゴメ金属 |
| Outline of Research at the Start |
カゴメ格子金属は、幾何学的フラストレーションと電子相関との協奏効果がもたらす新規量子相の宝庫であり、なかでも無散逸電流を伴う電流秩序が世界的な注目を集めている。しかしなぜ電流状態が小さな外場により著しく変化するのか、電流秩序と他の秩序(電荷秩序や超伝導)との共存がもたらす創発現象など、未解明問題が山積みである。そこで本研究では、スピン・電荷・ボンドなど複数の秩序変数をまたぐ量子干渉機構や各種くりこみ群などの場の理論、Ginzburg-Landau自由エネルギー理論に基づく現象論、強相関効果を取り込んだ強相関非線形輸送理論など、各種金属電子論を格段と発展させて、未解明問題の総合理解を目指す。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
V系カゴメ格子金属、Ti系カゴメ格子金属、鉄系超伝導体、ニッケル酸化物超伝導体における多彩な量子相転移や超伝導発現機構について、物質横断的な研究を遂行した。その際、平均場近似を超えた電子相関の重要性に着目し、高次多体効果であるバーテックス補正を取り込んだ多電子理論を構築した。また、磁場中の非線形輸送現象の理論解析を行い、様々な非線形応答係数が計算できるようになった。 具体的には、電子相関により時間および空間反転対称性が自発的に破れるカゴメ格子金属(V系カゴメ金属、Ti系カゴメ金属)において観測される、「ループ電流秩序」を含む多彩な量子相転移の理論を構築した。さらに量子相転移が、顕著な非線形応答(非線形ホール効果および電気磁気カイラル異方性)を誘起することを明らかにした。本理論に基づき、V系カゴメ金属における非線形輸送を観測した実験報告(C. Guo et al, Nature 611, 461 (2022))を解析することで、V系カゴメ格子金属においてカイラル電流秩序が生じているという、有力な証拠を得ることができた。原理的な研究成果として、ループ電流秩序が「量子計量」に共鳴的な増大をもたらすことを発見し、その結果電気磁気カイラル異方性が数百倍増大することを見出した。 さらに、新規高温超伝導体である二層ニッケル酸化物超伝導体に対して、バーテックス補正を取り込んだ理論研究を行った。その結果、高温超伝導や量子相転移を総合的に説明する理論を構築することができた。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
V系カゴメ格子金属に対する理論研究を強力に推進し、ループ電流秩序に対する顕著な不純物効果や、電流秩序が誘起するカイラル準粒子干渉効果おおよび電気磁気カイラル異方性に対する、統一的な理論を構築した。これにより、この系の重要問題であるループ電流秩序機構に対する重要な知見を得ることに成功した。大きな成果として、カゴメ金属においては、微小な外部磁場によりループ電流秩序を反転したり、格子歪を伴うネマティック秩序を回転させることが実験的に可能であるが、その原因を理論的に解明することに成功した。また原理的な研究成果として、ループ電流秩序が「量子計量」に共鳴的な増大をもたらすことを発見した。その結果、電気磁気カイラル異方性が数百倍増大するなど、非線形輸送現象に対する「量子計量」の重要な役割を明らかにすることができた。 また、Ti系カゴメ格子金属における奇パリティボンド秩序の理論を構築することができた。 さらに、ニッケル酸化物超伝導体で普遍的に観測される、電荷秩序とスピン秩序が共存する何時所状態を説明する理論を構築し、電荷揺らぎとスピン揺らぎが協力して高い臨界温度のの超伝導を実現するという、高温超伝導の新機構を提唱することができた。
|
| Strategy for Future Research Activity |
V系カゴメ金属の超伝導状態の理論を発展させて、この系で相次いで観測された特異な超伝導状態を解明する。具体的には、時間反転対称性を破った「カイラル超伝導」や、並進対称性を破った「ペア密度超伝導」、回転対称性を破った「ネマティック超伝導」が、共存ずる形でカゴメ金属において観測されているが、その微視的理論を構築する。その際に、申請者がこれまで研究を積み重ねてきた「正常状態で実現するループ電流秩序」の重要性に着臆して、構築する。 そのうえで、SMTに基づく準粒子干渉実験で明らかにされた、カイラルドメインの反転を伴う特異な磁場応答を明らかにして、カゴメ金属の特異な超伝導状態を解明する。 加えて、カゴメ金属で最近観測された、Tc以下の非相反応答である超伝導ダイオード効果について研究する。申請者はTc以上の非相反応答における「量子計量」の重要性を明らかにしており、本研究ではその理論を拡張し、Tc以下における量子計量の本質的な役割を明らかにする。 また、二層Ni酸化物高温超伝導の研究を推進し、量子臨界現象や非フェルミ液体的輸送現象の理論を構築する。最近我々は、二層Ni酸化物のフェルミ面が有する強固な縮退に着目し、量子計量の共鳴的増大を見出した。本研究では、二層Ni酸化物高温超伝導を格好の舞台として、強相関量子幾何の物理を開拓する。
|