| Project/Area Number |
24K01773
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 39060:Conservation of biological resources-related
Basic Section 39070:Landscape science-related
Sections That Are Subject to Joint Review: Basic Section39060:Conservation of biological resources-related , Basic Section39070:Landscape science-related
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| Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 剛 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (70532927)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國府方 吾郎 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (40300686)
福田 知子 三重大学, 高等教育デザイン・推進機構, 特任講師(教育担当) (10508633)
村井 良徳 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (30581847)
伊東 拓朗 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (10827132)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2027: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2026: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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| Keywords | 絶滅危惧植物 / 保全単位 / 表現型分化 / 化学成分 / 北海道 / 中国 / 極東ロシア / 韓国 / 東北アジアスケール保全単位 / 遺伝的多様性 / 適応可能性 / 生理生態的分化 |
| Outline of Research at the Start |
生物多様性条約2030年目標「遺伝的多様性と適応可能性の保全」達成のため,日露中韓の3カ国以上に共通の絶滅危惧植物について,東北アジアスケールで優先して守るべき保全単位を明らかにする. (1)日露中韓の分布域を網羅した中立遺伝マーカー解析により進化的に重要な保全単位を解明し,(2)適応的遺伝子座の解析により各保全単位の遺伝的脆弱性・頑強性を評価・比較する.さらに,(3)栽培実験により適応に関わる生理生態的な表現型について保全単位間の分化を評価する. これに基づき,日露中韓の間で,共通種の遺伝的多様性と適応可能性を効果・効率的に保全する協調・分担体制を構築し,国境を越えた保全枠組みの範を示す.
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| Outline of Annual Research Achievements |
日本では北海道東部にのみ希産する4倍体矮性カンバのヤチカンバBetula ovalifolia(環境省レッドリスト,北海道レッドリスト2001絶滅危惧Ⅱ類)は,東北アジア大陸部には広く分布するとされる.同種は中国東北部の湿原の重要な構成要素とされるが,一方で,中国内陸部でロシアと国境を接する地域(内モンゴルの大興安嶺地域)では4倍体矮性カンバ類には分類学的混乱があり,ここに北海道と共通するヤチカンバが分布するかは検証が必要であった.北海道と中国のサンプルの形態解析とゲノムワイド一塩基多型(SNP)解析の結果から,大興安嶺地域の4倍体矮性カンバ類はB. fruticosaとB. middendorffiiのみでありヤチカンバは分布しないことが示された.このことから,ヤチカンバの東北アジア大陸における分布は,大陸東縁部(極東ロシア沿海地方,中国吉林省・黒竜江省)に限定されることが明らかになった(Dun et al., 2024として論文発表). トドマツ-シラビソ-チョウセンシラベ(韓国レッドリストEN)-トウシラベの種複合体については,先行して行った韓国・中国・ロシアとの共同研究で環日本海の東北アジアスケールで円環する空間遺伝構造をもつことを明らかにしたが(Kwak et al., 2024),その生態的な分化の時間スケールと環境要因をモミ属の網羅的な系統解析とニッチ進化テストにより明らかにした(Xiang et al., 2025として論文発表).トドマツら種複合体の種分化率(rate per million years)は同属の中では比較的低いが,鮮新世に分岐した大陸系統(トウシラベ系統)において生態ニッチの変化が生じたことが示された.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北アジア近隣国の調査については,中国(山東省)において山東農業大学と共同調査を行い,複数の対象種の植物試料やデータを得ることができた.極東ロシアの調査は国際情勢の影響を受け行うことができなかったが,サハリン植物園,ウラジオストク植物園,シホテアリニ保護区の共同研究者から植物試料やデータの提供を受けることができた.また,韓国についても,韓国国立生物資源館の協力により済州島の植物試料を得ることができた.北海道を主とした日本各地でも調査・採集を行った.これにより初年度から,本課題が対象とする複数種群(イブキジャコウソウ,イワレンゲ種複合体など)について東北アジアをある程度網羅して植物試料を揃えることができため,日本列島,朝鮮半島,中国東北部,極東ロシアの日本海周りに環状をなす分布の成立過程とその後の二次的な遺伝子流動を含めた空間遺伝構造について,解析を進めている.また,既に極東ロシア-北海道ルートと朝鮮半島-西日本ルートの南北2ルートで日本列島に移入したことが明らかになっている種群(エンビセンノウ,エゾムラサキツツジ-ゲンカイツツジ種複合体など)については,その両系統の共通圃場実験により,表現型に基づく保全単位の検討を進めている.さらに,表現型分化に基づく保全単位の検討については,上述のように,東北アジアにおけるヤチカンバの分布を明らかにできたことに基づき(Dun et al., 2024),北海道,ロシア,中国産の本種について化学成分の地理的変異を調べるHPLC分析および構造解析を行っている.これまでの結果では,ケルセチングリコシドなどの微量成分に地域・サンプル間で差が見られており,その環境適応機構の差異について検討を行っている.
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度の東北アジア近隣国の調査に関しては,中国東北部(吉林省,黒竜江省)について国家植物園および中国科学院・瀋陽応用生態研究所と,また,韓国(半島部および島嶼部)について全南大学との協力のもとで,実施の計画である.極東ロシアについては,渡航しての調査は国際情勢により引き続き困難であることから,サハリン植物園,ウラジオストク植物園,シホテアリニ保護区の共同研究者を通じて,植物試料・データを入手する. これらについて,東北アジアスケールで中立遺伝子座の空間遺伝構造を明らかにする解析を初年度の試料と合わせて引き続き行うとともに,そこで示される進化的保全単位を対象として適応的遺伝子座の解析により遺伝的脆弱性・頑強性を評価・比較する実験を開始する. 表現型に基づく保全単位の検討については,上述の「環日本海の南北2ルート移入」の種群(エンビセンノウ,エゾムラサキツツジ-ゲンカイツツジ種複合体など)について,化学成分分析を行う.さらに,新たに東北アジアスケールの進化的重要単位が明らかになった種についても複数集団から種子・生株と化学成分試料を採集し,共通圃場実験と化学成分分析による表現型分化の検証を行う.現時点で,空間遺伝構造が明らかになってきたとともに地域集団間で生育環境(分布標高)に著しい差異が認められるウルップソウ(極東ロシア・北海道では標高数10-数100mに対し,本州中部山岳では標高約2800m)について,化学成分分析を開始している.このような環境適応に関わる機能性をもつ化学成分の地理的分化の解析は,従来の中立遺伝子座の空間遺伝構造や機能遺伝子座の分化とは異なる保全単位設定の根拠となり得るものと考え,保全研究における新たな試みとして推進していく.
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