| Project/Area Number |
24K03365
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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| Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐藤 真人 法政大学, 文学部, 准教授 (90839218)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2028: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2027: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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| Keywords | デカルト / 基礎 / マリオン / 哲学史 / 方法 / 存在―神―論 / 愛 / 自然本性 / 神 / 精神 / 心身合一 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、西洋哲学で長い伝統をもつ自然本性natureについての考察が、デカルトによっていかに転換期を迎え、その後の多様な発展へ繋がる道筋がつけられることになったのか、その思想の意義と革新性について、哲学(史)的に解明するものである。 第一の目標は、伝統的な自然本性思想とデカルトの自然本性思想とを比較検討することで、後者が前者に対して何を批判し、何を受け継いだのか、という点をまず明らかにすることであり、第二の目標は、デカルト哲学を批判的に受け継いだ十七世紀の哲学者たちが自然本性概念をどのように考え、いかなる点においてデカルトの自然本性思想を批判したのかを検証することである。
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| Outline of Annual Research Achievements |
過去と断絶した革命者としてではなく、過去の系譜の上に位置づけられる革新者としてのデカルトの自然本性思想を中心とした一つの思想史の描出を試みるにあたり、哲学史によって哲学者自身の哲学がいかに形成されるのかについて以下二つの点から検討した。 ①デカルト研究者・神学思想研究者であり現象学者でもあるジャン=リュック・マリオンによる哲学史から見た哲学形成の考察。 ②初期デカルト哲学の起源と形成を丹念に洗い出した仏独の最新研究『驚くべき学問の諸基礎』(Dan Arbib, Vincent Carraud et al., Mirabilis scientiae fundamenta [Verlag Karl Alber, 2023])の成果と課題の分析。 ①では、デカルト研究の新たな視座を現象学(フッサールの還元とハイデガーの存在・神・論)と神学思想(愛による形而上学の超克)から得たマリオンが、それによってデカルト研究を刷新したのみならず、自らの哲学の樹立(愛による贈与論や神学論)をも果たした点を分析することで、哲学研究が哲学史研究と不可分であることを主張し、哲学史研究に基礎を置いた出発が現代の哲学研究者に課された基本的使命であり、同時に本研究の方法論的出発点であることを確認した。 ②は最新の広範な文献渉猟によって初期デカルトの哲学形成の再検討を図る論集である。中でも特筆すべきは、従来は否定的に考えられていたデカルトの哲学形成における薔薇十字会の思想的影響の可能性を綿密に分析したD. Arbib、デカルトの「方法」誕生においてコス式記号を用いる数学者たちが見逃せない役割を果たしたことを指摘するD. Rabouin、デカルトの数学と宇宙論の形成においてケプラーが決定的な役割を果たしたことを検証したE. Mehlらの論文であるが、これら研究の成果と残された課題を整理・考察して書評として発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①哲学研究と哲学史研究との不可分な連関をマリオン哲学の分析によって検討したこと、②初期デカルト哲学の形成を哲学史の中に新たに位置づける試みを多角的な観点(歴史、形而上学、数学、自然学)から検討したことにより、デカルトの自然本性思想を中心とした哲学(史)的考察を行おうとする本研究の方法論的な出発点と内容面での基盤を示すことができた。 ①においては、哲学研究における哲学史の重要性と新たな哲学的視座の導入の可能性を、デカルト研究の世界的権威であるマリオンの著述を読み解くことで、本研究の方法論的な(かつデカルト研究の刷新を考えるための)出発点として位置づけることができた。 ②においては、初期デカルト哲学の形成を最新の文献研究に基づいた新たな視点(特に形而上学、数学、自然学)から検討することで、 多義的なデカルトの自然本性思想を哲学史的に位置づけるうえで、本研究の内容面における複合的な基盤としての考察を行うことができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
デカルトへ連なる可能性のある自然本性思想の系譜を主に以下二つの点から調べる予定である。 第一に「私」における自然本性的なものの起源と内容を検討する。たとえば自然の光と自由意志はデカルトとアウグスティヌスにおいてとりわけ重要な「私」の能力であるが、両者の哲学においてそれらの能力はいかに異なるのか。また、デカルトの自由意志論にはドゥンス・スコトゥスからの影響があることがしばしば指摘されるが、これについても両者の異同はどうか。デカルトの「私」の独自性は、純粋精神である「私」と心身合一体としての「私」の二つの方向から自然本性を考える必要がある点にあり、それがとりわけ自由意志の発露を考える上で顕著に現れる(例えば愛の理論において)。こういったデカルト哲学の特徴を基にスコラ哲学との相違を分析し、二つの「私」の自然本性をデカルトがいかに齟齬なく考えたのかを考察する。 第二に自然法を検討する。世界の中に見出される法や規則性についての考察は古代ギリシア以来伝統的に見られるが、この点におけるデカルトの独自性は、①それを永遠真理創造説と三つの自然法則といういずれも革新的な主張に収斂させたこと、②それらが自然界の中だけでなく、精神の中にも共通して見出すことができ、世界と精神のいわば橋渡しの役割を果たしていること、の二つにあるというのが本研究の見通しである。これらの主張の起源が例えばドゥンス・スコトゥスやオッカムのいわゆる主意主義にあるのだとすれば、デカルトはそれら先達の何を受け継ぎ、何を拒否して自らの独自な説を樹立するに至ったのだろうか。 以上の「考える私」と自然界という二つの観点からデカルトの自然本性思想の起源と形成を複合的に探るのが今後の推進方策である。
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