| Project/Area Number |
24K01447
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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| Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平井 健二 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (10754400)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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| Keywords | 強結合 / ポラリトンレーザー / ポラリトン凝縮 / 超分子 / 金属有機構造体 / 自己組織化 / ボースアインシュタイン凝縮 |
| Outline of Research at the Start |
特定の色の光を出す光源は、分析・加工・照明など、さまざまな場面で重要である。この研究では、光共振器の中で分子の集合構造が作るポラリトン状態を使って、高輝度な発光を実現する。分子の集合体と光共振器を組み合わせることで新たな光源作製の技術開発を目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
光共振器内に分子を導入すると、分子の電子遷移状態と共振器モードとの間で強結合が生じ、新たな準粒子的励起状態である上枝ポラリトン(Upper Polariton)および下枝ポラリトン(Lower Polariton)が形成される。これらは、従来の励起子や光子とは異なる性質を有し、光と物質のハイブリッド状態として振る舞う。強結合状態においては、光による励起後、エネルギーは速やかに下枝ポラリトン状態へと緩和・凝縮し、そこからの発光としてポラリトンレーザー発光が観測される。この発光は、通常の半導体レーザーと比較して極めて低い閾値で発現する点が特徴であり、次世代の低消費電力光源として注目されている。 本研究の初年度においては、DBR(Distributed Bragg Reflector)ミラーによって構成された垂直型光共振器(ファブリ・ペロー型キャビティ)を試作し、その内部に蛍光性の高いフルオレン誘導体分子を導入することで、分子励起子と共振器モードとの強結合状態を構築した。角度分散型分光測定の結果、励起子準位よりも低エネルギー側の下枝ポラリトンからの発光を観測した。さらに、励起強度を段階的に増加させた際、発光ピークがブルーシフトする挙動を示した。この現象は、ポラリトン状態におけるボーズ凝縮や粒子間相互作用に起因すると考えられ、ポラリトンレーザーに特有のレージング挙動であると解釈される。これらの特徴は、本系におけるポラリトンレーザー発光を示唆する結果である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、ポラリトンレーザー発光の実現を目指して、光共振器内における分子と共振器モードとの強結合状態の構築およびその光物性評価を行うものである。初年度においては、DBRミラーによる高品質な光共振器の試作に成功し、さらに蛍光性の高いフルオレン誘導体分子を用いて、強結合状態の形成を実証した。角度分散分光測定により、励起子準位よりも低エネルギー側に位置する下枝ポラリトンからの発光を観測できたことは、強結合が達成されていることの証拠である。 また、外部励起強度を変化させた実験において、発光スペクトルにブルーシフトが見られたことから、本系においてポラリトン間の相互作用やボーズ凝縮の兆候が認められた。これらの結果は、ポラリトンレーザー特有のレージング挙動を示しており、研究の目的である低閾値レーザー発光の基盤構築に向けて、重要な進展が得られていることを示している。 以上のように、光共振器の設計・構築から分子導入、発光挙動の評価に至る一連の研究工程が計画通りに遂行され、かつポラリトン形成およびその光学的特徴に関する明確な成果が得られていることから、本研究はおおむね順調に進行していると判断できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
光と物質の強結合状態において、結合強度(Rabi分裂エネルギー)は、共振器内に存在する分子の総数、すなわち分子のモル濃度の平方根に比例して増加することが理論および実験の両面から明らかにされている。したがって、強結合状態を効率的に形成するためには、高濃度かつ均一に分布した分子系の構築が重要な要素となる。 また、ファブリ・ペロー(FP)型共振器においては、共振器モードにおける電場の空間分布は、共振器を構成するミラー面に平行な方向に主に存在する。そのため、分子の遷移双極子モーメントがミラー面と平行方向に配向していることが、共振器モードとの結合効率を最大化する上で重要である。ランダムな配向を持つ分子集合体では、結合強度が平均化され、十分な強結合状態が得られにくくなるため、分子の配向制御もまた重要な設計要素となる。 以上の点から、高い分子配向性と秩序構造を兼ね備えた材料系として、規則的な分子配列を有する超分子集合体や金属有機構造体(MOF: Metal-Organic Framework)は、光共振器内での強結合系構築において非常に有望な候補である。これらの材料は、分子間相互作用や配位構造を精密に設計・制御することで、分子の三次元的な配列および配向を高度に制御できる利点を有している。 今後の展開としては、高度に秩序化された分子集合体を光共振器内に導入し、分子励起子と共振器モードとの強結合状態を構築する。さらに、形成されたポラリトン状態における分光特性や発光挙動、非線形光学応答などの詳細な評価を通じて、低閾値ポラリトンレーザーの実現に向けた基礎物性の解明を進めていく予定である。
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