| Project/Area Number |
24K00692
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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| Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 徹 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (80750455)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 亮 京都大学, 理学研究科, 教授 (10324609)
伊神 洋平 京都大学, 理学研究科, 助教 (30816020)
野口 高明 京都大学, 理学研究科, 教授 (40222195)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥15,600,000 (Direct Cost: ¥12,000,000、Indirect Cost: ¥3,600,000)
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| Keywords | リュウグウ / 水質変成 / 電子顕微鏡 |
| Outline of Research at the Start |
生命材料の主要構成元素のひとつである窒素の初期太陽系における存在形態は、ほとんど未解明である。太陽系遠方由来の氷天体で観測されたアンモニウム塩は、初期太陽系窒素の主要な貯蔵先であり、不凍液下での無機物-有機物の化学進化を引き起こす重要な物質であると提案されている。地球外試料にアンモニウム塩が同定されれば、極低温の水環境への理解を大きく飛躍させるが、未だ発見に至っていない。本研究では、炭素質小惑星リュウグウの試料に高揮発性の塩類が残存すると推測し、大気下での変質を防いだ微小領域分析を独自に組み合わせて、アンモニウム塩の検出を目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
[実験経過] 分析に用いたリュウグウの砂は国際公募分析により配布された試料である。まずJAXA/宇宙科学研究所のキュレーションを利用して、空気に触れることなく小惑星の砂を観察できる設備(グローブボックス、密閉型試料容器、エアロック付き電子顕微鏡)を活用した。大気から隔離した状態で、リュウグウの砂を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡で観察したところ、砂つぶの表面に白い脈が発達していることを見出した。特性X線による元素種の分析から、それらがナトリウムに富む見慣れない元素比の特徴を示すことから、リュウグウや地球外試料でこれまでに見つかっていない種の物質である可能性に気づいた。 そこで、この砂の内部の岩石学的な特徴を捉えるために、SPring-8のBL20XUに設置されたX線トモグラフィーとX線回折を利用することで、砂に対する三次元的かつ非破壊での観察を行った。X線トモグラフィーによって撮影した粒子の外形を用いることで、切片の切り出し位置や向きの詳細を検討した。つづいて、透過型電子顕微鏡やUVSORの放射光走査型透過X線顕微鏡を利用することで、結晶脈の主成分はナトリウム炭酸塩(Na2CO3)であり、塩化ナトリウム(NaCl)の結晶や、ナトリウム硫酸塩(Na2SO4)も含むことがわかった。ナトリウム炭酸塩と塩化ナトリウムは電子線回折と特性X線による構成元素の解析から同定された。一方で、ナトリウム硫酸塩は、UVSORの放射光走査型透過X線顕微鏡を利用することで、軟X線の吸収量の特徴から同定した。発見された鉱物はリュウグウの砂を作る多くの鉱物が母天体で沈殿したあとに、液体の水が失われる現象が存在し、その際に塩の結晶が沈殿したと考えた。アンモニア化合物の特定には至らなかったが、リュウグウ試料に存在しているとすれば、溶解度の高い塩類と共存している可能性は高く、今後の研究対象を塩鉱物に絞ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年は、リュウグウ試料の大気への暴露を避けた分析すすめて、当初のターゲットであったナトリウムに富む岩相の分析を行なった。結果、リュウグウでこれまでに見つかっていなかった塩類の記載を進めることができた。また、大気中の湿気などで変質しやすい鉱物種に対する取扱いや分析手法の確立を行うことができた。とくに手法としては、大気非暴露での試料ハンドリング、試料輸送、 自作したカプトンホルダーを用いたX線CT撮影などを含む。また、分析を進める中で、塩鉱物は電子線に極めて弱いことがわかった。そこで、走査型電子顕微鏡の観察と透過型電子顕微鏡の分析において、塩鉱物を分析する条件を探ることができた。こうした分析条件の探索は次年度以降の分析につなげることができる。一連の成果はNature Astrononyにて出版することができた。NASAの帰還試料である小惑星ベヌーの初期分析においても、同様の研究がNatureにて報告され、リュウグウとベヌーの比較研究をするための大きな成果を残すことができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も今年度と同様にNaに富む岩相に注目した記載を行って、有機物や窒素化合物の分析を目指す。まずSEM-EDSマッピングによって、Naに富む岩相を記載する。その後、FIBによって切片を切り出す。切片に対するSTXM観察を行う。最後にTEM観察を行なって、切片に含まれる鉱物の同定を行う予定である。
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